台風による住宅被害は、甚大になることも多く、誰もが避けたいものです。ブロック塀やレンガ造りなど外構を頑丈にするのが効果的な対策ですが、防風フェンスも優れた選択肢となります。そこで本記事では、防風フェンスの特徴やメリット、選ぶ際の注意点についてご説明します。台風シーズン前の対策として、ご自宅の家に最適なフェンス選びにお役立てください。
目次
防風フェンスの特徴

防風フェンスとは、風の力をコントロールして、敷地内への強風の侵入を抑えるように設計されているフェンスです。適切に設置すれば、台風などの強風や、風に飛ばされた飛来物などによる被害を防ぐことができます。
台風が通過する際には、非常に強い風が吹き荒れます。風はフェンスの上を通過しますので、防風フェンスを設置しても完全に風を遮断することはできません。しかし、防風フェンスを設置すれば、フェンスの外より、敷地内は穏やかな状態を維持でき、日常生活への影響も抑えることができるでしょう。
- 縁側やウッドデッキで過ごす、憩いのひととき
- 洗濯物を干す
- 家庭菜園や庭園のメンテナンス
- 日曜大工
- ドッグラン
- 庭で子どもを遊ばせる
防風フェンスとして使えるフェンスの主な種類

本記事ではわかりやすく「防風フェンス」と呼んでいますが、「防風フェンス」と銘打っていない製品も売られています。風を効果的に制御でき安全な構造のフェンスであれば、次のような種類のフェンスも防風対策として活用できます。
- ルーバーフェンス
- 目隠しフェンス
- 縦板や横板が太く、板と板のすき間が狭いフェンス
ルーバーフェンスは風を適度に通す構造になっているため、強風時にフェンス自体が損傷するリスクが低いという利点があります。一方、メッシュフェンスや鋳物フェンスは隙間が大きいため、飛散物は防げるものの、風を防ぐ効果はあまり期待できません。また、移動式のフェンスは地面にしっかりと固定されていないため、台風時には片付けておいたほうがいいでしょう。放置すると、強風でフェンスが飛ばされ、自宅や近隣の建物などに被害を与えてしまうかもしれません。
防風フェンスは台風対策に有効!3つのメリットを紹介

台風対策に防風フェンスを導入するメリットを3つご紹介します。
住宅の被害を抑えられる
防風フェンスを設置すると、敷地内に入り込む風の勢いが弱まり、飛来物なども敷地に侵入しにくくなりますので、外壁や窓、ドアなどが損傷したり傷ついたりするリスクを減らせます。塀のないオープン外構の住宅は台風時に被害を受けやすくなりますが、防風フェンスを設置すれば、被害を防いだり、最小限に抑えたりすることができるでしょう。
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庭の被害を抑えられる
台風は、建物だけでなく、庭にも様々な被害をもたらします。
- 植えていた木が倒れる
- 家庭菜園で育てていた野菜が倒れ、収穫ができなくなる
- 庭に置いていた物が倒れたり、散乱したりする
こうした被害が発生すると、台風が去った後の後片付けが大変です。時間と労力がかかるだけでは済まず、破損した物を処分したり買い直したりする金銭費用も発生します。もし倒木などが建物を損傷した場合は、その修理費用も必要になります。
防風フェンスを設置することで強風の影響を軽減すれば、台風が来ても、このような庭の被害を減らすことが可能になります。
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カーポートの被害を抑えられる
台風が来ると、瞬間的に非常に強い風が吹くことがあり、カーポートが深刻な被害を受けることもあります。屋根のパネルが破損するだけでなく、風の威力でカーポートの支柱が曲がってしまうことも。このような被害の片付けをするには、修理費用がかかり、また、被害によっては、しばらくカーポートを使えなくなってしまうこともありえます。屋根パネルが破損しただけで済んだとしても、修理するまでは、車や乗り降りの家族が雨をしのげなくなります。防風フェンスを設置すれば、そのような費用の発生や不便さのリスクを大幅に減らせます。
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防風フェンスを選ぶ4つの注意点

それでは、ご自宅に設置すべき防風フェンスを選ぶためには、どんな点に注意したらいいか、そのポイントをご説明します。
強風でも倒れない強さを備えること
台風対策として最も重要なポイントは、強風でも倒壊しない頑丈なフェンスを選ぶことです。YKK APの「シンプレオ」フェンスや「ルシアス」スクリーンフェンスシリーズは、風速42メートル毎秒という猛烈な強風にも耐えられる設計になっています。これらの防風フ
ェンスを設置することは、台風への万全の備えになるでしょう。
敷地内で吹く風の強さを抑えられること
防風フェンスの目的は、敷地内に吹き込む風の勢いを弱め、庭や住宅、カーポートなどへの被害を防ぐことです。板と板の間に隙間がない、完全遮蔽タイプのフェンスは風を最も効果的にブロックします。また、わずかな隙間があるタイプのフェンスやルーバー構造のフェンスも、敷地内に入る風の力を大幅に弱めることができるため、防風対策として優れた選択肢と言えます。
フェンスの高さは近隣に配慮して決める
フェンスを設置する場合、近隣への配慮も忘れないようにしましょう。高さのあるフェンスを設置するほど防風効果は高くなりますが、あまり高くしすぎると近隣に圧迫感を与えてしまうこともあります。もし隣家の日照を妨げてしまうようなことになると、トラブルの元になるかもしれません。過度に高いフェンスは、防犯面でもデメリットになることがあります。不審者が敷地内に侵入した場合、フェンスが高すぎると外から気づきにくくなるからです。フェンスは高いほど良いわけではありません。近隣への配慮も忘れないように、ご自宅の立地条件や周辺環境を総合的に考慮して設置しましょう。
日常生活の快適性を損なわないこと
防風フェンスは強風を遮ってくれる代わりに、空気の循環も妨げてしまいます。日光も遮るため、日当たりが悪くなることもあります。その結果、「フェンスの周辺がいつも湿気ている」といった不快な環境になってしまう可能性があります。家屋が木造で、建物のそばに防風フェンスを設置すると、湿気で木材が腐食するリスクも高まります。
こうした問題が起こらないようにするには、ルーバータイプのフェンスや、適度に隙間が空いているフェンスを選び、ある程度の風通しを確保するのがおすすめです。また、半透明のパネルを採用したフェンスは光を通すため、日当たりの問題も緩和されます。
一年を通して考えると、台風などの強風が吹く日は多くありません。風対策を優先するあまり、日常の快適性が失われてしまうのは本末転倒です。防風フェンスを選ぶ際には、防風性能と居住性のバランスを考えて選ぶのがいいでしょう。
防風フェンスは台風への備えだけでなく、日常の快適性も考えて選びましょう

YKK AP「シンプレオ」フェンス

YKK AP「ルシアス」スクリーンフェンス
防風フェンスは、台風への効果的な対策になります。強風をブロックできるため、住宅や庭の被害を軽減できるでしょう。しかし、完全に隙間のない防風フェンスを選んでしまうと、庭や家の周辺に湿気をこもらせ、生活の快適性を損なってしまうかもしれません。過度な湿気は住宅にダメージを与えてしまうこともあります。
このため、防風フェンスを選ぶ際には、強風に耐える耐久性ばかりに目を奪われず、適度な通気性など、日常生活における快適性にも考慮しましょう。YKK APでは、様々な住宅環境や要件に対応できる多様な種類の防風フェンスを取り揃えています。最適な製品選びのために、専門知識を持ったエクステリア専門施工店に相談することをお勧めします。
強風でも倒壊しない頑丈なフェンスについて詳しく知りたい。