庭で子供たちをのびのび遊ばせたい、ガーデニングを楽しみたい―そんな思いはあるものの、「車を駐車すると庭と呼べるスペースがなくなる」という家庭も多いのではないでしょうか。思うように庭を確保できない日本の住宅事情のなかで、駐車スペースと限られた庭の関係について考えてみます。
眺める庭 それとも 遊びを楽しむ庭
仮に、庭を “見て楽しむ庭”と“使って楽しむ庭”の2つに分けてみましょう。見て楽しむ庭とは、樹木や果樹を植えたり、ガーデニングを楽しむ庭です。一方、使って楽しむ庭とは、小さな子供が動きまわったり、日曜大工など趣味を楽しむための多目的な庭のことです。それぞれ駐車スペースといかに折り合いをつけるのかのアイデアを示してみました。
駐車スペースと“見て楽しむ庭”の共存
リビングの窓の前が駐車スペースという配置も珍しいことではありませんが、ゆったりとした時間を楽しもうと思っても窓越しの風景がマイカーでは味気ないですよね。そこでリビングと駐車スペースとの間をフェンスで仕切り、そこに草花の鉢植えを掛けて楽しんでみてはいかがでしょうか。最下段は日陰でも育ちやすいものを植えましょう。2段目3段目はお好みの花の色でレイアウトすれば、立体感のある花壇になります。また、窓の前なので水やりもサッシ戸を開けてカンタンに済ますことができます。フェンスというと通常は道路とお住まいの間に立てて防犯や目隠し目的で使用する場合がほとんどですが、発想の転換でリビングからのロケーションをよくするために用いてみてはいかがでしょうか。
駐車スペースと“使って楽しむ庭”の共存
たとえば小さな子どもがいるご家庭の場合は、目が届く庭で遊ばせたいものです。ある程度のスペースを確保したい場合は、駐車スペースと道路から玄関までのアプローチ、そして限られた庭を、合わせて広く使うという方法があります。この場合、車を止める場所にはタイヤの幅に合わせてコンクリートブロックや石板などを配置してエリア分け明確にします。それ以外の部分には芝生やウッドチップを敷けば、とてもオシャレになります。お子様とのボール遊びや夏場にはビニールプールを広げて楽しむことも。もちろん、架台を置いて、お父さんが電動工具を駆使した日曜大工も可能。フラットなスペースは自由に使えますのでとても便利です。
駐車スペースとデッキの共存
リビングの窓の外にデッキを設置したいけど、そこまでのスペースがないという話もよく聞きます。そのような時は、濡れ縁や縁台を置いてみるという方法もあります。さすがにこの大きさではイスやテーブルを配置することはできませんが、腰かけながらフェンスの鉢植えを整えるなどの便利なスペースとして使えます。ちょっとしたアイデアで暮らしにうるおいをもたらしてくれるのもリフォームの魅力ですね。
庭と駐車スペースを分けない ⇒ ⇒ 庭も屋内化して便利に使う
駐車スペースと庭を分けないという考え方を発展させたとき、限りある庭を屋内に取り込んでしまうというカタチはいかがでしょうか。簡単に言えば駐車スペースを屋根で覆うだけでなく、いっしょに庭全体を屋根で覆ってしまえば全天候型の空間として使うことができるようになるといことです。洗濯物を干したり、趣味を楽しんだり、物置にしたりと、使い方や楽しみ方は自由自在です。庭の有効活用について、一度、考えてみることをおすすめします。