エクステリアのレイアウト、5つのステップで考えましょう。

エクステリアのレイアウト、5つのステップで考えましょう。

住まいの周囲にある外空間をエクステリアと呼びます。エクステリアには様々な役割があり、必要な機能を満たすのはもちろん、街の景観を作る一部にもなります。個人の空間でありながら、周囲にも影響を及ぼすのでエクステリアデザインは少し広い視野で考えたい部分です。今回はエクステリアのレイアウトを考えるときの5つのステップをご紹介していきます。

STEP.1 周辺住まいの雰囲気を観察する

この場所に住もうと決めるのは大きな決断です。そこを選んだ理由は色々と沢山あっても、ここなら快適に暮らせそうだと感じたからこそ選ばれたのだと思います。住まいの周辺の雰囲気は、そこに建つ、ひとつひとつの住まいが作り出しているものです。周辺の家は重厚な雰囲気が多いでしょうか?それとも比較的新しくモダンな家が多い?緑はたくさん育てられていますか?などなど、住まいの外観を観察してみましょう。

エクステリアのレイアウト、5つのステップで考えましょう。

その中に加わる我が家も、心地よい町並みを作るひとつのピースになるということ。我が家が加わることで、もっと心地よい町並みになると素敵ですよね。そんな意識を少し持ちながら我が家のエクステリアレイアウトを考えていくことをお勧めします。これから長く付き合っていく我が家の周辺が、益々心地よい環境に育っていくために。

STEP.2 駐車スペースのレイアウト

駐車スペースは建物の次に大きな面積、1台あたり3m×6m = 18m2程度を必要とします。敷地の、どの場所にどのようにレイアウトするかでエクステリアデザインは大きく変わります。エクステリアを考えるとき、最初にレイアウトを検討するのが駐車スペースです。一例を見てみましょう。

エクステリアのレイアウト、5つのステップで考えましょう。

2台駐車のレイアウトが変わるとアプローチと庭空間の位置が変わります。どちらが良いかは、室内からの景観、室内と庭とのつながり、庭の活用方法、駐車スペースに屋根が必要か否かなどの要素を検討し、最適なレイアウトを導き出します。

STEP.3 家と道路の間に必要な樹木のレイアウト

樹木は景観のためにという配慮もありますが、それよりも室内でストレスなく快適に過ごすために植栽します。レイアウト検討の際、どの位置に樹木があれば快適に過ごすことができるかが最も重要です。家側からの視線と道路側からの視線の交わるエリアに視線を遮る樹木を配置することができれば、快適さと景観を両立させることができます。

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例えば先ほどの、駐車スペースをレイアウトしたものに重ねてみると樹木を植えたい位置は、このように導き出されます。

エクステリアのレイアウト、5つのステップで考えましょう。

駐車の障害にならず、視線を遮ることができる位置。庭の広さも確保できるように考えています。これが最低限必要な樹木となり、さらに植物を加えていくと、より自然環境豊かな住空間になっていきます。

STEP.4 アプローチ動線と門周り機能、門扉のレイアウト

インターホンや表札・ポストが設置されるところを門周りと呼びます。道路から玄関までの通路であるアプローチを歩く中で、全ての来客が立ち止まる場所です。

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YKK AP プリュードシリーズ

駐車スペースと樹木の位置が決まってくると残りのスペースが限られてくるので、アプローチや門周りの位置の選択肢も絞られてきます。今回の例では入口の位置は既に決まっています。他に適した位置は見当たりません。入口からの動線は樹木の間を通り抜けて玄関へと続くことになります。

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門周りの位置はどこが良いでしょう?アプローチ動線の途中にあり駐車の邪魔にならない場所の中で4カ所の候補があります。

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A~Dの中で、どこか1カ所に壁を設けて門柱とします。またはBとDをつなげてL型の門柱でもOKです。壁の面積が増えると、重厚感が増していくことになります。どの位置にどんな素材で、どんな大きさや高さで壁を設けるかは住い手次第。自由度が高くオリジナリティを表現しやすい部分です。

門扉を設置してクローズな住まいにしたい場合も、この考え方を応用します。門扉を設置できる位置は3カ所あります。A~Cの、どの位置を選ぶかで門柱の位置も変わり門周りの印象が大きく変化します。

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門扉と門柱以外の部分も塀やフェンス、生垣などで道路側からの侵入を防ぐことで、よりセキュリティーがアップします。

STEP.5 おうち時間を楽しむ庭

エクステリアの中で外構と呼ばれる部分のレイアウトは出来上がってきましたね。おうち時間を楽しむには庭を整えることも大切です。庭と呼べる空間があっても、そこで時間を過ごしたいと思えなければ、活用できていない無駄な空間になってしまいます。

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YKK AP リウッドデッキ

庭を価値ある場所にするには、室内との繋がりが重要ポイント。室内から無意識に庭へ出るための設備が不可欠です。広さの大きい小さいに関わらずウッドデッキやテラスの設置をお勧めします。

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内と外とが一体と感じられる空間ができると、庭で過ごす時だけでなく、室内で過ごす毎日の時間が心地よく感じられます。暑い日、寒い日、雨の日など外で過ごしたくない時は、心地よい室内で緑を感じ、季節の変化を感じ、庭にやってくる生き物たちに癒されます。エクステリアを整える事は、毎日の暮らしを整える事。インテリアにこだわるのと同じくらいエクステリアを意識できれば、暮らしはもっと心地よくなるはずです。

 

 

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著者プロフィール

エクステリアのレイアウト、5つのステップで考えましょう。

冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)

個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。

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