住宅地は静かで緑も多く、住環境が良いのが魅力です。心地よい環境での生活だからこそ、ちょっとしたストレスも減らしていきたいですね。家が建ち並ぶ住宅地では、周囲からの視線が大きなストレスに。逆に見られることを意識せずに過ごせる住まいが作れたら、とても快適に暮らせます。今回は、都会や都会に近い地域の住まいで、「隣のお家と接している場合の目隠しフェンスの選び方」について考えてみました。
1.視線遮断と風通しを両立させたい
目隠しという壁を作ると、視線だけでなく空気や光も遮ることになります。光の多くは頭上から差し込むものなので、壁の色を明るい色にすることで暗さは、ずいぶん解消されます。でも風通しは、視線を塞いだ面積と同じだけ悪くなってしまいます。良い住環境を考えると風が通る、動く状態は必須。気温や湿度にも大きく関わります。
一般的な目隠しは風通しも、ある程度は確保できます。
さらに風通しを優先すると目隠し度が下がります。
隣地と距離が近い都会の住宅地では、人と人との距離が近くなるので、一般的な目隠しの隙間でさえも気になることがあります。道ゆく人が通り過ぎるだけの道路からの視線は気にならなくても、同じように庭で過ごす隣人の気配が近すぎると、庭に出るタイミングを測ったり、服装に気を遣ったりと心からリラックス出来ないことも出てきます。
最近の新しいデザインには、しっかり視線を防いで風も通る理想的な目隠しもあります。
パネル板に工夫があり、風を通しながら完全な目隠しを実現しています。
風の通らない目隠しは快適さに影響するので、やはり少しでも風が通過するデザインを選びたいですね。
2.敷地を無駄なく使う
目隠しフェンスは視線を防ぐために背の高いものになります。
背の高いフェンスのバリエーションも増えているので、住まいのデザインに合わせて選ぶことが可能です。
写真のように道路沿いにスクリーンフェンスを設けるときは、足元に植栽スペースを確保すると無機質にならず素敵に演出できます。一方、隣地境界に儲ける場合は注意が必要です。隣地境界にはコンクリートブロックなどを積んで、きっちりと境界を分かりやすく明示する必要があります。すると納まりはこうなります。
境界沿いにデットスペースが生まれてしまいます。このスペースを無くすには、ブロック積みの上に設置できる目隠しフェンスを選ぶと敷地を無駄なく使うことができます。ブロックの上に設置できるフェンスの多くは、高さ1.2メートルまでですが、近年それよりも背の高いフェンスも出てきました。
このおかげで、より洗練された満足度の高いエクステリアデザインが可能になります。
フェンスを設置するブロック積みの構造は、強度が必要なので、リフォームなどで既存ブロック積みの上に付け足すときは必ず強度確認をしてください。
道路沿いと隣地境界沿いで、フェンスの施工方法を変えて収めることもできます。同じデザインの目隠しが連続しているので、スッキリと上質な雰囲気に仕上がります。
3.目隠しフェンスで住まいをもっとオシャレに
面積が大きく、存在感のある目隠しフェンス。経年変化に強いアルミ素材で、様々な色の木調仕上げがあるので、家の外観やインテリアに合わせてセレクトすることができます。目隠しを設けたことで、よりオシャレな外観になったり、室内と繋がる上質な庭空間に作り上げることができます。
建物バルコニー部分とコーディネートすると
玄関周りと合わせてナチュラル感をプラス
建物との一体感を目指したコーディネート
建物カラーとのコントラストがモダンを引き立てる
我が家には、どんな目隠しフェンスが似合うのか、少し離れたところから家を眺めて想像を膨らませてください。
4.玄関扉に合わせたコーディネートで失敗しない
道路側の目隠しフェンスのコーディネートに迷ったら、玄関扉に合わせると失敗しません。玄関扉は目隠しフェンスよりもバリエーションが多く、木調デザインも増えています。玄関扉の木調と同じ色を選び、縦や横の板張り方向や格子デザインも合わせると良いでしょう。
「玄関扉」のカラーバリエーションはこんなに豊富。
「目隠しフェンス」のカラーバリエーションも増えてきています。
メーカー各社で、よく似たバリエーションがあります。近いものを選ぶのも良いと思いますが、玄関扉と同じメーカーの目隠しフェンスを選ぶと完璧に同じ色合わせができます。玄関扉のメーカーを確認してから目隠しフェンスを選ぶのもオススメです。
道路沿いと隣地境界沿いに合った「フェンス」商品を知りたい
著者プロフィール
冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)
個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。