屋外で過ごすのが気持ち良い季節になってきました。自然と庭に出る機会も増えてきますね。庭で食事をしたりお茶を飲んだり、談笑したり、本を読んだり、ボーッとしたり、デッキで昼寝したり・・・何をしても心地よく過ごせる気候です。なのに、昼寝はさすがに躊躇してしまうとか、いつもデッキでダラダラ過ごしているのもどうなのだろうと思ってしまうとか。そんなことはありませんか?どんなタイミングで、どう過ごしていようが個人の自由なはずなのに。
その感覚は「誰かに見られているかも」と思っているからではないでしょうか。人の視線を気にして、心から自由に過ごせていないのでは?
今回は我が家の庭で、そんな窮屈な思いをしなくていい方法を考えてみます。それも専門家に何かを依頼するのではなく、自分で調達して手軽に問題解決ができる方法をご提案しますね。
1.役割は日除けだけじゃないシェード
夏の日差しを遮るために設けることが多い「シェード」ですが、合わせて視線を遮ることも可能です。
例えば、お隣の二階の窓からの視線が気になるなら、こんな遮り方で気にならなくなります。
高い所からの視線は、目隠しフェンスで遮るのは困難な場合が多いです。頑張って設置したとしても、とても背の高いものになって圧迫感が出てしまうこともあります。必要な時だけ取り付けることができるシェードなら手軽です。布なので、不要な時の収納に場所を取らないのも良いですね。
必要なところだけ、サッと布を引っ掛けてひとときを過ごして終わるとすぐに片付けるようにすると、室内からの眺めを遮って庭を狭く感じるなんてこともありません。
道路からの視線が気になるとき。
こんな、ちょっとした隙間があったら気になってしまって昼寝はできない気がします。こんな時もシェードが役立ちます。
こちらも、お昼寝タイムが終わったら片付けてしまいます。引っ掛けるフックは常設しておくと便利。どんな時に、どこにシェードを掛けたいかを考えて位置を決めてしまいましょう。屋外なので錆びない素材のフックを選びます。経年変化で使えなくなる心配もありません。
2.シェードの選び方
シェードは、どんな布でもOKです。お気に入りの布があれば必要に合わせて、紐を付けたりハトメ穴を開けたり、ひっかけたり結んだりできる状態にします。
日除け用に引っ掛けたり結んだりすることを前提に作られているものもあります。素材も様々で、風や雨を通す柔らかく軽い素材のものから、しっかり目隠しができる日差しも遮ってくれるものまで。色柄にもバリエーションがあるので、庭の雰囲気に合うものを選びます。布が変わるだけで気分も変わり、庭全体の雰囲気も変わるので楽しめるのではないでしょうか。
3.グリーンは移動できると便利
もうひとつ、簡易的な目隠しになるのが鉢植えのグリーンです。
目隠しの必要な場所に移動させるだけ。ある程度背丈のある樹木を植えるには鉢も大きなものになります。土を入れて樹木を植えると簡単に動かすことができる重さではなくなります。重くて持ち上げることは不可能に近い。移動を少しでも容易にするために鉢は四角ではなく丸型を選んでください。丸型なら持ち上げなくても、傾けて転がすことができます。これなら重い鉢でも一人で動かすことができるのです。鉢の素材は、本来ならテラコッタが理想です。テラコッタは呼吸している素材なので熱もこもりにくく水分も多少の調節をしてくれます。ですが移動を考えると、やはり軽い方が良い。ということで樹脂製のものが良いかと思います。今は本物のテラコッタに見えるくらい素敵なものもあります。見た目的に安っぽくなる心配はありません。
4.おすすめのグリーン
鉢植えに植える樹木は何が良いでしょう。常緑で目隠しになるほどのボリュームがあるものを選ぶ必要があります。地植えすると大きく成長しすぎる不安がある樹木を鉢植えにすると、成長が緩やかになります。地植えが不安で植えることができなかったものを選択しても良いと思います。今回は、おすすめの3種類をご紹介します。鉢植えは水やりをきちんとしないと枯らしてしまう心配もあるので、乾燥に強いものを選びました。
オリーブ
葉の裏が少しシルバーっぽくて明るい印象です。地植えするとぐんぐん成長するので鉢植えで育てる方が扱いやすいかもしれません。1本だと実は結実しません。花も地味です。地中海を思わせる明るい雰囲気を楽しむ樹木です。
ゲッケイジュ
春先に黄色の小さな花を咲かせます。ゲッケイジュはローリエという名前で香辛料として葉を利用する植物。お庭にあると便利です。地植えをすると足元から ひこばえ がたくさん生えてきて、株が外側に広がりやすい。成長すると場所をとる存在になることもあるので、鉢植えで育てた方が安心です。
フェイジョア
春に花が咲き、実がなります。フェイジョアも2本ないと結実しません。花はエディブルフラワーで食べることができます。少し厚みがある花びらはマシュマロのようと言う人も。果実はとても甘くて、南国フルーツの味。美味しいです。
今回は手軽で、一時的な目隠しになるものをご紹介しました。庭で過ごす時間が心地よい季節。気になる視線をコントロールして、のびのびとリラックスして庭時間を楽しんでください!
著者プロフィール
冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)
個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。