カーポートは大切なマイカーを雪から守ってくれます。とはいえ、どれだけ雪が積もってもカーポートが耐えられるというわけでもありません。積雪量が多い場合は倒壊したり破損したりといった事故が起こる可能性はあります。雪からカーポートを守るためには、適切な対策が有効。この記事では購入前と購入後のそれぞれについて、有効な雪対策をご紹介いたします。
雪対策のためのカーポートの選び方
雪対策を目的にカーポートを購入する場合は、次の3点を念頭に置いてください。
地域の積雪量に見合ったカーポートを選ぶ
まず、お住まいの地域の平均的な積雪量がどのくらいかを把握しましょう。例えば耐積雪1m相当の性能のカーポートは、平均積雪が50cm~1mの地域に適しており、雪が多い年でも数cm程度しか積もらない地域では、オーバースペックですし、選べる製品の幅も狭まってしまいます。逆に、毎年2m~3mも積もるような地域で耐積雪1m相当の性能のカーポートを使うと、性能が足りず、雪の重みでカーポートが倒壊してしまう可能性があります。
YKK APでは耐積雪性能を以下の10種類に分けて、製品をご用意しています。
- 積雪20cm相当
- 積雪25cm相当
- 積雪30cm相当
- 積雪50cm相当
- 積雪60cm相当
- 積雪100cm相当
- 積雪150cm相当
- 積雪200cm相当
- 積雪250cm相当
- 積雪300cm相当
積雪60cm以上の製品は、耐風性能も46m/秒以上あり、暴風に対しても高い性能があります。
ただし、上記の積雪量は、比較的柔らかい「新雪」を想定したものです。「固く締まった雪」は新雪の3倍もの重さになることもあります。地域の積雪量にあわせて、適切なカーポートを選びましょう。
雪が積もりにくい場所を選んで設置する
雪は均等に積もるとは限りません。例えばカーポートを家屋のそばに設置すると、屋根から落ちる雪を受け止めることになりますので、カーポートが受け止める雪の量はその分だけ多くなります。特に風下側は雪庇が発生しやすく、以下の事故につながるおそれもあります。
- けがや死亡事故
- カーポートの屋根板の損傷
- カーポートそのものの倒壊
また、吹き溜まりにも注意が必要です。風上側、風下側とも吹き溜まりが発生することがあり、吹雪が去った朝に外に出てみたら大切な車が雪に埋まってしまっていた、という事態も考えられます。
カーポートが家屋から離れている場所は、上記のような影響を受けにくくなります。カーポートを設置するなら、家屋からなるべく離れた、雪が積もりにくい場所を選びましょう。
サイドパネルを設置する
カーポートにサイドパネルを設置すると、横から入り込む雪を防いでくれます。
- カーポート内に入り込む雪の量が減る
- 車に雪が付きにくい
- 雪の日でも乗り降りが楽
上記のようなメリットがあるので、サイドパネルもつけてもらうことをおすすめします。
すでにカーポートを設置済みの場合の雪対策
すでにカーポートを設置済みの方は、より有効な雪対策を行うため、次の2点を実施・検討してください。
積雪量に応じて雪下ろしをする
カーポートに積もっている雪の量がわずかであれば、積雪のたびに神経質に雪下ろしをする必要はありません。製品ごとの耐積雪性能を超えるような積雪があったときは、パネルの破損などトラブルを予防するために雪下ろしをしてください。すでに設置済みのカーポートの耐積雪性能を確認したうえで、積雪量に応じて雪下ろしを行いましょう。
サポート柱を設置する
すでに設置したカーポートにサポート柱を追加で設置すると、強い風が吹いたときや雪下ろしの際に揺れを軽減でき、耐久性も高められます。心配な方は、風や雪が強くなる季節が来る前に、サポート柱を設置しておくのがおすすめです。
カーポートの雪対策で注意してほしい4つのポイント
カーポートで雪対策をする際の大切なポイントを4つ解説します。しっかり確認して雪の季節に備えましょう。
雪下ろしは落下事故に要注意
カーポートの上に乗って雪下ろしをすると、落下する雪に巻き込まれてけがなどの事故につながりかねませんので、注意してください。特に折板屋根のカーポートは滑りやすく転びやすく、転んだ場所によっては自分も落下してしまうリスクもあります。また、屋根板がポリカーボネート板のカーポートは、踏み抜いてしまって落下した事故も報告されています。雪下ろしは2人以上で行い、安定して設置できる場所に脚立を立て、カーポートの上には乗らないようにしましょう。
融雪剤は使用しない
雪下ろしを楽にするために融雪剤を使用したくなるかもしれません。しかし融雪剤は以下のようなリスクがあるため、使用はおすすめできません。
- 金属がさびる
- コンクリートを傷める
- 周辺の土が塩分を含み、家庭菜園や植栽に影響を及ぼす
さらに、塩分を含んだ雪解け水がかかると車もさびる原因になります。
水やお湯をかけない
積もった雪に水やお湯をかけて溶かそうとする方も多いと思いますが、実はこの方法はおすすめできません。雪は水分を含むと重くなるのです。雪国の方なら、雪が雨に変わると雪が重くなることをご存じだと思います。
屋根にかかる負荷がより大きくなってしまいますし、下ろす雪が重くなるので雪下ろしがより大変になります。
雪下ろしの負担を軽くするコツは、新雪に近い状態のうちに下ろすことです。
金属製のスコップはカーポートを傷めるおそれがあるため要注意
雪下ろしにはスコップを使うことが多いと思いますが、金属製のスコップはなるべく使わないほうがいいでしょう。カーポートの柱などに当ててしまうと、塗装をはがすおそれがあります。見映えが悪くなるだけでなく、剥がれた塗装の部分からさびが始まり、カーポート全体を劣化させてしまいます。なるべくプラスチック製のスコップを使うことをおすすめします。
購入時から設置後まで適切な対応を取り、カーポートの雪対策を万全に
カーポートでより適切に雪対策を行うには、地域の積雪量に応じたカーポートを選び、雪が降ったら、積雪量に応じて雪下ろしを行うことです。耐積雪性能を高めるサイドパネルやサポート柱を追加するのもおすすめです。雪下ろしを楽にしようとして、融雪剤や水・お湯を撒くことは、より困った事態につながりかねないのでおすすめできません。
本記事をもとに雪対策をしっかり行い、快適なカーポートの活用につなげてください。
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