わが家も気軽にポタジェ!果樹のコンテナ栽培にチャレンジしてみよう

庭づくりについて調べていると「ポタジェ」という言葉を目にすることがあります。野菜やハーブ、果樹、草花を組み合わせたフランス生まれの家庭菜園です。

とはいえ、初めからいろいろ育てるのは少し大変ですよね。まずは果樹をひと鉢、コンテナで育ててみませんか。新しく菜園をつくらなくても今あるガーデンの片隅やベランダで気軽に始められます。

この記事では初めてでも育てやすい果樹と、コンテナ栽培を続けるための基本をご紹介します。

1. ポタジェに挑戦

「ポタジェ(potager)」は、フランス語で家庭菜園や野菜畑を意味する言葉です。畑のように収穫量だけを優先するのではなく、葉の色や形、花の美しさも庭の景色として楽しむ。それがポタジェのおもしろいところです。

でも、野菜もハーブも果樹も一気に育てようとすると、植えつけや水やり、収穫の時期がそれぞれ異なるため初めての方には少し大変ですよね。

コンテナ栽培なら新しく菜園の場所をつくる必要はありません。日当たりに合わせて鉢を移動でき、地植えに比べて樹の大きさも抑えやすくなります。土の性質を植物に合わせやすいこともメリットです。ブルーベリーのように酸性の土を好む果樹も専用培養土を使えばほかの植栽と分けて管理できます。

実のなる季節には家族で収穫し、それ以外の時期は一鉢の緑として庭になじませる。そんな小さな始め方ならポタジェを難しく考えずに楽しめそうです。

2. 果樹のコンテナ栽培に必要な準備

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用意するものは、果樹の苗木、鉢、鉢底ネット、鉢底石、培養土、肥料、支柱です。苗木は品種名が明記されたものを選びます。結実に別品種が必要かどうか、地域の気候に合うかも購入前に確認しましょう。

鉢は購入した苗の鉢より直径が6~9cmほど大きいものを目安にします。最初から極端に大きな鉢へ植えると、土が乾きにくくなり根を傷めることがあります。生育に合わせて一回りずつ大きくするほうが水分を管理しやすくなります。

果樹の栽培には、鉢の側面に切れ込みのある「スリット鉢」もおすすめです。

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余分な水が抜けやすく、根が鉢の中をぐるぐる回る「根巻き」を抑えられます。細い根が鉢全体に広がりやすいため、限られた土の中で育てるコンテナ栽培に適しています。

土は自己流で配合せず、まずは市販の果樹用培養土を使うと簡単です。ただしブルーベリーには、酸度を調整したブルーベリー専用培養土を選んでください。

3. コンテナで育てやすい果樹

イチジク

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家庭で育てやすく、収穫の喜びを味わいやすい果樹です。大きく切れ込んだ葉は形がおもしろく、実がない時期も庭の緑として存在感があります。日本で一般的に流通する栽培品種は、受粉のために別の樹を用意しなくても1本で結実します。

日当たりと風通しのよい場所に置きましょう。イチジクは水を好み葉も大きいため実が育つ夏は特に水切れしやすくなりますので、しっかりと水やりを行うことがとても大切です。

イチジクの生育は旺盛なため、最初から大きめの鉢に植えるのがおすすめ。苗の大きさにもよりますが、8号(直径24cm)~12号(直径36cm)にしておくことで、頻繁に植え替えをする手間を省くことができます。

害虫ではカミキリムシに注意が必要です。幹や枝に穴が開き木くずのようなものが出ていたら幼虫が内部に入り込んでいる可能性があります。株元や幹をこまめに確認し、見つけたら早めに対処しましょう。

キンカン

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つやのある常緑の葉と小さな白い花、冬に色づく橙色の実を楽しめます。多くの品種は1本で結実します。

キンカンは夏に何度か花を咲かせます。遅い時期に咲いた花からできた実は冬までに十分育たないことがあるため、早い時期に結実した実を優先して残しましょう。実が多すぎると木に負担がかかり、ひとつひとつの実も大きくなりにくくなります。小さな実や傷のある実、密集した部分の実は間引くようにしましょう。特に鉢植えの若木は、木の大きさに対して実を残しすぎないことが大切です。

実は皮ごと食べられます。甘露煮がおすすめ。下ゆでして苦みをやわらげ、砂糖でゆっくり煮含めるとキンカンらしい香りを生かせます。保存しやすく、お湯や炭酸水に加えて楽しむこともできますよ。

ナツメ

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薬膳や韓国料理などで使われるナツメ。名前は知っていても、いざ、その実を探すと「どこに売っているのだろう?」と思う方も多いのではないでしょうか。日本では福井県に「棗(なつめ)地区」があります。室町時代の文献にも「棗荘」という地名が登場するほど、ナツメと深いつながりを持つ地域です。現在も国内有数の規模で栽培されています。

多くは1本でも結実し、秋になると楕円形の実が緑色から赤褐色へ変わります。若い実はリンゴのような歯ざわりで生食でき、熟した実は乾燥させたり砂糖煮にしたりして楽しめます。

気をつけたいのが枝のトゲ。ナツメにはトゲが目立ちにくい系統があり、苗木店では「トゲなしナツメ」として販売されることがあります。ただし、そのような苗でも生育の状態によって小さなトゲが出る場合があります。
完全にトゲがないと思い込まず、購入時に現物とラベルを確認しましょう。「皇帝」などトゲが少ないとされる大実系も選択肢ですが、販売名だけで無刺とは判断できません。コンテナは通路際や子どもが触れやすい場所を避けて置き、剪定や収穫には手袋を使うと安心です。

ブルーベリー

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家庭果樹の定番といえば、ブルーベリー。春には釣鐘形の花が咲き、初夏から夏に実を収穫できます。秋の紅葉も美しく季節の変化を楽しめる落葉低木です。熟した実を庭で摘み、そのまま食べられるのは家庭栽培ならではですね。

ブルーベリーは系統と品種の選び方が結実を左右します。暖地では暑さに比較的強いラビットアイ系が育てやすいでしょう。ラビットアイ系は同じ系統の異なる品種を2本以上、近くで育てると受粉しやすくなり、実つきや果実の大きさがよくなります。開花期が重なる組み合わせを選び、同じ鉢へ寄せ植えせずにそれぞれ別の鉢で育ててください。

また、ブルーベリーは酸性の土を好みます。一般的な草花用培養土ではなくブルーベリー専用培養土を使うのが確実です。細い根が浅く広がるため乾燥にも弱く、夏の水切れには注意します。実の色だけで収穫せず青く色づいてから数日待ち、軽く触れて取れる頃を目安にすると甘みを感じやすくなります。

4. コンテナ栽培の管理のポイント

果樹の種類が違っても、管理の基本には共通するところがあります。

まず、大切なのは日当たりです。今回ご紹介した果樹は基本的に日光がよく当たる場所を好みます。ただし真夏のベランダは、床や壁からの照り返しで鉢の温度が上がりやすくなります。鉢を床から少し浮かせる、壁に密着させないなど熱を逃がす工夫をしましょう。

水やりは回数を決めるのではなく土の乾き具合を見て判断します。表面が乾いたら鉢底から流れ出るまで与えるのが基本です。受け皿にたまった水は残さず捨てます。夏は朝に確
認し、乾燥が激しい日は夕方にも状態を見てください。

肥料は多ければよいものではありません。果樹の種類と肥料の表示に従い、決められた量と時期を守ります。与えすぎると枝葉ばかりが伸びたり根を傷めたりすることがあります。

実がつき始めると、その重さで鉢が倒れやすくなることもあります。風の強い場所では鉢を安定させ、枝が混み合ったら適期に剪定して風通しを確保しましょう。

5. ひと鉢から始めるわが家のポタジェ

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「ポタジェっておしゃれな暮らしをしている人が楽しむものでしょ?」
そう思っていた方にも、今回のブログを通して「これなら挑戦できそう」と感じていただけたのではないでしょうか。

まずは好きな果物をひとつ選び、日当たりや置き場所が確保できるかを確認してみてください。育てることに慣れてきたら鉢を増やしたりそばにハーブのコンテナを並べたり。少しずつ楽しみを広げていけば十分です。

大がかりな菜園をつくらなくても大丈夫。今あるガーデンの片隅から、わが家らしいポタジェを始めてみませんか。

 

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著者プロフィール

わが家も気軽にポタジェ!果樹のコンテナ栽培にチャレンジしてみよう

山岡由佳 クラスデザイン代表
二級造園施工管理技士、一級エクステリアプランナー

京都府立大学 人間環境学部 環境デザイン学科を卒業後、E&Gアカデミーにてエクステリアとガーデンを専門的に学ぶ。 エクステリアとお庭の専門店にて15年、ランドスケープデザイン設計事務所にて2年の実績と経験を積み、 2020年に独立し「cras design(クラスデザイン)」を設立。 個人宅向けの外構造園設計や施工店への作図サービスを中心にSNS運用サポートやブログ執筆サービスも行っており、 様々な視点から役立つ情報をお届けしています。

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