夏の体調を守る、自宅の庭でのハーブの育て方

オレガノ

今年も暑い夏になりそうです。冷房の中で過ごす日が続いたり、日中の炎天下で作業したり打ち合わせしたりと毎日汗だくになっている人も少なくないはず。どちらにしても身体に大きな負荷がかかる環境で過ごすことは、身体機能の調節や制御が利きづらくなり自律神経の乱れに繋がります。体調を崩しがちになってしまうのです。病院に行くほどでもないけど、なんとも言えないダルさを感じることありますよね。今回は、そんな厳しい夏を少しでも気持ち良く元気に過ごす助けになるハーブをピックアップ。

一般的にハーブとは「生活に役立つ香りのある植物」のことをいいます。美味しい、香りが良いというだけでなく、それぞれのハーブには様々な成分が含まれています。水溶性の成分を体に取り入れることができるハーブティーや脂溶性の成分を抽出したアロマオイルは広く活用されていますね。植物に含まれる成分には様々な効用があります。薬の代わりにはなりませんが、体調を崩す前の予防として取り入れてみてはどうでしょう?自宅でハーブを育てて収穫して活用する。そんなハーバルライフ(ハーブを日常生活に生かして楽しむ暮らし)を手軽に始められるハーブをご紹介します。

Pickup herbs

日本のハーブ 2種

  • 紫蘇
  • 薄荷

西洋のハーブ 3種

  • バジル
  • タイム
  • オレガノ

日本のハーブ

ハーブといえば西洋のものと思いがちですが、日本にも古くから自生しているハーブがあります。ハーブと意識せずとも日常的に食している人も多いのではないでしょうか。

紫蘇シソ

夏の体調を守る、自宅の庭でのハーブの育て方

シソ科の一年草。翌年も、こぼれ種で勝手に芽が出てくることも多い。春先に苗を植えると秋までどんどん葉を収穫できます。

葉だけでなく花が咲く頃の穂先もお刺身が盛られた器に添えられたりします。これは紫蘇に生臭さを消し防腐作用があるから。食材が傷みやすい夏には、ありがたい効用です。漢方では葉を「蘇葉ソヨウ」、種子を「蘇子ソシ」といい健胃薬として使われます。体のだるさや頭痛、食欲の減退などの症状が出る「暑気あたり」に適応すると言われています。暑さで食欲がないときは、口当たりの良い「そうめん」に紫蘇の薬味を添えてみると良さそうです。

薄荷ハッカ

夏の体調を守る、自宅の庭でのハーブの育て方

シソ科の多年草。冬になると地上部は枯れてしまいますが、根は生きていて春になると新芽が出てきます。少し湿った環境が得意なので、日当たりが強く乾燥している場所では葉がきれいに保てないようです。植えてから数年経ち株が充実してくれば強靭になるのですが、それまでは乾燥させすぎないように注意してあげてください。薄荷の産地として北海道の北見が有名なので気温の低い地域が得意な植物かと思いきや日本全域で栽培可能です。使いきれないほど、たくさん収穫できたときは乾燥させて保存できます。

薄荷にはメントールがたくさん含まれています。清涼感のある香りで、肌に触れると気化熱を奪って蒸発するのでヒヤッと冷たさを感じます。ハーバールバスで利用すると湯上りスッキリと涼やかに過ごせます。使い方は簡単。鍋に水と薄荷の葉を入れて煮込み、ハーブの成分を抽出します。抽出液も葉も全部を湯船に入れればOK。肌表面は冷たさを感じますが、成分が体内に取り込まれると抹消血管を広げて体を温める働きもあるので、冷房が効きすぎた部屋で毎日オフィスワークという方にも適しています。もちろんハーブティーとして飲んで取り入れても良いですね。

西洋のハーブ

ヨーロッパで自生しているハーブ。例えば日本では苗を買って育てることが一般的なラベンダーやローズマリーも、地中海沿岸では雑草のように生えています。強靭な生命力を持っている植物の、そのエネルギーを活用させてもらう。ハーバルライフはそんなイメージです。

夏の体調を守る、自宅の庭でのハーブの育て方

シソ科の一年草。春先に苗を植えて秋まで収穫できます。トマトとはコンパニオンプランツ。合わせて育てると虫の過剰発生や病気の広がりを抑えてくれます。両方が元気に生育するのでトマトとバジルは是非一緒に育ててみてください。

触れただけで匂い立つ香気は食欲を促します。コンパニオンプランツのバジルとトマトは料理の相性も抜群、収穫してすぐのフレッシュさはシンプルなパスタで十分楽しめます。バジルは消化器系の機能を高めるだけでなく、その香りは頭をスッキリさせたり頭痛を軽減することを助けます。暑さでボーッとしてしまう時は、バジルを試してみましょう。

タイム

夏の体調を守る、自宅の庭でのハーブの育て方

シソ科の常緑小低木。地面を這うように広がる地被タイプもあり、日本の庭では食用としてだけではなくグランドカバーとして利用されます。強靭な性質で地面に根付くと手間いらずで育ちます。靴で触れるだけでフワッと香りが立ち上がるのでアプローチデザインで取り入れることも多いです。

ハーブの中でも最も抗菌力の強いハーブで、古くから呼吸器系や消化器系の疾患に用いられてきました。夏風邪かな?と感じる疲れや咳にはハーブティーを試してみてください。タイムは煮込み料理の肉や魚の臭みを消したり風味付けに使われるブーケガルニには欠かせないハーブです。ゲッケイジュやローズマリー・パセリ・・・など他のハーブと組み合わせて幅広い料理に使います。

夏の体調を守る、自宅の庭でのハーブの育て方

オレガノ

夏の体調を守る、自宅の庭でのハーブの育て方

シソ科の多年草。冬には地上の葉が少なくなりますが春になると新しい芽が出てきます。花が咲く前の方が葉の香りは強い。花が終わったら刈り込んでわき芽が出るように促すと植物全体のボリュームが出てきます。

葉は生よりも乾燥させると香りが立つと言われています。香辛料としてトマトやチーズと相性が良くイタリア料理やギリシャ料理でよく使われるハーブのひとつです。消化液の分泌を促進し消化を助ける作用があるので消化器系が弱っているときに使ってみたいですね。ハーバルバスでは精神をリラックスさせる効果があると言われています。不眠が続くときはシャワーで済まさず、オレガノの香りに包まれてゆっくりお湯に浸かってみるのが良いかもしれません。

香辛料として売られているハーブを購入するのではなく、自分で育てて活用する。育てる時間や成長を見守る時間、香りに包まれる収穫、その全てが私たちを癒してくれます。体調を崩しやすい夏。植物のパワーを存分に感じる、ハーブを日常生活に生かして楽しむ暮らしを始めてみませんか。

 

著者プロフィール

夏の体調を守る、自宅の庭でのハーブの育て方

冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)

個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。