カーポートの中には、バルコニーと一体化したタイプのものがあります。カーポートとしてもバルコニーとしても使えるなど、さまざまなメリットがある一方で、意外なデメリットも。上手な選び方をご紹介します。
目次
バルコニータイプのカーポートとは
バルコニータイプのカーポートとは、屋根の上がバルコニーになっているカーポートです。このタイプのカーポートなら、上部の空間を洗濯物の干し場所としても活用できるし、テーブルや椅子を置いてリラックスしたり、プランターや鉢を置きガーデニングを楽しんだりすることもできるでしょう。
ただし左右の壁がない分、ガレージのような風雨や砂ぼこりを完全にシャットアウトすることはできないので、注意しましょう。
バルコニータイプのカーポートのメリット
バルコニータイプのカーポートは、通常のカーポートにはない、次のようなメリットがあります。
カーポートの上部を有効活用できる
バルコニータイプのカーポートは、屋根の上を有効活用できます。「屋外でくつろげるスペースが欲しい」「バーベキューなど、気がねなくパーティーができる場所が欲しい」という希望がある方におすすめです。
通常のカーポートより雨風や紫外線を防げる
バルコニータイプのカーポートは、家屋が奥の壁になっているため、後ろからの風や紫外線から車を守ります。風が抜けていかないため、サイドパネルを設ける以上の効果が期待できるでしょう。
プライバシーを確保できる
バルコニータイプのカーポートを設置すると、道路から建物1階部分が見えにくくなるため、1階室内のプライバシーを守る効果があります。また、屋根の上のバルコニー部分も道路から見えにくくなり、視線も気にしなく、くつろげます。
狭い敷地や傾斜地などでもOK
敷地が狭く、庭を十分に確保できない場合でも、バルコニータイプのカーポートを設置すれば、バルコニー部分で植物を育てたりして庭づくりを楽しめます。また、傾斜地で駐車場部分が道路よりも低くなっているような場合も、バルコニータイプのカーポートなら、駐車場上部を有効活用できます。
バルコニータイプのカーポートが持つ3つのデメリット
バルコニータイプのカーポートには、次のようなデメリットもあります。
設置費用が高額
バルコニータイプのカーポートは、通常のカーポートに比べて、費用が高くなりがちです。
ちなみに、具体的な費用額は以下のような要素で決まります。
- 駐車可能な台数やバルコニーの広さ
- カーポートやバルコニーに使う素材
- 補強工事の有無
- 家屋にバルコニーへの出入り口を設置する工事が必要か
カーポート部分やバルコニー部分を広くしたり工事項目を増やしたりすると、さらに費用がかさみます。
建ぺい率の制約により、建てられない場合がある
カーポートの上部バルコニーは、建物の一部として扱われるため、バルコニーを設置すると建ぺい率が規定を超えてしまう可能性があります。建ぺい率は用途や地域(建築できる建物の種類や用途の制限を定めた基準)ごとに異なるので、都道府県の窓口に問い合わせたり、インターネットで見られる都市計画図でチェックしておきましょう。
カーポートの中が暗くなりがち
バルコニータイプのカーポートは、通常のカーポートのように屋根板に透明素材を使えず、奥が家屋に接しているため、どうしても1階部分が暗くなってしまいます。照明などがあったほうが良いか、施工店にも相談してみてください。
バルコニータイプのカーポートを選ぶ4つのポイント
バルコニータイプのカーポートを選ぶポイントを解説します。
バルコニー部分の使いみちをはっきりさせる
バルコニー部分はさまざまな活用方法があり、イメージどおりのバルコニーが完成すれば、日々の暮らしも快適になるでしょう。しかし、ただ「空間がもったいないから」という理由でバルコニータイプのカーポートを作ってしまうと、無駄なスペースになってしまうだけかもしれません。掃除などの手間も増えます。高額な工事費がかかるため、せっかくのバルコニーをどのように活用するか、あらかじめイメージしておきましょう。
排水機能が万全な製品を選ぶ
使用方法によっては、バルコニー部分で水を流したりすることもあるでしょう。排水機能がしっかりしていないと、階下のカーポートに水が流れて車を汚してしまうことにもなります。排水機能が万全な製品を選びましょう。
十分な高さの柵を設け、落下による事故を防ぐ
特に子どものいる家庭では、バルコニー部分からの落下事故などにも注意が必要です。また、バルコニーに置いた物が落下したり強風に飛ばされて通行人にケガをさせるリスクもあるので、十分な高さの柵を設けましょう。
納得いくまで施工店とよく相談する
バルコニータイプのカーポートは工事費が高額になるケースが多いため、しっかり詳細内容を確認し、納得いくまで施工店と相談しましょう。複数の施工店に見積りを依頼するのもおすすめですが、「安いから」という理由だけで選ぶのは禁物です。対応や説明の丁寧さ、普段の仕事ぶりなども施工店選びの重要なポイントです。
じっくり検討して快適なカーポートとバルコニーを手に入れよう
バルコニータイプのカーポートはお金がかかる上、一度建てたら簡単に建て直すわけにもいきません。まずは理想とするライフスタイルや欲しい機能をよく考え、あせらずじっくり検討してください。理想のカーポートを完成させるには施工店との信頼関係を築くことも必要です。納得するまで相談し、より良い環境を手に入れましょう。