隣の家からの視線が気になる、こちらの家からも見えてしまうという悩みは少なくないものです。
隣の家との目隠しを成功させるコツは、全てを遮断するのではなく、気になる視線だけを上手にコントロール。お互いに程よい距離感を作ることにあります。例えば、目の高さと足元でメリハリをつけたり、植栽やフェンスを組み合わせたり。その際には、お互いの視線のぶつかりあいを防ぐよう、高さとデザイン選びに注意が必要です。
今回は、隣同士で心地よく暮らすために。隣の家とちょうどいい距離感をつくる「目隠しフェンス」のアイデアを、YKK AP エクステリア スタイル大賞の受賞作品からご紹介します。
目次
隣同士が心地よく暮らすための目隠しを考える

YKK AP エクステリア スタイル大賞2025年戸建分譲街並み部門ベストスタイル賞 採用商品:プリュード ポスト/ルシアス フェンスLite/ルシアス フェンス/エピソードⅡ NEO/リモコンシャッター/手動シャッター/タカマツハウス 株式会社 東京本社 https://takamatsu-house.co.jp/
心地よい住まいは、間取りやデザインだけでなく、隣の家との関係性も大切なポイントになります。
特に住宅が密集する都市部や住宅街では、庭やリビングが隣の家から丸見えになってしまうことも。逆に、向こうの暮らしがこちらの家から見えてしまうのも落ち着きません。
しかしそうは言っても、高い塀で敷地を完全に囲ってしまうと、圧迫感や閉塞感が生まれたり、庭が狭く感じられたり。光や風の通り道をふさいでしまうこともあります。
大切なのは、気になる視線を上手にコントロールして、お互いに程よい距離感を作ること。植栽やデザインフェンスを組み合わせれば、それぞれが心地よく暮らせる目隠しになります。
今回はそんな目隠しを作った施工事例を、コンテストの入賞作品からご紹介します。
閉じ過ぎず、必要な場所だけ視線を遮る

一部をウォールにすれば、気になる視線だけを遮ることができます(YKK AP エクステリア スタイル大賞2025年ガーデン部門(庭まわり)ブロンズスタイル賞 採用商品:リレーリア フロントフレーム/ルシアス ウォール/ルシアス 宅配ポスト/プリュード パーティションフレームユニット/シンプレオ フェンス/カスタマイズパーツ/汎用形材・部品/ポラスガーデンヒルズ 株式会社 街並デザイン室)
隣の家との目隠しは、全てを遮断するのではなく、程よいつながりを残すことで、お互いに心地よい距離感を保ちやすくなります。
まずは、どこからの視線が気になるかを見極めましょう。
例えば、リビングや庭など、くつろいで過ごしたい場所にはしっかりとした目隠しを作り、それ以外は抜け感を残すようにすると、必要以上に閉鎖的にならず、隣同士のプライバシーも守れます。
フェンスのデザインにメリハリをつけるアイデアもあります。
一部をウォールにして、風通しのいいフェンスと組み合わせるなど、隠す場所と開く場所のメリハリをつければ、気になる視線を遮りつつ、お互いに圧迫感の少ない自然な境界になります。

目の高さは目隠しをして、足元に抜け感を出すと庭が広く感じられます(YKK AP エクステリア スタイル大賞2025年ガーデン部門(庭まわり)ブロンズスタイル賞 採用商品:リレーリア フロントフレーム/リレーリア ルーフフレーム/ポスティモ/ルシアス フェンスLite/ルシアス フェンス/シンプレオ フェンス/リウッドデッキ 200/低電圧照明「VIEW UP」/ポラスガーデンヒルズ 株式会社 街並デザイン室)
目の高さと足元でメリハリをつけるアイデアもあります。
足元は意外と見えないもの。そこで、視線の高さにはしっかりとした目隠しフェンス、足元には透け感のあるフェンスと、異なるデザインのものを組み合わせれば、視線を遮りつつ、足元の奥行きで庭を広く感じさせることができます。
暮らしに合わせて変化させる目隠しもあります。
中庭のようなプライベート性が高い空間では、常に囲うのではなく、庭で過ごす時だけテントなどを設置する方法も。普段は開放的に暮らしつつ、家族で庭時間を楽しむ時は目隠しをしてのんびり過ごすといったように、フレキシブルに使える空間になります。

庭に出る時だけフレームに取り付けるテント式の目隠しも(YKK AP エクステリア スタイル大賞2020年ガーデン部門ブロンズスタイル賞 採用商品:リレーリアフロントフレーム・リウッドデッキ 200/低電圧照明「VIEW UP」/ポラスガーデンヒルズ 株式会社 街並デザイン室)
植栽を取り入れて、やわらかい距離感をつくる

植物があればそこでワンクッション、柔らかく視線を受け止めてくれる自然な境界になります(YKK AP エクステリア スタイル大賞2024年ガーデン部門(庭まわり)シルバースタイル賞 採用商品:ルシアス スクリーンフェンス/積水ハウス 株式会社 神戸支店)
隣の家との目隠しでは、フェンスや塀だけでなく、植栽を組み合わせることで、自然で心地よい距離感をつくることができます。
人工物だけで境界をつくると、どうしても無機質な印象になり、隔てる印象が強くなります。
そんな時は、植物を加えることで柔らかい印象になり、自然な境界として感じられるようになります。もちろん、季節の変化を楽しんだり、庭に奥行きや立体感が生まれたり。美しい景色を作り出してくれるのも魅力です。
注意したいのが、植物の種類です。落葉樹だと冬に葉が落ちて丸見えになってしまう可能性も。落ちた葉の掃除の問題もあります。隣家との境界には、虫がつきにくい常緑樹を選んで植えましょう。

視線が気になる場所には目隠しフェンス+植栽との組み合わせで程よい目隠しに(YKK AP エクステリア スタイル大賞2022年分譲街並み・公共施設部門シルバースタイル賞/採用商品:リウッドデッキ200/設計施工:株式会社 ウィル) https://www.wills.co.jp/
視線の位置を考えると、高さのあるフェンスが必要になることも少なくありません。そんな場合でも、植栽と組み合わせれば、圧迫感を軽減することができます。
例えば、「閉じ過ぎず、必要な場所だけ視線を遮る」のところでご紹介した、視線が気になる高さにだけ目隠しフェンスを取り付ける場合も、抜けた足元に植栽を加えれば、自然な雰囲気になります。
植物は気になる場所にレイアウトしやすく、隠したい部分と開いておきたい部分を細かく調整できるのもメリットのひとつ。地植えでなくても大型の植木鉢やプランターを活用することもできます。

風通しのよいフェンスと植栽を組み合わせて(YKK AP エクステリア スタイル大賞2021年ガーデン部門ブロンズスタイル賞/採用商品:リレーリア フロントフレーム・リウッドデッキ 200/設計施工:ライトガーデン株式会社)
フェンスの高さとデザイン選びで、視線のぶつかりあいを防ぐ
<リフォーム前>
<リフォーム後>

視線の高さがよく考えられた、庭の背景になる美しい目隠しへリフォーム(YKK AP エクステリア スタイル大賞2024年エクステリアリフォーム部門ベストスタイル賞/採用商品:リウッドデッキ 200/設計施工:株式会社 GARDEN工房 北九州店)https://www.yutei-furyu.co.jp/company
隣の家との目隠しフェンスを設置する際に、注意したいのが高さとデザイン選びです。
むやみに高いフェンスにしてしまうと圧迫感が生まれ、かといって低すぎると視線を遮ることができません。大切なことは、どこからどう見えるかをよく検討することです。
敷地内からの視線は、立っている場合、地盤面から約160㎝~180㎝が目安です。ただし、それぞれの地盤面の高さに差がある場合、お互いの視線の高さも変わります。
隣の家の窓からの視線が気になる場合もあります。視線の高さと方向をよく考えて計画を立てましょう。
<リフォーム前>
<リフォーム後>

ルシアススクリーンフェンスを使った、重厚感のある住まいに相応しい目隠しのデザイン(YKK AP エクステリア スタイル大賞2024年エクステリアリフォーム部門ベストスタイル賞/採用商品:ルシアス スクリーンフェンス/設計施工:ANFORMAL 株式会社)
選ぶフェンスのデザインによっても、視線の遮り方や風通しが変わります。
透け感があり過ぎると視線を通してしまいます。開放感のあるリビングや、庭でゆっくりとした時間を過ごしたい場合は、ルーバータイプのフェンスを選ぶと、目隠し効果が高まります。
目隠しフェンスには様々な高さが揃っていて、高さやデザインを組み合わせて使うこともできます。
例えば、「ルシアス フェンス」は組み合わせ次第で、最大2870㎜の高さまで設置が可能。上手に選んで組み合わせて、わが家にぴったり合った目隠しを作りましょう。

窓の高さや視線の位置をよく考えて目隠しフェンスの取り付けを(ルシアス スクリーンフェンス S03型/YKK AP)
エクステリア全体と調和する目隠しで、心地よい景色にする
<リフォーム前>
<リフォーム後>

白を基調にまとめた屋外空間。目隠しフェンスもその一部となり、美しい景色を作り出しています(YKK AP エクステリア スタイル大賞2025年エクステリアリフォーム部門シルバースタイル賞/採用商品:ルシアス フェンスLite/サザンテラス/設計施工:南九施設 株式会社)https://nankyu-shisetsu.jp/
目隠しを、建物や庭、カーポートなどエクステリア全体とコーディネートすれば、わが家から見る景色はもちろん、周囲から見ても美しい外まわりになります。
例えば、白を基調とする明るい外構なら目隠しフェンスも同じ色合いでまとめる、木目調のカーポートならフェンスにも木の質感を取り入れるなど、トータルでコーディネートすれば、統一感が生まれます。
目隠しもエクステリアデザインの大切な要素のひとつ。
どこから見ても美しく、街並みにも調和するエクステリアに整えれば、隣同士が互いに気持ちよく暮らせることでしょう。
<リフォーム前>
<リフォーム後>

カーポートと目隠しが一体となった邸宅感のある空間(YKK AP エクステリア スタイル大賞2025年エクステリアリフォーム部門ブロンズスタイル賞/採用商品:ルシアス スクリーンフェンス/ジーポート Pro シリーズ/APW 430/ヴェナート D30/設計施工:ケイテック)https://www.k-ktech.info/
今回は、隣の家との目隠しのアイデアをYKK APエクステリア スタイル大賞の入賞作品からご紹介いたしました。目隠しは、視線を遮るはもちろんのこと、隣同士が心地よく暮らせる距離感をつくることが大切です。閉じすぎず、開きすぎないバランスを整えて、周囲に馴染む美しい外まわりを目指しましょう。
下記に、目隠しとして使いやすいフェンス「ルシアスシリーズ」の上手な取り入れ方をご紹介しています。参考にしてみてくださいね。
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著者プロフィール
Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー
長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中












