外遊びが楽しい季節がやってきました。子どもたちが楽しく、そして安全に遊べる庭づくりのポイントやアイデアがあります。安全性を高める門扉やフェンスの活用方法、プールなどの遊具を使うために設置しておきたい設備、夏の暑い日や雨の日も快適に遊べる空間づくりのコツをご紹介します。
目次
子どもたちが安全に楽しく遊べる庭にしよう
子どもたちが楽しく、そして安全に遊べる庭づくりをしませんか。
ウッドデッキの上で水遊びを楽しんだり、芝生の上でキャンプをしたり。すべり台やブランコなどの大きめの遊具を設置すればまるで公園のような遊び場に。衛生的に砂遊びを楽しめる家庭用砂場セットもあります。
子どもの遊び場としての庭づくりを考える際には、安全の確保、見守りのしやすさ、そして健康的で快適な環境づくりをすることが必要。
上手に計画をして、我が家の庭を子どもたちの楽しい遊び場にしましょう。
見守りがしやすく、飛び出しを防ぐ安全の工夫
まずは子どもたちの安全を確保しやすい工夫をしておきましょう。子どもはいきなり走り出したり、飛び出したりしがち。ちょっと目を離すと危険な目にあってしまうことが少なくありません。
庭の周囲、もしくは子どもの遊び場は、フェンスでしっかり囲って飛び出しを防ぎましょう。敷地の入り口には門扉やゲートを設置し、必ず閉めておきましょう。鍵を付けておけば、更に安心感が高まります。
エントランスにゲート類の設置が難しい場合は、庭から敷地外への通路の途中に門扉を設置するといいでしょう。フェンスや門扉を選ぶ際には、子どもがよじ登らないよう「たて格子」などのデザインを選ぶのがおすすめです。
子どもたちの遊び場は、見守りがしやすいよう、キッチンやリビングからよく見える位置に計画しましょう。対面スタイルのキッチンなら、シンクの前に立った位置から見えやすく、炊事をしながら子どもたちを見守ることができるようになります。
また子どもはよく走り、よく転ぶものです。とがった石や砂利を敷くと、けがをしやすくなりますので、芝生やウッドデッキなどは、けがをしにくい工夫をしておきましょう。
リウッドデッキ+フェンスでテラスタイプの遊び場を作る
目が届きやすいよう子どもたちには限られたスペースで遊んで欲しい、庭に大切な草木を植えているので触られたくないといった場合は、庭の一部をフェンスで囲ってテラスを作るアイデアもあります。
テラスとは地面より少し高くしたスペースのことをいい、フェンスで囲うことで独立した空間づくりができます。
こちらの写真は再生木を使ったリウッドデッキです。菌類による腐朽やシロアリに強いため、防腐のための薬品処理をする必要がなく、子どもたちを安心して遊ばせることができます。
注意したいのが、ウッドデッキの板の間のスキマが大きいと、小さなおもちゃや食品などをデッキの下に落としてしまう可能性があること。また小さな子どもはスキマに足を引っかけて転んでしまうこともあります。
リウッドデッキは目地幅が3ミリ程度で、板同士の凸凹を差し込んで施工するので、下までスキマ無く、薄いカードなども落ちないような構造になっています。また天然木に比べて硬度が高いため、ひっかき傷がつきにくく、ペットの遊び場としても使えます。
ウッドデッキ・芝・土のバランスを考える
子どもたちの遊び場としての庭づくりをする際には、ウッドデッキもしくはタイル、芝生、土などをバランスよく計画しましょう。バリエーション豊かな庭づくりをすることで、子どもたちの遊びの幅が大きく広がります。
ウッドデッキの上ではおもちゃで遊んだり、転げまわったり、ラグを敷いてお昼寝の場にもなります。家庭用のプール遊びもしやすいでしょう。
芝生の上では思い切り走ることができ、おうちキャンプでのテントの固定や、ブランコなど大型遊具も設置しやすくなります。
土があれば、野菜や花などを植えることができます。自分たちの手で育てた野菜や果物を食べることができれば、子どもたちも大喜びすることでしょう。
プールなどの遊具を使いやすくする設備
庭での遊びをより便利にするために、設備にもひと工夫をしましょう。
ビニールプールを使うためには、水道が必要です。お湯も出るようにしておけば、更に便利です。注意したいのが排水の確認です。水はけが悪いと、水を流した時に溜まって湿気のもとになります。
水道があれば庭でキャンプをする時も便利です。さらに多目的シンクを取り付けておけば、いちいちキッチンまで行き来をしないで済みます。他にも、屋外用コンセントがあればDIYや掃除が楽になり、照明でライトアップをすれば夜の庭で静かにおしゃべりを楽しむといったこともしやすくなりますよ。
日よけで日射熱対策をして快適な遊び場に
庭で健康的に快適に遊べるよう、日よけの工夫もしておきましょう。
夏の暑い日はウッドデッキの上もかなり暑くなります。帽子もかぶらずに走り回っていては、熱中症の危険も。日よけを取り付けておけば、日射熱を遮り、暑さを軽減してくれます。
こちらは手軽に取り付けができるロールスクリーン型のアウターシェードです。降り注ぐ陽光を6~8割以上カットし、夏の暑さを軽減してくれます。
こちらは、さまざまな住宅デザインにコーディネートしやすい木調のテラス屋根です。屋根ふき材に熱線遮断ポリカーボネート板を選べば体感温度を下げ、紫外線もほぼカットしてくれるので、暑さを和らげながら、日焼けも防ぐことができます。
熱中症のリスクを避けるためにも、夏の日射熱対策はしっかりとしておきましょう。
囲いを付けて四季を通じて快適なスペースに
テラス屋根に囲いを取りつければ、四季を通じて快適に遊べるスペースになります。こちらは、テラス屋根に折りたたみタイプのサッシを取り付けたもの。これなら雨の日でも遊べる、半分屋外、半分屋内の楽しい空間になります。
わが家の庭にひと工夫をして、子どもたちが安全に楽しく、快適に遊べるスペースづくりをしてみてくださいね。
「子どもが遊べる庭づくり商品の詳しいことを知りたい。
著者プロフィール
Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー
長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中