寒い季節は外に出て庭空間を楽しむ機会が少なくなります。庭に出る時間は減っても暖かい室内から庭を眺める時間は増えているのではないでしょうか。冬は渡り鳥もやってきているので庭にくる小鳥の種類が増える季節です。部屋の中から小鳥の様子を眺めるのは、本当に癒される時間になります。今回は庭に小鳥を呼ぶ方法をお伝えしていきます。
我が家は住宅地の中にあって周りは家ばっかりなのだけど小鳥なんて来るの?そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。地域によって庭にやって来る小鳥は変わるでしょうが、今回は兵庫県西宮市にある私の家にやって来るお気に入りの小鳥達を紹介します。電車に乗ると大阪駅まで15分かからない、まあまあ都会に近い場所の住宅地です。小鳥の姿やさえずりは田舎の庭の楽しみとは限らないってことを知ってもらえたらと。
ジョウビタキ
冬になると日本にやって来る渡り鳥です。お腹がオレンジでキュートな姿です。鳥はつがいで行動していることが多くて、どんな鳥でもだいたいは二羽でやって来るのですがジョウビタキはいつもお一人様。我が家にはお腹がオレンジの子がやってきますが、この子はオスなのだそうです。メスのお腹はグレーなのだとか。ピョコピョコっと動きも可愛いいので気づくと何をしていても手を止めて見入ってしまいます。寒いと写真のようにぷくーっと膨らませて、まあるくなるからより一層可愛い。
シジュウカラ
つがいでやってきます。シジュウカラに住んでもらいたいと庭に巣箱を設置していたこともあるのですが願いは叶いませんでした。またタイミングを見て設置したいと思っています。なぜ住んで欲しいのかは後半でお伝えしますね。
ハクセキレイ
尾が長くて先の2つに比べて少し大きいサイズ。この子は地面の上を歩いているのを見かけることが多いです。小鳥の種類によって行動が違うので見ていて面白い。何度見てもずっと飽きないのです。
メジロ
春先に6羽くらい団体でやって来ることが多かったのですが、今年は冬場もきています。暖かいからでしょうか?綺麗なグリーンの体に目の周りが白い特徴的な姿。先日、団体さんの中の一羽が窓に激突しドンッと大きな音がして驚きました。そんな場面に出会ったことのある人が結構いたので、メジロは慌てん坊なのかもしれません。
こんな愛くるしい小鳥達が庭にきてくれたら大人も子供もじっと見入ってしまいます。どんな庭なら、何があったら小鳥がくるのでしょうか。小鳥達は遊びにきているわけではなく、お食事に来ているのです。食べるものがある庭に小鳥達はやって来るということです。後半は小鳥を呼ぶ庭にする方法をお伝えしていきます。
小鳥の食べるもの・・・色々な虫たち
毛虫のように私たちに見える虫から、目に見えないくらい小さな虫までいろんな虫を食べています。植物を弱らせる「カイガラムシ」を食べてくれることは大歓迎だけど、カマキリの卵をつついているのを見ると悲しくなる。カマキリは害虫を食べてくれる貴重な存在だから。
多様な虫のいる庭にするには化学薬品での消毒は避けたいです。ありとあらゆる虫を駆除することになり、薬に耐性のある虫だけが天敵のいない中で繁殖してしまう。気持ちの良い環境にはなりません。たとえ小さな庭でもその中で生物たちの命の循環があれば薬品を使う必要はなくなります。
毛虫が多いという庭には、ぜひ巣箱をおいてみてください。小鳥に子育てしてもらって、たくさんの虫を食べてもらいましょう。十分に安全が確認できないと巣として使ってもらうことはできないので、気長に設置しておいてください。巣箱は入口の穴の大きさで入る鳥が変わります。穴の径が27ミリ程度ならシジュウカラ、30ミリ程度ならスズメやヤマガラが入るそうです。
シジュウカラは、年間を通じて大量の昆虫を食べる有益鳥類。1年に食べる虫の量は約85000匹とも言われています。頼もしいですよね。この恩恵を受けたいと私も庭に巣箱を設置していたのですが上手くいかないまま庭のリニュアルで巣箱を外してしまいました。良い場所を見つけて再チャレンジする予定です。
小鳥の食べるもの・・・実
冬に実をつける植物が庭にあれば、その実を食べに小鳥たちがやって来ます。「ナンテン」「センリョウ」「ヤブコウジ」など低木からグランドカバーで場所を取らない樹ならどんな庭にも植えられます。日陰でも大丈夫な種類の植物です。これらの赤い実を喜んで食べているのは、いつも「ヒヨドリ」。先に紹介した小鳥より少し大きくてあまり可愛くない(個人的感想です)。一年を通して何かの実がなると目ざとくやって来ます。
「マユミ」「ハナミズキ」「ムラサキシキブ」などならメジロやジョウビタキ、シジュウカラも食べるようなので庭に植えるなら、こちらの方が楽しいかもしれません。
私の庭で一番人気の実は「ギンバイカ」です。そのまま食べてもあまり美味しくないようですがジャムにしたりすると美味しく食べられるとか。まだ作ったことがなく、木に成ったまま放置しています。この実はシジュウカラやジョウビタキも食べているし、もちろんヒヨドリも食べています。小鳥たちは人間のように乱獲することはなく、その時に1つ2つ食べて去っていきます。足るを知っているようですね。
鳥を呼ぶ庭の作り方 まとめ
- 無農薬の庭にする
- 巣箱を置く
- 冬に実のなる植物を育てる
落葉した枝に果実を刺しておいたり餌台に餌をおいて人為的に鳥を呼び寄せる方法もありますが、上記のような環境を作れば自然に小鳥たちはやって来ます。寒い季節、暖かい部屋の中で温かいお茶を飲みながら小鳥たちを観察したり、小鳥たちに癒されたり。そんな時間を楽しんでみませんか。
著者プロフィール
冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)
個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。