庭やエクステリアが思うようにまとまらない…というお悩みにおすすめなのが、砂利の活用です。どんなスペースでも敷くことができ、色合いも石の大きさも多彩で絵を描くようにデザインできます。コンクリートや石、ブロック、レンガ、枕木など、庭やエクステリアで使う各種素材となじむ点も魅力です。そんな砂利を上手に活用するために知っておきたい基礎知識をご紹介しましょう。
「砂利を敷くメリット」を庭やエクステリアに生かす
砂利はおしゃれな景観作りに役立つだけでなく、敷くことによって様々なメリットが生まれます。砂利のメリットを把握し、庭やエクステリアに砂利を活用する際の具体的なイメージを描いてみましょう。
メリット1 雑草対策になる
庭やエクステリアのお手入れで大変なのは、なんといっても草むしりではないでしょうか。砂利を敷くことによって雑草の種が土にこぼれるのをガードするので、雑草が生えるのを防ぐことができます。
現在、雑草が気になっているエリアがあれば、砂利を敷くことを考えてみましょう。
メリット2 土ぼこりや土の跳ね返りを抑える
風によって巻き上げられた庭の土ぼこりが付くことで窓や外壁が薄汚れて見えたり、窓から室内に入ってきたりして困ることがあります。砂利を敷けば、土埃は立ちにくくなります。また、雨が降った時の地面からの土の跳ね返りによる汚れ防止にもなります。
メリット3 ぬかるみを抑える
雨が降るとどうしても土はぬかるみ、歩けば靴が汚れてしまいます。結果的に玄関に泥を持ち込んでしまうことにもなります。
玄関までの通路になるエリアに砂利を敷けば、そんなぬかるみを防ぐことができます。
メリット4 防犯対策になる
砂利の上を人が歩くと石がこすれ合う音がするので、室内にいても外に誰かいることに気づきやすくなります。侵入者はそうしたことを嫌がり、そのような家を選ばなくなります。つまり、砂利を敷くことは、侵入者の発見と予防の両面からの防犯対策になるということです。
最近では防犯対策用として、軽く踏みつけるだけで大きな音の出る防犯砂利も販売されています。
メリット5 ウッドデッキの水はけ対策や雑草対策にもおすすめ
ウッドデッキは、立地によっては湿気やウッドデッの床下の雑草取りなど、思わぬ問題が起こったりします。その対策としておすすめなのが、砂利を床下や周囲に敷くこと。手軽に水はけ対策や雑草対策を図ることができます。
「砂利を敷くデメリット」も考慮して活用する
砂利を敷くことによるデメリットもあります。この点も理解しておけば砂利を自宅でどのように活用すると良いのかが、より具体的に絞り込みやすくなります。
デメリット1 苔の汚れが目立つことがある
湿気が多いところなどは、砂利に苔が生えることがあります。人が砂利の上を歩く場所なら石同士こすれて苔も落ちやすいのですが、そうでない場所は苔が黒ずむこともあり、汚れとなってしまいます。
湿気の多いところへの設置は避けるか、汚れの目立たない色の砂利を選ぶなどの配慮が必要です。
デメリット2 落ち葉の掃除がしにくい
砂利に落ち葉が挟まったり掃く時に砂利まで動いてしまったりするため、落ち葉の掃除に手間がかかるようになります。葉が落ちるタイプの植栽が多い庭では、落ち葉を吹き飛ばすタイプの掃除機の利用や、落ち葉のシーズンには砂利にネットを被せるといった対処を考えましょう。
デメリット3 歩きにくい、タイヤが転がりにくい
砂利の上は歩きづらく、ヒールや革靴などがダメージを受けてしまうことも。また、自転車やベビーカー、車いすなどのタイヤが転がりにくくなるため、押して歩くのに苦労するでしょう。アプローチなどに砂利を敷く際は、飛び石やタイル、レンガ、枕木などと組み合わせることをおすすめします。
デメリット4 定期的な目減りのチェックが必要
砂利は転がりやすいので、いつの間にか違う場所に移動してしまいがちです。また、排水溝に落ちてつまらせる原因になったりすることも。小さなお子様がいる家では、遊びに使われてしまうかもしれません。
砂利が目減りすると見栄えも悪くなるので、定期的に目減りのチェックや排水溝のチェックをすることが大切です。
どれを選ぶ?おすすめの砂利8種類
庭とエクステリアに適した基本的な砂利8種類をご紹介します。特性を見比べ、敷きたいエリアに適した砂利をセレクトしましょう。
1 白玉砂利
その名の通り白い石の角を丸く、白玉のように加工した石です。明るく清潔感のある雰囲気で、和風・洋風を問わずどんなスタイルにも演出できます。ただし白色は汚れや落ち葉などのゴミが目立つため、日々のお手入れに気をつけましょう。
2 赤玉砂利
赤みを帯びた玉砂利で、乾いた状態では深めの赤褐色やピンクがかった明るい赤色等、色味のバリエーションがあります。雨に濡れると、艶が出て赤みも鮮やかに。レンガや木材となじむ色合いです。
3 青玉砂利
緑がかった青色の玉砂利で、雨に濡れるとより艶のある翡翠を思わせる色味に変わります。落ち着いた、品格を感じる雰囲気を醸し出してくれます。黒やグレー系の砂利でシックにまとめたいけれど暗くなってしまうというエリアは、青玉砂利を検討してみてください。
4 五色砂利
白、赤、緑、灰色、黄土色系の五色で、各大小様々な形の砂利がミックスされています。渋い色味の組み合わせですが、配色が多彩なので華やいだニュアンスをプラスできます。タイルの隙間など、狭いエリアのアクセントに効果的です。
5 金華砂利
灰色系の砂利に、黄色系の砂利がミックスされています。落ち着いた色合いながら、黄色系の砂利が華やぎと温かみを感じさせてくれます。和風からアジアンテイストな庭づくりに似合います。洗い出し仕上げ(※)などにもよく使われます。
※洗い出しとは、たたきや壁などで、表面が乾かないうちに水洗いして、小石を浮き出させたもの
6 那智黒石
漆黒の美しい石で、碁石の黒石として使われていることでも有名です。雨に濡れるとますます艶やかになり、日本では格式ある坪庭などに使われてきました。最近では那智黒石ならではの品格と存在感が注目され、スタイリッシュな庭づくりにも使われています。
7 伊勢砂利
黄や黒、白、薄茶、灰色などの色が点々と混じり合った砂利です。多孔質で水はけや水もちが良いので扱いやすく、古くから庭に敷く砂利として活用されてきました。全体に明るく軽やかなニュアンスになり、マンションの外構などでもよく使われています。
8 大磯砂利
灰色、緑色系のすっきりと落ち着いた色味の砂利です。硬質で滑らかな質感、古くから庭のほか、土間や玄関の洗い出しなどに使われてきました。敷くとシックな雰囲気になり植物を引き立ててくれるので、様々なガーデンスタイルに使えます。
8種類の他にも、クラッシュピンク、イエロータンブル、緑化石、キャラメル砕石、輝宝石など、個性的な色合いや質感の砂利がたくさんあります。エリアごとに使い分けたり、何種類かをデザインしながら組み合わせて使ったりすれば、庭やエクステリアがさらに魅力的なスペースになります。
砂利を敷く際に注意するポイント
敷いた砂利を長くきれいな状態で楽しむためには、敷く際に注意するポイントがあります。
- 雑草や小石をきれいに取り除く
- 地面を平らにし、しっかりと踏み固める
- 防草シートを敷き、シート専用のピンでしっかり止める
- 砂利はシートが見えなくなるまで厚めに敷き詰める
(砂利の袋などに、1平米に対してどの程度必要かが表示されています。購入前に敷き詰める場所の面積を計算しておきましょう)
砂利の活用は、DIYでも手軽にできます。まずは気軽に、小さなエリアから始めてみませんか。庭やエントランスに砂利を活用することで植栽の美しさが映えて、四季折々の庭をさらに心豊かに楽しめることでしょう。