バルコニーのリフォームで、家の外観デザインをリフレッシュしたり、生活空間を広げたり。柱建て式や屋根置き式のバルコニーなら、思うより手軽にリフォームが可能です。今回は、後付けがしやすいおしゃれなバルコニーとその施工例を、ビフォー・アフターでもご紹介します。
目次
存在感が大きく、家の外観デザインを決めるバルコニー
ベランダやバルコニーは、屋外にありながら家の中のような安心感がある、特別なスペースです。また家の正面に設置されていることが多いため、存在感が大きく、外観デザインを決めるポイントにもなります。
初めに、ベランダとバルコニーの違いについてご紹介しましょう。ベランダと呼ぶと生活感を感じる、バルコニーはちょっとおしゃれな印象があるといった声もありますが、実はそれぞれ形状が異なるものです。
一般的にベランダは軒下などに作られた家から外に張り出した部分を言い、屋根があります。マンションの場合は、上階のベランダ部分の床が下階の屋根になることが多いので、まさに「ベランダ」と呼ばれます。
バルコニーもベランダと同じように家に付随した屋外空間ですが、屋根が無いものを言い、また屋根の上に作られたスペースはルーフバルコニーと呼んでいます。
今回ご紹介するのは、後付けリフォームがしやすいバルコニーのリフォームです。古くなったバルコニーを新しくしたり、新たに設置したりするリフォームをすれば、生活空間を広げ、家の外観デザインを一新させることができます。
柱建て式のバルコニーなら、後付けリフォームがしやすい
バルコニーは、形状によってリフォームのしやすさが異なります。こちらは、リフォームがしやすい柱建て式のバルコニーです。手前の柱でしっかり荷重を支える仕組みなので、後付けがしやすくなっています。
持ち出し式と呼ばれる柱の無いタイプのバルコニーは、家の躯体にしっかりと取り付ける必要があるため、工事が大掛かりになります。リフォームで設置する場合は、柱建て式バルコニーを選ぶといいでしょう。
屋根の上に設置する、屋根置き式バルコニーも
1階に屋根がある場合は、屋根の上に設置ができる屋根置き式バルコニーを設置する方法もあります。下階の屋根の上に、屋根置き用の部材を使って設置を行ないます。
ただし、屋根の形状や2階の床の高さとの兼ね合いにより取り付けが難しい場合もあります。取り付けが可能かどうかは、専門家に相談してみましょう。
バルコニーのリフォームで、家の外観イメージのおしゃれ度をアップ
バルコニーは存在感があるので、選ぶデザインによって家の外観イメージが大きく変わります。外観に馴染ませるのか、アクセントにして際立たせるか、どちらにしても外観全体が美しく、バランスよく見えるように計画を立てることが大切です。
モダンでシンプルな家には、アクリルパネルやパンチングメタル、クールな印象の細いたてストライプやたて格子などがよく似合います。色は、プラチナステンやシルバー、白、黒など、無彩色を選んですっきりと。
ナチュラルな家や洋風な家は、横格子や井桁格子が似合います。重厚感を出したい場合は、落ち着いた木調デザインを選ぶといいでしょう。
こうして見るとバルコニーの存在感の大きさがよく分かります。バルコニーのデザインを選ぶ際には、フェンスや門扉、玄関ドアなどもトータルでコーディネートして、わが家の外観デザインをセンスアップさせましょう。
バルコニーを新たに設置して、生活空間を大きく広げる
リフォームでバルコニーを新たに取り付ければ、外観デザインの印象を変えることができるだけでなく、生活空間が屋外へと大きく広がります。
バルコニーに出て季節の風を感じたり、太陽の光を浴びて気持ちのいい時間を過ごしたり。ベランダを上手に活用して楽しい時間を過ごしましょう。
バルコニーの下にはウッドデッキを敷いたり、駐車スペースにしたり、雨の日も使える趣味のスペースとしても使えるなど、1階部分の活用もしやすくなります。
バルコニーのリフォーム施工例<ビフォー・アフター>
バルコニーや外壁のリフォームで、まるで新築のように生まれ変わったリフォームの施工例をご紹介しましょう。
<リフォーム前>
<リフォーム後>
築45年の木造住宅をリフォームで、最新の性能を持つ住まいへと生まれ変わった施工例です。内部の間取りや外装を一新し、バルコニーやウッドデッキなどエクステリアもリフォーム。外観の印象が大きく変わりました。
バルコニーはナチュラルな木調の柱建て式をセレクト、フェンスとコーディネートしています。バルコニーの下にはリウッドデッキを設置。明るく優しい木調部分が、モダンでハードな印象のチャコールグレーの外壁の家に温もりを添えています。
バルコニーは家の外観の中心的な存在にもなるものです。この施工例でも、バルコニーとフェンスをアクセントにして、際立つ個性を感じるデザインの家になりました。
バルコニーのリフォームは、外観デザインを一新して更に美しい我が家にしたり、生活空間を広げて暮らしを豊かにしたり。柱建て式や屋根置き式なら後付けリフォームもしやすくなっています。上手に選んで、更にステキで快適な我が家を目指してくださいね。
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著者プロフィール
Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー
長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中