心地よい「青空リビング」の作り方

心地よい「青空リビング」の作り方

お外が気持ち良い季節になりました。春の柔らかな光や穏やかな風を感じながら過ごす時間はとっても心地よくて贅沢なこと。そんな時間をリゾートに出掛けなくても我が家で過ごせる場所、それが「青空リビング」

我が家に「青空リビング」を作るとき、そのデザインで一番大切なのは家の中から外へどれだけスムーズに出ていくことができるかということ。室内でダイニングからリビングへ、部屋から部屋へ無意識に移動しているのと同じような感覚で内リビングから外リビングへスルッと出ていく。何のハードルも抵抗もなく足を踏み出せる。この状態が確保できると「青空リビング」はもう部屋の延長。屋根のない部屋として活用頻度の高い空間になります。

今回は「青空リビング」をつくるために必要なことをご紹介していきます。

1.つながりを整える

室内と庭は一般的に50cmから60cmの段差があります。こんな感じですね。

心地よい「青空リビング」の作り方

外部階段の一段の高さ(蹴上高さ)は15cm~20cmなので階段3段分程度の高低差があることになります。この状態では室内から庭へ一歩踏み出すことは容易ではありません。すぐそばなのに庭が遠い存在になる大きな原因なのです。スルッと外に踏み出すためには、庭と室内が繋がる部分をハードルを感じない高低差にする必要があるということです。

それを実現するための手段のひとつが「ウッドデッキ」

心地よい「青空リビング」の作り方

床面がフラットなサッシと合わせれば、サッシ枠の凸凹もなく一体感は抜群。こんな感じでサッシとデッキが収まる仕組みです。

心地よい「青空リビング」の作り方

(YKK AP大開口テラス戸 ワイドスライディング)

自然素材のウッドデッキは肌当たりが柔らかく熱を持ちにくく自然の風合いが気持ち良いのが魅力ですが経年変化するのでメンテナンスが必要。木粉とポリプロピレンを主原料とした再生木なら耐候性、耐腐朽性、耐水性に優れていて美しい質感が長持ちします。それぞれメリットとデメリットがあるのでライフスタイルに合わせて素材を選ぶことも暮らしを楽しむためには大切なポイントです。

心地よい「青空リビング」の作り方

(YKK AP リウッドデッキ)

心地よい「青空リビング」の作り方

(YKK AP リウッドデッキ)

「タイルテラス」や「自然石仕上げのテラス」を設ける場合は、建物との納まりの関係で階段一段分下げるのが一般的。足元に少し気をつけながら庭に出ることになります。小さなハードルなので、これでも部屋の延長として使うには十分ですが、やっぱり室内とフラットな「青空リビング」にしたいなら少しコスト高になるけれど実現は可能です。この場合は少し専門的な知識も必要になってくるのでプロに相談することをお勧めします。

心地よい「青空リビング」の作り方

2.居心地の良い場所にする

こうして室内と庭とのつながりが整ってきたら次は「青空リビング」で心地よく過ごすための工夫です。屋外では、やわらかい風や暖かい陽射し、木々のざわめく音・・・五感を豊かにする要素があふれています。でも残念ながら自然の恩恵は心地よく過ごすために良いことばかりではありません。

2-1「強い陽射し」を防ぐ

陽射しが照りつけるなかで長時間過ごすことはできません。過ごす場所に日陰を作りゆっくり過ごせる空間作りをします。

例えば樹木の木陰

心地よい「青空リビング」の作り方

冬には葉を落とす落葉樹なら、葉っぱが薄いので明るい日陰をつくることができます。木漏れ日も美しいです。

大きな樹木を植えることが難しければ、つる性植物を誘引する方法もあります。

心地よい「青空リビング」の作り方

パーゴラの屋根を作り、そこに植物を誘引します。花が美しい「藤」や実の収穫が楽しめる「キウイ」や「ブドウ」なら楽しみも増えそうです。

お手軽な方法ならシェード

心地よい「青空リビング」の作り方

風を通すシェード、風も雨も通しにくいシェード。種類もファブリックの柄も様々あります。でも実は、お気に入りの布を掛けるだけでも日陰は作れます。

本格的なシェードならパーゴラと共に

心地よい「青空リビング」の作り方

(YKK AP サザンテラス パーゴラタイプ)

これなら陽射しだけでなく屋根材を取り付けて、雨を防ぐこともできます。

2-2 「雨」を防いで天気に左右されない

お天気の良いときしか過ごせないなんてツマラナイ。雨が降ってしっとり濡れた庭を眺めるもの落ち着いた時間を過ごせるリラックスタイムになります。

そう思うなら、屋根をつけておけば大丈夫。

心地よい「青空リビング」の作り方

(YKK AP 大型テラス)

透明系の屋根材を選べば暗くなることもありません。

気候の良い季節だけでなく一年を通して庭を楽しみたいと思うなら、囲われた「青空リビング」だって可能です。

心地よい「青空リビング」の作り方

(YKK AP ソラリア)

周囲の扉を閉じれば室内とほぼ同じ。真夏は冷房、真冬は暖房の室内空気を取り込んで快適に庭での時間を過ごすことができます。

3.景色を整える

心地よい居場所ができたら、そこから何が見えるかをチェックしてみましょう。お隣や道路から丸見えになっていないか。なっていたならくつろぐことは難しいので樹木やフェンスを取り入れて視線を遮りプライバシーを確保することを考えたほうが良いでしょう。

機能的なことだけでなく、自分と家族が心地よく過ごすための景色作りも大切です。季節ごとに咲く花を植えたり実のなる木を植えたり。愛犬が走り回るスペースを確保したい方もいるでしょう。子供のための砂場を作る方もいます。家族それぞれが自分の心地よい場所の条件を出し合って庭を考えるのも楽しい時間になるはずです。自分たちの「青空リビング」を作っていく過程も是非楽しんでください。

心地よい「青空リビング」の作り方

まるで一部屋増えたみたい!中と外をつなぐ空間

2018.04.23

 

著者プロフィール

心地よい「青空リビング」の作り方

冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)

個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。

※記事内容は執筆時点のものであり、予告なく変更される場合があります。最新情報をご確認ください。