庭を整えたら、家で過ごす中で楽しい時間が増えるに違いない。でも屋外は、雨が降れば濡れてしまうし、夏は暑いし冬は寒い。室内のように1年を通して利用できる場所じゃないなら、コストをかけて整えるのも考えてしまいますね。庭で心地よく過ごすのが1年の中で数日なら、もったいないなと思うかもしれません。1年365日、毎日楽しめる庭にするには何が必要でしょう。どうすれば毎日活用できる場所にできるでしょう。豊かな四季の変化を堪能し、心安らぐ時間を過ごし、日々に少し嬉しいことが増える。今回は庭を生活の中で役立ち、豊かな時間も生まれる場所にする方法を考えてみます。
1.【春の庭】を楽しむために必要なもの
日差しが暖かくなってきて、むくむくと外に出たい気持ちが膨らむ季節。お天気の良い日は何の問題もなく庭での時間を楽しむことができます。蚊などの虫も少ないので、本当にストレスなく過ごすことができる良い季節なのです。でも春は梅雨の季節でもあり、雨が多いということが問題。雨が降る日は庭を楽しめないのが残念ですね。
雨に濡れないために必要なものは屋根ですね。部屋から庭へとつながる部分に屋根があると、雨に濡れることを気にせずに庭に出ることができます。その場所で、ゆっくり過ごすこともできます。雨の日は行動を制限されて予定通りの用事が出来なくなることも少なくありません。そんな予定外の空き時間こそ忙しい日々の中では、なかなか出来ない庭でのゆったり時間を楽しめる時になるのではないでしょうか。
部屋から続く屋根は室内にいる時でも、外を見れば常に視界に入ります。ということはインテリアの一部と考えた方が良いということ。また、設置が敷地の道路側だと建物外観とのバランスも重要ポイントになります。例えば、モダンイメージの住まいにはモダンな屋根を選び、ナチュラルイメージの住まいにはナチュラルな屋根を選びます。設置がしやすく経年変化による劣化が少なく長く使い続けるにはテラス屋根がおすすめ。アルミ製でありながら木調のナチュラルイメージのものがあり、カラーバリエーションも豊富です。
2.【夏の庭】を楽しむために必要なもの
暑い夏に庭で過ごすには日差しが遮られた日陰が必要です。理想的な日陰は大きな樹木の作る木陰ではないでしょうか。樹木のある空間は周囲よりも気温が低くなることが知られています。日差しが遮られていることに加え、根が土中の水分を吸い上げて葉から蒸散させる時、周囲の熱を奪っているからです。
そうとわかっていても家が建ち並ぶ住宅地では、十分な日陰を確保するための高木を植え、育てることが出来ないこともあります。そんな時は樹木以外のもので日陰を作る必要があります。一番簡単なものはパラソル。
日陰の範囲は狭く、人の頭上範囲に日陰を作る感じになります。必要な時だけ設置して、使わない時は収納しておくことができるのは利点ですが、影の範囲が小さすぎるかもしれません。
もう少し広い範囲の日陰を作るには、シェードやオーニングを利用します。日本でも古くから利用されているすだれ。それを今の住まいのデザインに合わせた洋風すだれは日差しを6〜8割カットしてくれてカラーバリエーションも豊富。サッシの上部に設置するタイプなら必要のない時は巻き上げて収納出来ます。
外壁に設置するならオーニング。アウターシェードと比べると上からの日差しを防ぎ、下部の空間が広く利用できます。
雨よけのテラス屋根を設置しているならオプションで天井カーテンを取り付けることができます。洋風すだれとの合わせ技を使えば日差しを遮ることによる涼しさ確保も、より効果的です。
3.【秋の庭】を楽しむために必要なもの
日差しが和らぎ心地よい庭時間を過ごすことができる絶好の季節。窓を開放して室内と庭の境目を意識することなく過ごせたら心も解放出来たようで気持ちが良いものです。そんな部屋と庭とのつながりを生み出すアイテムはリウッドデッキ。
インテリアとのつながりを意識して、ウッドデッキの色は室内床の色に合わせてコーディネートします。天然木なら、防腐を兼ねた塗料で塗装をします。2年に一度くらいの塗り替えがおすすめです。作業はデッキ材が乾燥している冬の季節にすると塗料がたっぷり染み込み、デッキの寿命を伸ばすことにつながります。
メンテナンスフリーを望むなら木粉と樹脂を混ぜた素材で作られた、人工木のデッキが良いでしょう。近年、カラーバリエーションも増えているので、インテリアとのコーディネートの幅も広がっています。
4.【冬の庭】を楽しむために必要なもの
夏と並んで屋外で過ごすことの少なくなる季節です。庭だけど室内にいるような環境が作れたら、寒い冬でも庭で過ごす時間を楽しむことができます。そうするには庭に部屋を作るという方法があります。床はリウッドデッキで天井はテラス屋根、周囲は開閉可能な透明な扉で囲います。
寒い季節は庭とつながる扉を閉め切り、室内とつながる窓を開けて暖房を取り込む。暖かい環境でありながら庭に囲まれて外を感じることができます。
真冬でも天気の良い日なら、ポカポカの日差しを感じることができます。昔の家の縁側みたいな心地よい場所になりそうですね。冬以外の季節は扉を開放して四季を楽しむことができます。クローズもオープンも自在で自由なところが魅力です。
庭を1年365日、楽しむために必要なものをご紹介しました。庭を今より少し整えることで、家での寛ぎの時間や家族との賑やかな時間が、今よりもっと増えるはずですよ。
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著者プロフィール
冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)
個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。