エクステリアは、単に家の外観を美しく見せるだけではなく、そこに住む家族のライフスタイルや個性を反映させ、快適な居住と生活空間を実現するための重要な付加価値といえます。この記事では、「エクステリア」とは何か、どのように自然と調和させるか、実例に基づくアイデア、そして実践的なアドバイスに至るまで、理想の暮らしを充実させるエクステリアについて掘り下げて考えてみます。
「エクステリア」とは?
「エクステリア(exterior)」は、インテリアの対になる言葉です。インテリアが家具や照明など建物の内部の空間に関連するものを意味するのに対し、エクステリアは、建物の外側を取り巻く空間や環境のことです。
たとえば、具体的には、門扉やフェンス、玄関アプローチ、カーポート、バルコニー、テラス、ウッドデッキなどの外構や庭まわりのことを指し、一般的には建物の外壁もエクステリアに含まれます。
インテリアと同じように、エクステリアアイテムのデザインや機能性もさまざまなものがあります。さらに、アイテム同士の組み合わせを考えると、機能性とデザイン性を兼ね備えた、我が家が引き立つ建物と一体となったエクステリアによる生活空間を創造することができ、毎日のエクステリアによる楽しみの幅は大きく広がります。
主要なエクステリア
- 門扉: 住まいの顔であり、第一印象となる重要な要素。デザインや機能、素材によって、建物と住まいの印象を大きく左右する。
- アプローチ: 門扉から玄関までの通路。安全性や歩きやすさ、外の視線などを考慮しながら、デザイン性も重要。
- フェンス: 敷地境界を示す役割と、防犯・プライバシー保護の役割。デザインや機能、素材、高さなどを考慮する。
- カーポート: 車を雨や風から守るための屋根のある車庫。デザインや機能性、設置場所などを考慮する。
- テラス: 屋外でくつろぐための空間。屋根付きや吹き抜けなど、様々なタイプがある。
- ガーデン: 植栽や芝生などを用いて、住まいの周りを緑豊かに彩る。デザインやプライバシー、手入れ方法などを考慮する。
- 照明: 夜間の安全性を確保し、エクステリアを美しく演出する。灯具の種類や配置などを考慮する。
その他
- ポスト: 郵便物を受け取るための設備。デザインや収納量、設置場所などを考慮する。
- インターホン: 来客を知らせるための設備。機能性やデザイン性を考慮する。
- 物置: ガーデニング用品や自転車などを収納するためのスペース。デザインや機能性、設置場所などを考慮する。
理想の暮らしを叶えるエクステリアデザインの基本理念
住まいの外観は、建物の外装そのものだけではなく、そこに住む家族のライフスタイルや個性、価値観を表現する重要な要素。周囲の環境と調和しながら、快適で美しい住まいと暮らし空間を創造する価値あるものです。
エクステリアデザインとライフスタイル
エクステリアデザインは、家族構成やライフスタイルに大きく影響されます。例えば、
- 家族構成: ファミリー層の場合は、広い庭やテラスなど、家族で楽しめる空間を望んでいる。一方、シニア層は、防犯やメンテナンスなどに関心が高い。
- 趣味: ガーデニングが好きな人は、花壇や菜園、季節の植栽を望んでいる。
- 車: 愛車を守る駐車スペースやカーポートを望んでいる。
また、地域や隣家との環境の調和も考慮することが求められます。例えば、
- 街並み: 隣家などの周囲の建物の雰囲気に合わせたデザインや仕様にすることを考慮。
- 景観: 地域の一員として、自然環境に配慮したデザインにすることを考慮。
- 法規制: 建築基準法などの法規制を遵守することが必要。
エクステリアデザインと価値観
エクステリアデザインは、家族の価値観をも反映することができます。例えば、
- モダン: シンプルでスタイリッシュ。直線的なラインやシンプルなフォルムが特徴的なスタイル。モノトーンカラーやグレーなど、クールな色合いがよく使われる。
- ナチュラル(自然志向): 木材や石材などの自然素材を活かしたスタイル。ベージュやブラウンなど、温かみのある色合いがよく使われる。
- 北欧: 北欧風のデザインは、シンプルで機能的でありながら、温かみのある雰囲気が特徴。白やブルーなど、爽やかな色合いがよく使われる。
- アジアン: リゾート感のあるアジアンスタイルは、開放的な空間が特徴。竹や木などの素材がよく使われる。
- 和風(伝統): 和風のデザインは、伝統的な要素を取り入れつつ、現代風にアレンジしたスタイル。黒や赤など、和の色彩がよく使われる。
などがあり、その上でどのように仕上げていくかを選択していきます。
- シンプルで機能的なデザイン: 無駄な装飾を排し、シンプルで機能的にする。
- 素材の質感: 天然素材や木目調など、素材の質感にこだわる。
- 開放感のある空間: 大きな窓やテラスを設置し、開放感のある空間にする。
- 緑との調和: 植栽を効果的に取り入れ、自然の緑と調和した空間にする。
- ライティング: 照明を効果的に使用し、夜間のエクステリアを美しく演出する。
以上のような、デザインの要素を理解し、様々なアイデアを組み合わせることで、エクステリアで、理想の住まいを実現することができます。
理想の暮らしに欠かせない自然との調和
自宅の庭は、日々の生活に自然を取り入れるための素晴らしい環境をつくることができます。植物を育てたり、自然素材を取り入れたり、水を取り入れたりすることで、五感を刺激し、心身ともにリラックスして毎日を楽しくしてくれます。
以下、いくつかのアイデアをご紹介します。ぜひ、ご自身のライフスタイルに合った方法で、自然との調和を楽しんでください。
植物を育てる
- 季節の花や野菜を育て、自然の美しさや自然の移り変わり、サイクルを身近に感じることができる。
- 手軽にできる趣味としてのガーデニングで、近隣とのコミュニケーションの機会が増える。
- ハーブを育て、料理や香りを楽しんだり、果樹を育て、旬の味覚を味わうことができる。
自然素材を取り入れる
- 木材や石材などの自然素材を、デッキやテラス、ガーデン家具などに使用することで、温かみのある空間を作ることができる。
- 竹やレンガなどの素材を使って、目隠しや仕切りを作ることもできる。
水を取り入れる
- 小さな池や噴水を作ることで、水の音や涼しさを楽しむことができる。
- ビオトープを作り、水生植物やメダカなどを飼育することができる。
アウトドアリビングを作る
- テラスやガーデンにテーブルや椅子を置いて、自然の緑に囲まれながらの読書やティータイムを楽しむことができる。
- バーベキューグリルを設置して、家族や友人とバーベキューを楽しむこともできる。
- 第2の室内、アウトドアリビングで、自然の光や緑の美しさで癒されたガーデニングを楽しむ。
自然を眺める
- 庭やガーデンにベンチを置いて、緑や花を眺めながらリラックスすることができる。
- ハンモックを吊り下げて、昼寝を楽しむこともできる。
自然の音を楽しむ
- 風鈴や水琴窟を設置して、風の音や水の音を楽しむことができる。
- 鳥のさえずりを聞きながら、朝の時間を過ごすこともできる。
自然の香りを嗅ぐ
- 花やハーブを育て、その香りを楽しむことができる。
- アロマオイルを使って、ガーデンに香りを演出することもできる。
自然の恵みを受け取る
- 雨水を貯めて、ガーデニングに利用することができる。
- 家庭菜園で時々に楽しませてくれる、お花や植物を育て、お部屋に季節を飾る
- 太陽光発電を利用して、電気代を節約することができる。
理想の暮らしを実現したエクステリアの実例
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理想の暮らしのためにエクステリア計画をしよう
新築の場合はどうしても建物本体に気を取られて、エクステリアを考えるのが後まわしになってしまいがち。その結果、後で不便な思いをすることもあります。
たとえば、プライバシーが守れない、庭で落ち着かない、車の出し入れがしにくくなってしまった、干している洗濯物が道から丸見えになってしまった、希望するサイズのウッドデッキがつけられなかった、お庭で楽しむ空間が少ない、……。
ではどのようにすれば、希望が叶える満足度の高いエクステリアを実現できるのでしょうか?
家を建てる際には、大まかでよいので、エクステリアを含めた建物の敷地全体のことを考えることが重要です。
たとえば、何台分の駐車スペースが必要なのか、庭では花を育てたいのか木々を植えたいのか、子どもを遊ばせたいのか大人がくつろぎたいのか、家族でどんなイベントをしたいのか、趣味を楽しむ空間は必要か、ペットを飼う予定はあるのかなど、希望のライフスタイルからどんなスペースが必要なのかを考え、それぞれの導線も含めてゾーニング(ゾーン分け)しておくと、使いやすい家になります。
エクステリアと建物を一体的に考えるメリット
エクステリアと建物を一体的に考えることで、敷地全体の有効活用が可能になります。従来の考え方では、建物とエクステリアは別々に計画しがちでしたが、一体的に考えることで、以下のメリットを得ることができます。
メリット
- 空間の広がり: 建物とエクステリアを一体的にデザインすることで、空間を広く感じることができる。
- 機能性の向上: 建物とエクステリアの機能を連携させることで、より快適な空間を作ることができる。
- デザイン性の向上: 建物とエクステリアのデザインを統一することで、より美しい空間を作ることができる。
- コストの削減: 建物とエクステリアを同時に計画することで、コストを抑えることができる。
- 設計段階からエクステリアを考える: 建物の設計段階からエクステリアを考慮することで、空間を有効活用しやすくなる。
- 内外空間のつながりを意識する: 窓やテラスなどを活用することで、内外空間のつながりを意識したデザインにすることができる。
- 素材や色を統一する: 建物とエクステリアの素材や色を統一することで、一体感のある空間を作ることができる。
- 専門家に相談する: エクステリアの専門家に相談することで、敷地全体の有効活用を考えたプランを提案してもらえる。
エクステリアはライフスタイルに合わせて計画
家族の年齢・世帯構成や希望するライフスタイル、たとえば、自分で、家族で、隣人や友人や知人とで、どんな生活をしたいか、どんな暮らし方が理想なのかを考えることによっても、エクステリア計画は変わります。
- 予算を決める
エクステリア計画を始める前に、予算を決めることが重要です。予算によって、できることとできないことが決まってきます。 - ライフスタイルを考える
エクステリアは、家族のライフスタイルに合わせて計画する必要があります。例えば、家族が多い場合は、広い庭やテラスが必要になります。 - 周囲の環境を考える
エクステリアは、周囲の環境に調和させる必要があります。例えば、街並みに合わないようなデザインは避けましょう。 - 実用性を考える
エクステリアは、実用性も考慮する必要があります。例えば、カーポートは車を雨や風から守るために必要です。 - デザイン性を考える
エクステリアは、住まいの外観を美しくするものです。自分の好きなデザインを選びましょう。 - 防犯性を考える
エクステリアは、防犯性も考慮する必要があります。例えば、防犯カメラやセンサーライトを設置しましょう。
家族構成やライフスタイルの変化で、理想のエクステリアも変わる
時間がたつとともに、ライフスタイルは変わります。子どもが大きくなったり、親と同居したりと家族構成が変化することもあれば、新しい趣味ができて庭の使い方を変えたいといったようなこともあるでしょう。
また、家の外壁も定期的なメンテナンスが必要。紫外線や風雨にさらされる屋根や外壁は、住宅のなかで最も劣化が進む場所です。傷んだ外壁や屋根をそのままにしておくと、雨漏りなど内部まで影響が及び、後の補修も大変になってしまいます。
部屋の模様替えと同じように、エクステリアも時々見直しをしてリフォームすることで、いつまでも気持ちよく住み続けることができます。
エクステリアの専門家に相談するのが安心!
長年使うエクステリアだからこそ、エクステリアの専門家に相談するのがおすすめです。専門家は、要望や予算に合わせて、最適なプランを提案してくれます。具体的に進めてみると、予算との折り合いの付け方も含め、プロのアイデアを借りることで、叶うこともたくさんあります。
また、YKK APでも、エクステリアについてのさまざまな相談をすることができます。
まずは、素敵なエクステリアについてのヒントを発見できる、お近くのショールームに足を運んでみてはいかがでしょうか。