葉色の変化を楽しむ植物

住まいの周りで植物を育てる。そこには機能的なメリットがたくさんあります。陽射しの厳しい夏に木陰を作って暑さを和らげてくれたり、お隣や道ゆく人から丸見えになる室内を目隠ししてくれたり、果実を収穫して食したり、香草でお茶をいれたり。

そんな役立つ植物たちですが、その姿を見る者の心を動かす存在でもあります。新緑や季節ごとの花や真っ赤に色づく紅葉。ただただ美しくて見とれます。美しなーと感じる心の動き。感動という言葉は少し大げさかもしれませんが、小さな感動は日常に溢れていて、それに気づくことで楽しい気持ちや嬉しい気持ちになる。ちょっと幸せになって、ちょっと優しくなれる。毎日の生活に住まいのそばで心を動かす植物を育てて見ませんか?今回は最近の住宅に似合う、葉色の変化が美しい植物をご紹介します。

晩秋の紅葉

秋の終わりの紅葉は美しすぎて、真っ赤に染まる山を見に出かけたことがある人も多いのではないでしょうか。紅葉といえばモミジ。条件反射のように私たちはそう連想します。庭木としても、もちろん魅力的な樹木です。今回はモミジ以外でも秋の様子が美しい樹木はたくさんあるということを伝えたいと思い、毎日通るアプローチや毎日視界に入る住まいの窓の外で育てて欲しい、秋を感じさせてくれる種類を選びました。

マルバノキ

ハート形のカワイイ葉と繊細な幹と枝からなる美しい樹形が魅力の落葉樹。半日陰のような少し日当たりの良くないところでも育ちます。日本で自生している樹木なので育てやすく丈夫。日本自生種ですが和の雰囲気も強くなく最近の住宅にも似合います。大きな木の足元に添木として植えられることが多かったのですが、マルバノキをシンボル的に考えての配植も素敵。葉色の変化が多様で、暗い紫色から、黄色、赤色に色づきます。まだらにいろんな色が混ざる様子が面白いのです。

ドドナエア

夏は濃く深い緑の葉色。秋から冬の間は写真のように赤紫色に変化します。これだけ葉色が変わるのに常緑樹というのは珍しい。寂しい冬の庭で重宝する樹木です。虫もつきにくく育てやすい。カッコイイ系の住宅にも似合うモダンな雰囲気も持っているので建物の外壁が黒や白だとコントラストがついて映えると思います。建物と道路に挟まれた花壇やエントランスで育てても良いです。一年の中で冬が一番美しい姿だという樹木は少ないのでオススメです。

トサミズキ

黄色く色づく葉色。春先の黄色の花も美しいですが紅葉も魅力なのです。全体の樹形は広がりやすく「暴れる」と表現されます。その自由で伸びやかな様子は低木ながらも存在を感じさせる落葉樹です。植え込みスペースが小さく高木を植えられない場所や単調な塀の前に視線を集めるフォーカスポイントとして配植しても素敵な空間になります。

春の新緑

春の始まりには、たくさんの種類の花が開花して春爛漫を感じさせてくれます。そこから一足遅れくらいで本格的な春の訪れを知らせてくれるのは新緑。暖かくなり始めた陽射しと新芽の瑞々しさはキラキラと眩しくて、ついつい上ばかり見上げてワクワクした気分を連れてきてくれます。明るいグリーンの新緑は文句なく気持ち良い。今回は新芽から成長していく過程で葉色が変化していく個性を持った植物を選びました。

スモークツリー・グレース

新芽は紅葉を思わせる赤紫の葉色。紅葉との大きな違いは葉のみずみずしさ。ツヤがあってパリッとしています。スモークツリーは夏の初めにふわっと煙のような花を咲かせます。かっこよくオシャレに飾れるのでインダストリアルな雰囲気にもハマります。

スモークツリー・グレース、実は紅葉もします。見どころ使いどころの多い樹木です。

アメリカハナズオウ・フォレストパンシー

深い赤紫の新葉。シックで大人っぽい印象です。アメリカハナズオウ・フォレストパンシーは新芽が芽吹く前にピンクの花を咲かせる落葉樹です。フランスの公園や道路沿いでもよく見かけていたのでPariを意識した庭のシンボルツリーに植えました。黒色との相性が良いですね。おしゃれです。夏になると緑葉に変化しています。

 

心惹かれる植物はありましたか?植物を家の周りに植える理由は、たくさんあって、人それぞれ様々です。住まいに対しての機能的なメリットを求める人。地球環境に対しての思いがあって植える人。ただただ植物に癒されるからという人。そして「カッコいいから」「素敵だから」という理由で植物を植えるという選択もあります。今回ご紹介した個性的な植物たちは、住まい自体を個性的に見せてくれるはずです。お気に入りの1本をぜひ育てて見てください。

 

著者プロフィール

冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)

個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。