快適なテレワークをするためには、集中力が高まるスペースの確保と、リフレッシュタイムが欠かせません。今回は、庭の活用で新しい発想が生まれる!ストレスフリーなテレワークのための家づくりのアイデアをご紹介します。
テレワークの悩み、集中力が続かない、ストレスがたまる
働き方の変化に伴い、自宅で仕事をする人が増えています。テレワークとは、tele(遠隔)+work(働く)から生まれた造語で、場所や時間にとらわれず自由に働くことができるスタイルを言います。
しかし在宅での仕事ならではの悩みも少なくありません。小さな子供がいて仕事ができない、途中で集中力が切れてしまう、家にずっといるので煮詰まってくる、仕事をする場所が無く家族が寝静まった夜中にリビングでやるので生活のリズムが乱れて身体がだるい、ちょっとしたことでイライラして、ストレスが溜まっている・・・・などという声も。
家は生活の場です。大変な通勤も、生活の場から仕事の場へと、頭を切り替えるのに役立っています。また会社なら、仕事に集中するためのスペースがあり、ちょっとした同僚とのおしゃべりで気分転換をしたり、ランチタイムには外に出てリフレッシュしたり。
普段の仕事の中では、このような生活と仕事の切り替え、仕事に集中するための環境、気分転換やリフレッシュなどを何気無く行っていますが、家では難しいことも多く、このような悩みが生まれてしまうのです。
仕事に集中できる、快適なテレワークのスペースづくりのアイデア
自宅で仕事をするためには、仕事がしやすい環境づくりが必要です。まずは、仕事に集中しやすいスペースを作るアイデアからご紹介しましょう。
手軽なのが、間仕切り家具を使う方法です。部屋の一角に、間仕切り家具を設置し、テレワークのためのスペースを確保します。家具でさりげなく部屋を仕切るだけでも、空間が切り取られたような独立感が生まれ、仕事に集中しやすくなります。
間仕切り家具は、壁を作るような大掛かりなリフォームは不要です。高さがある間仕切り収納なら独立感が高まり、個室のような雰囲気になります。収納で仕切るということは、壁の厚み分を収納として活用することですから、省スペースに効率の良い空間づくりができます。
特にリビングの一角にワークスペースを作る場合は、生活と切り分け、独立感が保てるような工夫を加えることで、仕事がしやすくなります。突っ張りタイプの簡易な間仕切り壁もありますので、上手に使って、快適なワークスペースづくりをしましょう。
本格的なワークスペース作りを考えるなら、押し入れや階段下収納、屋根裏などの空間を活用するアイデアもあります。
家の中はもういっぱい、スペースは無い!と思いがちですが、家の中には意外に多くの空間が隠されています。これを未活用空間と呼び、上手に使えば、新しいスペースを生み出すことができます。
まずは押し入れや階段下収納を見直してみましょう。もしかしたら要らないものでいっぱいになっていませんか?これらの収納は奥行きが深いため、上手く活用できていない家が少なくありません。中に長年使っていない来客用の布団や、忘れ去られたおもちゃなどがあったら思い切って処分!
スペースが空いたら、デスクを組み込めばワークスペースの完成です。押し入れの中棚は作りによっては自分でも取り外しができ、イマドキはDIYで簡単に貼ることができる壁紙もあります。押し入れや階段下スペースは3方を壁に囲まれるので、落ち着いたスペースになります。
屋根裏が空いていたら、ロフトタイプのテレワークスペースを作るリフォームをするのもいいですね。秘密基地のような雰囲気になり、集中力が高まること間違いなし!ただし、屋根裏は夏に暑くなりますので、しっかりと断熱を行い、エアコンを忘れずに取り付けておきましょう。
他にも階段の踊り場や玄関ホール、廊下にワークスペースを作るアイデアもあります。壁にライティングデスクのような折り畳み式のカウンターを1枚取り付けるだけでも使い勝手の良い机になります。折り畳み式なら、使わない時は畳んでしまっておけるので便利です。
庭活用でメリハリのある暮らし、空の下で新しい発想を生み出そう
テレワークを快適に行うためには、気分転換のためのリフレッシュタイムが欠かせません。朝起きてから家の中にずっといると、どうしてもストレスがたまってしまったり、同じことをぐるぐると考えて仕事が進まなかったり。
そんな時は、我が家の庭で気分転換を図りましょう。例えば、新たな発想が必要な時は、庭に出て仕事をするのもいいですね。サンルームやテラス囲いがあれば、カフェで仕事をすると何となくはかどるあの感じが、いつでも我が家で叶います。
夜には星空の下で考えをまとめたり、昼には気分転換に太陽の光を浴びて体操をしたり。イマドキは自立型のハンモックもありますから、ゆらゆらと揺られながら仕事の段取りを考えるのも楽しそう!きっと新しいアイデアが湧いてくるはずです。
これまでの庭は、家での暮らしの中にあるものでした。しかしテレワークが増えた今、それだけでなく、新たな仕事の場として、更に仕事がはかどるためのリフレッシュの場として活用する時代です。皆さんのお住まいでも、そんな新しい庭の活かし方を考えてみてくださいね。
著者プロフィール
Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー
長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中