宇宙旅行や無人探査機「はやぶさ2」が小惑星から岩石標本を採取したりブラックホールの撮影に成功したりなど、最近、宇宙や星の話題が多いようです。特に小さなお子さんがいるご家族などでは、宇宙をもっと身近に感じたいと思うこともあるのではないでしょうか?
ぜひ、ウッドデッキに並べた背もたれ付のイスに腰を下ろして、1分間、
眼を閉じてください。そしてゆっくりと目を開いて夜空を仰ぐと、「こんな星空があったんだ」と気づきます。
家族だけの、夜空のナイトショーの始まりです。
等級が小さい星ほど、明るい
最近では、夜と言っても外灯や自動車のヘッドライト、玄関灯などの光があり、真っ暗にはならない地域も多いですね。
でも、真っ暗でなくても明るい星なら見つけやすいのではないでしょうか。
星の明るさは等級によって表されますが、数字が小さいほど明るいことを表します。なお、等級が1.0変わると明るさは2.5倍増減して、1等級と6等級では、なんと100倍も明るさが違うのだそうです。夏に見える代表的な明るい星の明るさは次のとおりです。
明
↓ アークトゥルス(-0.05級)
↓ ベガ(0.0級)
↓ アルタイル(0.76級)
↓ アンタレス(0.91級)
↓ デネブ(1.25級)
暗
ちなみに、0等級より明るい場合はマイナスの数字で表し、その数字が大きくなるほど明るくなります。太陽の等級は-26.7等級、金星(一番明るい時)は-4.7等級だそうです。さてここで、クイズをお出しします。「火星や金星とアンタレスやデネブといった星は、何が違う?」。きっと、むかし学校で学んだはずなんですが……もしかすると小中学生のお子さまは答えられるかもしれませんね。答えは火星や金星もアンタレスやデネブと同じ“星”であることは間違いありません。もちろん、地球も星です。ただ、自ら光を放出しているものを恒星と呼び、地球や火星、金星などは自らは光を放たず恒星は放つ光を受けながら、その周りを公転しているのを惑星と呼びます。金星が明るく光って見えるのは、太陽の光を反射して輝いているからなのです。
ビデオカメラやデジカメで“月”をじっくり観察する方法
肉眼で見る夜空の星はきれいですが、天空に正座の形をイメージするのは少々難度が高いものです。そこで、手始めに、もっと身近な星である“月”を観察してみませんか。
デッキに三脚を立てカメラの液晶画面で月を見る
ビデオカメラやデジタルカメラを使って月を写すと、液晶画面に見やすく表示されます。ここでは、その方法を紹介しますので、ぜひお試しください。機種によって、呼び名等に違いがありますので、ご自分でもお持ちの機材の撮影モードを調べてチャレンジしてください。
〈準備〉
- おススメのカメラは
光学式のズームが付いているカメラが向いています。光学式とはレンズで拡大表示するもので、倍率を上げるとレンズ部が伸びるようなカメラが光学式です。
- おススメの三脚は
コンパクトな三脚でもOKです。カメラを固定できることが大切です。
- おススメの撮影モードは
「夜景モード」「オート」など、機種によって撮影モードはいろいろあるかと思います。まず、オートで始めましょう。
〈撮影〉
- 月をとらえる
三脚にセットしたカメラで、液晶画面のセンターに月が映るようにカメラの向きを調整します。次にズームで倍率を上げて、月が大きく見えるようにします。ズーム倍率が大きければ大きいほど、月が大きく表示されます。
- 月をとらえたまま、撮影モードを変える
液晶画面を見て、暗すぎたり明るすぎる場合は「夜景モード」や「ナイトモード」に切り替えて、いちばんよく見えるモードに設定します。なお、マニュアルの設定ができる場合は、シャッタースピードを1/20ぐらいにして、絞り(露出)を最適な明るさになるようにプラスまたはマイナスへ変更してみましょう
- 月を追いかける
ズームで倍率が高いほど、時間の経過に合わせて月の位置が中心から動いていきます。これは地球が回転しているからで、時々、三脚のカメラの向きを調整しましょう。
デッキで月を観察する環境は秋に向かって良くなる
月はおよそ1カ月かけて地球の周りを1周します。満ち欠けも1カ月の周期で繰り返され、毎日位置を変えていきます。8月の月は低い位置にあります。見える時間は22時ぐらいまでですが、立地によっては木々や建物に遮られてしまうので、数日前から確認しておくことが大切です。実は、月の高度が低いと空気がゆらめいてきれいに映りません。これから秋へと向かえば、月の高度が高くなりますので、よりきれいな月を見ることができます。カメラを使って液晶画面で見る方法をマスターして、仲秋の名月の頃(9月13日)など秋に向かって楽しみましょう。
キャンプ気分を楽しむ、お庭デッキにテントを張って天体観測を
アウトドア好きのご家族でテントをお持ちでしたら、デッキの上にテントを組み立てて天体の観測はいかがでしょうか。ペグを打つような本格的なテントではなく、日よけなどに使われるポップアップテントで充分です。デッキの上にクッション性のあるテントマットを敷くのもいいですが、なければ、敷布団やマットレスを持ってきてテントの中に敷いて横になれば、そこは快適性の高いキャンプサイトに早変わり。きっとお子様も大喜びするでしょう。体はテントの中に入れ、顔だけ外に出して天体観測なんて、ちょっと型破りですがイベント性がアップします。デッキの上での楽しいイベントのひとつとして、これから仲秋の名月にかけて、思い出をつくってみましょう。