住宅が集まって建つ閑静な地域は、土地がひな壇状に作られていることが多く、段の高い敷地から見下ろされるような庭や住まい環境が少なくありません。高い敷地から見下ろされる状況でなくても、お隣の二階から見下ろされる視線を遮りたいこともあります。目隠しを必要とする場所は、庭ならテラスなどのくつろぎ空間、室内なら浴室などが考えられます。視線を遮る目隠しといえば目隠しフェンスが一般的ですが、高い方向からの見下ろす視線は目隠しフェンスで遮ることは難しいです。今回は、どうしても気になる上からの視線を遮る目隠しの方法を、取り外しが可能で取り替えできる簡易なものから、施工会社に依頼して設置するしっかりしたものまで4つの方法をご紹介します。
1.家沿いでも庭の真ん中でも設置できるパーゴラ
リビングや寝室など室内の目隠しなら、カーテンやブラインドを窓に取り付ければ目隠しになります。でも庭でくつろぐための目隠しとなれば、庭に何かを設けることが必要。パーゴラは建物の窓沿いに設けても良いし、庭の真ん中にあっても景色として成立するガーデンアイテムです。
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テラスやデッキに居ても、上から降りてくる視線を、パーゴラの垂木(タルキ)で遮っていきます。垂木の大きさや垂木を並べる間隔をケースバイケースで調整すると、その場に必要な目隠しを作ることができます。現場合わせが重要で企画商品を設置するだけでは、求める目隠しにならない場合もあるので注意が必要です。
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この写真の事例では、垂木だけでなく柱上部に板を張ることで目隠しの範囲を増やしています。さらにパーゴラに植物を組み合わせると目隠し度が上がるのはもちろん、庭の中で素敵な景色を作ってくれます。美しい花が季節を感じさせてくれる癒しの空間になるはずです。
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2.必要な時だけ取り付けるオーニング
気候も良いし今日はのんびり庭で過ごそう。そんな休日にだけ、庭の目隠しがあればいいならオーニングがおすすめ。隣家の2階からの視線を遮るにも効果的です。オーニングを設置すると、庭がいつもとは違う景色になるので非日常感が生まれ、楽しさを倍増してくれるのも良いところ。普段は取り外し収納しておくので、空が見えて開放感を保つことができます。
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オーニング専用品でなくても、好みのファブリックを取り付けるだけで十分に目隠しになります。大好きな色やデザインのファブリックなら、さらに楽しい庭空間になりそうです。
もっと気軽に必要な時にサッとオーニングを設置したいなら、建物の外壁面に収納しておく常設タイプがオススメ。開閉の方法には、手動式・電動式・リモコン式があるので楽な動作を選ぶこともできます。風力センサーや陽光センサーで突然の気候変化に対応して、自動的にオーニングを巻き取ってくれるタイプを選ぶとさらに安心です。
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3.自然の景色で何気なく目隠しする樹木
緑の多い自然な雰囲気の庭が好きなら、構築物を設けるのではなく植物で視線をコントロールする方が空間に馴染みます。上からの視線を防ぐためには高木である必要があります。庭のなかで場所を取りそうですが、足元や人が歩く高さの範囲は枝を伸ばさず幹だけにしておけばスッキリ治まる。背丈より高い部分で広がる樹形を維持して上からの視線を塞ぎます。
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樹木には常緑樹と落葉樹がありますが、寒い冬に葉を落として太陽の陽射しを庭に取り込める落葉樹がオススメです。落葉樹は紅葉し花を咲かせる種類が多いので、季節感を楽しめる目隠しになるでしょう。冬季の落葉した樹木の目隠し度合いは低くなりますが、枝が広がっているだけでも安心感があるし、冬場は室外に意識が向きにくいので庭で過ごしていても、意外と周囲からの視線が気にならないものです。
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4.視線も雨も遮る一石二鳥のテラス屋根
最後にご紹介するのは視線を遮るだけでなく、雨除けにもなるテラス屋根です。今までご紹介したものは、ご自身で簡単に設置できるものやDIYが得意な人なら作れるものでしたが、テラス屋根は構造をしっかり考えないと強い風で屋根が飛ばされたり、壊れてしまうことも考えられるので、ぜひ専門家に相談してください。
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YKK AP ソラリア
テラス屋根の屋根パネルには素材や色に種類がありますが、今回は視線を防ぐことが目的なのでマット調のものを選びます。
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柱と屋根枠の色にもバリエーションがあり、基本的には建物外観の色使いに合わせて選びます。窓の外に設置するので窓枠の色に合わせることも多いです。
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庭の雰囲気に大きく影響するので、どんな庭にしたいのかを考えて選びます。ブラウンやブラックの明度の低い色は、外の空間でもクッキリと目立ちます。周囲とコントラストがついてモダン系カッコイイ系になります。ナチュラル系やシック系の柔らかい印象にしたいなら明度の高いシルバーやホワイトを選びましょう。
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庭を見下ろされる高い位置からの視線を遮る方法を4つご紹介しました。それぞれ設置の手間やコストが大きく違うので、庭に合わせて選んでください。庭で楽しく心地よく過ごす時間が増えることを願っています。
著者プロフィール
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冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)
個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。