バルコニーの快適度をアップさせて、太陽の陽射しが降り注ぐ“もうひとつの部屋”にしませんか?バルコニーに取り付けておくと便利なものや、居心地をよくするポイントをご紹介、ちょっとした工夫で快適なアウトドアリビングが作れます。
目次
バルコニーをもうひとつの部屋にする
バルコニーや庭などの室外空間を、暮らしの中に取り込む家づくりが世界中で注目されています。ヨーロッパのインテリアトレンドでも「内」と「外」の境界がよりあいまいになる傾向があり、生活空間を室内だけで完結させるのではなく室外にも広げることで、暮らしはより開放的に豊かになります。
中でもバルコニーは、近隣からの視線を受けにくく、またフェンスで囲まれているので安心感がありながら青空の下で開放感も味わえるという、家の中でも特別な場所です。
天気のいい休日に暖かい陽射しの下でちょっと遅めの朝食を頂いたり、夏の夜にはビールを片手に夕涼みをしたり。澄んだ空気の中で子どもたちとおうちキャンプや、趣味のヨガをするのも楽しいものです。
バルコニーの居心地を上げる工夫でもうひとつの部屋のように設えて、家族で過ごすおうち時間をもっと楽しくしましょう。
床材にこだわって空間をおしゃれに演出
居心地のいい部屋のような雰囲気に設えるために、まずは床材にこだわってみましょう。インテリアでも床のデザインは空間の印象を大きく左右します。
こちらは、パッケージになったタイルをセットするタイプの化粧床材を敷いたバルコニーの様子です。防水がされただけの床では少し味気ない雰囲気でしたが、タイルや木調の床材をセットしたことで、空間イメージは大きくアップ、おしゃれな雰囲気のバルコニーになりました。
YKK APのタイルタイプの化粧床材は高級感があり、色もナチュラルなテイストに似合うテラコッタカラーと、モダンな雰囲気のホワイトカラーがあるので、バルコニーでどんな時間を過ごしたいのかをよく考え、インテリアを作るように選んでいきましょう。
ただし部屋のようにするといっても、バルコニーは屋外なので風雨や紫外線が当たります。耐久性が高く、劣化や色あせがしにくい、お手入れが楽な製品を選ぶのが大切なポイントです。
バルコニー用のリウッドデッキを使えば、室内のフローリングの床から繋がる、続き間のような空間づくりができます。
リウッドデッキとは、木粉とプラスチック(ポリプロピレン)を主原料とした再生木で、木の温もりと耐久性に優れたYKK APの製品です。
木調の床材は内から外への連続性を作り出すため、室内をより広く開放的に感じさせてくれる効果も高まります。
ただし、集合住宅の場合はバルコニーに敷く床材や設置できるものに制限があります。マンション管理規約をよく確認した上で計画を立てましょう。
照明やマルチシンクの取り付けで使い勝手を大幅アップ
バルコニーの活用範囲を大きく広げてくれるのが、照明とマルチシンクです。
照明を取り付けておけば、夜でもバルコニーで楽しい時間が過ごせるようになります。LEDなら紫外線をほとんど出さないため虫が集まりにくく、人感センサー付きなら夜間の泥棒対策にもなります。
マルチシンクは屋外やユーティリティに設置する、少し底の深い流しです。バルコニーにプランターや鉢植えを置くと目隠し効果+グリーン効果でより落ち着いた空間づくりができますが、水場が遠いと水やりに手間が掛かるもの。
バルコニーにマルチシンクがあれば、植物への水やりがラクになります。また、テーブルセットなどを置いてお茶を飲んだり、ランチをしたりといった時にも気軽に水が使えるので、空間の使い勝手がぐんとアップします。
オーニングを取り付けて夏を涼しく快適に
バルコニーは太陽の日差しが降り注ぐ気持ちのいいスペースですが、季節によっては直射日光や紫外線が強すぎると感じたり、急な雨に慌てたりすることもあるでしょう。
夏の強い直射日光はバルコニーの床面の温度を上昇させるので、気温以上に暑く感じることもあります。さらに日焼けが気になることも。紫外線は5月頃から大幅に増加するため、初夏のさわやかな気候だからといって油断はできません。
そんなバルコニー空間の快適性を大きくアップしてくれるのが、オーニングです。オーニングとは布製の日よけのことで、バルコニーの上に取り付けておけば、夏の強い日差しや紫外線を避けることができ、急な雨でも安心して過ごせます。
またオーニングは室外で直射日光を遮るので、カーテンなどに比べて遮熱効果が優れ、室内を涼しくする効果もあります。
オーニングは生地のデザインが豊富なので、華やかな色柄を選んでアクセントにしたり、外観デザインとコーディネートして馴染ませたり、インテリアでカーテンを選ぶように楽しみながら選びましょう。
座り心地のいいアウトドア家具でゆったり過ごす
バルコニーで快適な時間を過ごすためには、家具選びにもこだわりましょう。アウトドア家具というと、以前は“丈夫だけれど座り心地はあまりよくないもの”も多かったのですが、ニューノーマルをキッカケに快適性が大きく進化しています。
有名な海外インテリアブランドでも、この1~2年でアウトドア家具の新作を次々に発表。デザイン、心地よさなど、室内用と見分けがつかないほどになっています。
快適なアウトドア家具を選ぶポイントは、弾力性があり長時間座っていても身体に負担が掛からないこと、紫外線に強く、雨晒しにしても劣化が少ないこと、また大型台風の時などに室内に入れておけるものであるかです。大型ソファは、動かないようにしっかりと緊結できるようにしておきましょう。
またバルコニーでくつろぎの時間を過ごす際には、足元にラグを敷くのもお勧めです。サンダルや靴を脱いで素足を乗せてくつろげば、まるで海外のリゾートにいるような気分で居心地よく過ごせます。
バルコニーをリフォームで後付けするアイデアも
バルコニーを新たにリフォームで後付けして、そこをアウトドアリビングにする場合は、柱建てタイプを選びましょう。設置工事は思うより手軽にできます。
その際には、フェンスのデザインにこだわって選ぶと、バルコニーの内部空間が更に快適になります。
例えば視線を遮りたい場合は、すき間が小さいたて格子や半透明のパネルタイプなどの目隠し効果が高いものを、ナチュラルな雰囲気を演出したい場合は木調フェンスなどを選ぶといいでしょう。お気に入りのバルコニーを選んで、生活空間を室外へ大きく広げましょう。
後付けがしやすいおしゃれなバルコニーとその施工例は下記でご紹介して言いますので、参考にしてみてくださいね。
おうち時間が大切な時代だからこそ、より豊かで充実した暮らしをしたいもの。バルコニーをもうひとつの部屋にして、家族での時間をより楽しく過ごしましょう。
バルコニーを、もうひとつの部屋にする商品はこちら。
著者プロフィール
Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー
長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中