せっかくある庭、でも、あまり使われていない状態が長く続いてしまい、「庭の雑草をどうにかできないか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
雑草対策には、大きく2つの対策に分けることができます。
- すでに生えた雑草への対策
- 雑草が生えにくくする対策
すでに雑草が生えてしまっていたら、文字通り、根こそぎ除去することが大切です。ただ一度除草しても、雑草はすぐにまた生えてきます。大事なことは、「雑草が生えにくい環境」をつくること。
これらを踏まえて、雑草対策の方法について紹介していきます。
すでに生えた雑草への対策
草刈りをする
多くの人が、日常的に行っているのは、雑草が生えてくる都度に草刈りをするという方法です。
手で抜ける程度の雑草なら、この方法でも大丈夫ですが、大きく育ってしまった場合や生えている範囲が広い場合には、次のような問題が出てきます。
- 草刈りに多くの時間を割かれる。また、ごみも大量に出る
- さまざまな、必要な道具の準備も必要
- 無理な態勢など作業により腰などを痛める、また、熱中症になるなど、健康を害するおそれがある
- 蚊など、虫の被害を受けやすい
- 草刈り機や鎌などで、けがをするリスクがある
なかには、こうしたデメリットを避けるために、業者にお任せしている人もいるでしょう。ただし、頻繁に業者に依頼するとその分、支出がかさみます。
除草剤を撒く
除草剤も撒くという方も多いと思います。
この方法は草刈りより負担が軽くなりますが、次のような注意が必要です。
- 除草剤を吸い込んだり肌に付着したりすると、有害となる場合も多い
- 残したい植物も枯らしてしまうおそれがある
- 除草剤を撒いた当日に雨が降ると、効果が弱まる
- 噴霧器を使う場合は、重労働になる
除草剤は、種類によって毒性や周りの環境への影響が異なります。除草剤を使用する場合は、天候や風向きなどを考えて、健康上のリスク最小限にすることを心がけてください。
庭に対する思い入れによって、雑草対策も変わる
その他にも、重曹、熱湯、酢、塩など様々な方法がありますが、どれも一長一短があります。雑草対策は、それぞれの状況や目的によって適切な方法が異なるため、これが一番良いという方法はありません。
例えば、今は使っていなくても数年後に花や畑などの植物や作物を植えようと考えているケースもあれば、この先もずっと植物は植えないし雑草も生えてほしくないというケースもあるでしょう。これらの状況によって、適した雑草対策は異なります。将来、作物や植物を育てる予定がある場合は、土壌の健康を維持しつつ雑草を抑える必要があります。
このように、まず、「どのような庭にしたいか?」を明確にすることが、適切な雑草対策を選ぶ第一歩となります。
雑草が生えにくくする対策
雑草を生えにくくするためには、庭に敷く素材を考える必要があるため、エクステリア工事が雑草対策にとって重要な役割を担うことになります。
ここでは主な9つの方法を取り上げ、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
コンクリートで固める
根本的に雑草を駆除する方法としては、コンクリートで固めてしまうという方法もあります。
一度施工してしまえば草刈りの苦労から解放されるのは大きな魅力ですが、一方で、土や緑とのふれあいの機会は無くなります。また、しっかり施工しないと隙間から雑草が生えてくることもあります。
注意点
- 費用が高額(1平方メートル当たり1万円前後が目安)
- 無機質で冷たい印象になりがち
- ガーデニングに制約がある(鉢植えの植物しか置けないなど)
- 撤去する際は、設置時と同程度の費用がかかる
- 夏場は地面が高温となり、照り返しも厳しい
他の方法に比べて多額の費用がかかるうえに、施工後は庭の用途が制限されることになるため、この方法を選択するなら、庭をどう使いたいかをよく検討してからにしましょう。
固まる土を使う
ホームセンターに行くと「固まる土」というものを売っています。現在の庭土の上に撒いて水をかければ数日で固まるというもので、扱いがとても簡単なことが魅力です。
注意点
- 意外と大量の土が必要(厚さ5cm程度、1m四方につき75kgの目安)
- ひび割れしやすい
- 施工直後から、表面の土が流れ始める
特に雑草を残したままで固まる土を撒いてしまうと、すぐに割れ目から草が顔を出してしまうことがあります。施工をやり直すのが簡単ではない、ということもデメリットになるでしょう。
レンガやタイルを敷く
レンガやタイルを隙間なく敷きつめると、雑草を防止する効果があります。美観にも優れているため、素敵な庭づくりができるでしょう。
注意点
- 傾斜のある土地に敷くのは難しい
- レンガやタイル自体の費用が高額となりがち
- コケが生える可能性がある
- すき間に砂や泥が入り込み、ここから草が生える可能性がある
レンガやタイルは一度敷いてしまうと、撤去するのは大変。上手に敷くには、ご自分のDIYで行うのではなく、施工店に相談することをおすすめします。
砂利を敷く
厚さ5cm程度で砂利を敷きつめると、数年間は雑草を生えにくくする効果があります。砂利の種類の選び方次第で、美しい庭に仕上げられるでしょう。
注意点
- すき間が生じがちであり、草が生えやすい
- 数年経過すると砂利が土の中に沈むため土が表面に露出し、雑草も生えやすくなる
- 枯れ葉やごみの掃除が大変
- 熱を持つため、樹木の根元には使えない
砂利を敷く場合は、防草シートと併用すると、より効果が期待できます。
ウッドチップ(バークチップ)を敷く
もし犬や猫といったペットを飼っている場合は、ウッドチップやバークチップを庭に敷くという対処法もあります。チップの上なら、見た目もやさしく、安心してペットを遊ばせることができるでしょう。
注意点
- 10cm以上の厚みが必要
- 年月がたつにつれて土に還るため、定期的な補充が必要
- 虫のすみかとなるおそれがある
ウッドチップも砂利と同じように防草シートと併用すると、効果がアップします。
※ウッドチップ:ヒノキや杉など様々な木材そのものを細かくチップ状にしたもの
※バークチップ:樹皮を細かくチップ状にしたもの
芝生を敷く
天然芝はこまめなメンテナンスが必要ですが、人工芝なら一年中青々とした見た目を楽しめます。ドッグランでは人工芝が使われていることが多く、歩きやすいということもメリットです。
注意点
- 光を完全に遮断しないため、草が生えがち
- 継ぎ目から草が顔を出してしまう
これも、効果を上げるためには、防草シートと併用するのがおすすめです。
防草シートを敷く
防草シートは、土の上に被せて日光を遮断し、植物の生長を抑えてくれます。しっかりした製品を選べば、雑草対策としては効果的な方法と言えます。
注意点
- 目の粗い製品を使うと、すき間から雑草が生えてくる
- 紫外線で劣化する製品もあり、注意が必要
- 敷く際には、すき間が空かないように注意が必要
防草シートを購入するときは、値段の安さだけに惑わされずに、できるだけ目が詰まったもの、不織布製の製品を選ぶことをおすすめします。
グランドカバーを植える
グランドカバーは地面を覆う植物で、雑草の発生を抑え、美しい景観を作り出すのに役立ちます。密に植えることで、グランドカバー植物が日光を遮り、雑草の生育を抑えてくれます。また、季節ごとに変わる花や葉の色を楽しむことができ、庭に彩りを加えます。
グランドカバーの代表的な植物
- クローバー
耐寒性と耐乾性に優れており、非常に強健な植物です。四つ葉のクローバーとしても知られ、幸運のシンボルとして親しまれています。特にホワイトクローバーは雑草を抑制する効果が高く、芝生の代わりに使用することが多いです。また、土壌改良の役割も果たし、根に共生する窒素固定菌によって土壌の栄養バランスを向上させます。 - ミント
強い香りと繁殖力が特徴で、雑草の成長を抑える効果があります。繁殖力が非常に強く、一度植えると広範囲に広がるため、管理が必要です。ペパーミントやスペアミントなどの種類があり、料理やハーブティーに利用されることも多いです。また、その香りは害虫を遠ざける効果もあります。 - ハーブ
多種多様な植物が含まれ、その多くがグランドカバーとしても利用可能です。例えば、タイムやオレガノ、セージなどは低く広がる性質があり、雑草の抑制に効果的です。また、ハーブは香りや見た目の美しさも兼ね備えているため、庭をおしゃれに彩ることができます。さらに、料理や薬草としての利用価値も高く、家庭菜園にも人気です。 - クラピア
高密度で広がる多年草で、雑草を効果的に抑えます。耐寒性もあり、広範囲に適しています。また、踏まれても平気で、庭の歩道や駐車場にも利用できます。その耐久性と管理のしやすさから、幅広い用途で活用される優れた植物です。 - ヒメイワダレソウ
高温多湿に強く、耐久性に優れています。踏まれても平気で、庭の歩道や駐車場にも利用できます。また、成長が早く、短期間で広がるため、雑草の抑制にも効果的です。その丈夫さと適応力で、様々な環境で利用可能です。 - タマリュウ
半日陰でも育ち、手入れが簡単な植物です。和風庭園に適しており、庭のアクセントとして利用されます。また、その耐久性と低メンテナンスの特性から、広範囲にわたって使用できます。特に湿潤な環境に強く、長期間美しさを保ちます。
注意点
- 植えたばかりのグランドカバーは、しっかり根付くまでの間、雑草の管理が必要
- 適切でない植物を選ぶと、思うように広がらず、雑草が増えてしまう可能性がある
- 一部のグランドカバー植物は定期的な剪定が必要
ウッドデッキ
ウッドデッキが地面を覆うことで、雑草の発生を防ぎます。スペースとして利用できるため、庭の活用幅が広がり、ナチュラルな木の質感が庭に暖かみを加え、景観を引き立ててくれます。
注意点
- 天然木だと経年劣化しやすく、定期的なメンテナンス(塗装や防腐処理)が必要
- 目地部分に隙間があると、デッキ下に光が差し込み、雑草が生えてくる
YKK APの「リウッドデッキ」はこれらの注意点を補っています。木粉とプラスチックを主原料とした、水濡れによる反りや腐食が起きにくい人工木・再生木(リウッド)です。目地部分はデッキ下まで貫通しておらず、すき間から物が落ちる心配がありません。デッキ下に光がもれにくいため雑草が生えにくい利点もあります。
防草シートを組み合わせる方法がおすすめ
ここまで解説してきた通り、雑草対策には、DIYできるものから専門業者に頼まなければ難しいものまで様々ありますが、どの対策も一長一短であり、庭に適した方法でなければ、効果は薄くなってしまいます。
さらに、単独で施工しても、対策として今ひとつというものもあります。
そこでおすすめしたいのが、防草シートと組み合わせるという方法です。それぞれの対策と組み合わせれば、美しい庭づくりと雑草対策の両方を兼ね備えることができます。
例えば、防草シートの上にウッドチップなどを敷いても性能が落ちることはありません。美観を保ったまま雑草を防げるため、一石二鳥の効果が得られます。コスパの良さであれば、防草シートの上に砂利敷きになるでしょう。
防草シートにはさまざまなメーカーから多くの製品が出ていますが、大建工業㈱の「グラスバスター」なら、次のようなメリットがあります。
- 1平方センチメートル当たり縦4,000本、横2,000本もの繊維を使った、高密度な製品
- 96%以上の遮光性。光をほぼ通さず、植物が育ちにくい
- 正しく施工することで、10年間張り替え無しで済ませることも可能
- 水を通すため水たまりになりにくい。また、防草シートの下にある土の乾燥も防げる
上に砂利を敷くような場合は、「グラスバスター 砂利下用」を選ぶと砂利が埋まってしまうということが避けられます。
中途半端な対策では、すぐにまた雑草が生えてきてしまいます。草刈りの重労働に苦労したり、すぐに隙間から生えてくる雑草に悩まされたりすることを避けたいなら、様々な対策に除草シートを加えることを検討してみましょう。
施工については、エクステリアの専門施工店で相談に乗ってくれるので、まずは、問い合わせをしてみてください。
防草シートを活用した事例は、YKK APのMADOショップ「施工事例ページ」内でもご覧いただけます。
エクステリアで庭の雑草対策をした施工事例
事例1:雑草が多く、隣家が迫る庭が大変身
リフォーム前は、隣家との境界に塀やフェンスがなく、雑草が生え、庭というより通路のような印象でした。また隣家の窓が接しているため、庭や家の中が丸見えの状態に。落ち着いてくつろぐことが難しい状況にありました。
雑草が多く隣家が迫る庭が大変身、手入れがラクで美しい癒しの庭にリフォーム
事例2:床面に石材やレンガ、平板などを敷いてテラス空間を作る
家の新築は子育て中に行うことが多いのではないでしょういか。家族が増えて安心して暮らせる環境を整えたいからとかも考えられます。このタイミングなら庭づくりに費用をかけるより、子育てや教育に比重を置くようになっていきますが、やがて、庭では花や野菜を育てたり、土いじりをしたりDIYしながら家族は成長していきます。そして子供たちが巣立った後、ようやく夫婦が自分達だけの時間を持つようになった時に、これからの2人の暮らしを考えて家の中も外も、リフォームされる方が多いようです。
今回は子供が巣立って夫婦二人暮らしになったときのガーデンリフォームの考え方とリフォームデザイン例をご紹介します。
雑草が生えるエリアを少なく、また、人が集うための場所を作るためにテラスを設けた
その他の雑草対策の事例は、YKK APのMADOショップ「施工事例ページ」内でもご覧いただけます。