今年の夏も猛暑になると予想されています。気象庁は、最高気温が40度以上の日を新たに「酷暑日」と名付けました。暑い夏を乗り切るためには、エアコンに頼るだけでなく、庭や外まわりなども含めて対策をすることが必要です。
今回は、「今からできる暑さ対策!庭やエクステリアの工夫で家を涼しくする方法」を一級建築士がご紹介します。
目次
酷暑日とは?エアコンだけで暑さ対策をするのは難しい時代に

最高気温が40度以上の日を「酷暑日」と言います。
今年の夏も平年より気温が高く、猛暑が続くおそれがあるとのこと。
近年は、40度を超える気温が毎年のように観測されているため、2026年4月、気象庁は最高気温が40度以上の日の名称を「酷暑日」と定めました。
これまでもエアコンをフル稼働させているのに部屋が暑い、設定温度を下げても効きが悪く電気代が心配、そんな経験をお持ちの方も多いことでしょう。
実は、エアコンだけに頼って家を涼しくするのは難しく、大量のエネルギーが必要です。もちろん電気代も高くつきます。
大切なことは、エアコンが効きやすい環境づくりをしておくことです。中でも、庭やエクステリア、そして窓のつくりが室内の暑さに大きく影響していることを知っておきましょう。
夏の暑さの主な原因は、太陽からの日差しと蓄熱、対策方法は意外と単純

夏の暑さの主な原因は太陽からの日射熱。日射が地面や建物を温め、それらが空気を温めます。
暑さの主な原因は、太陽の日差しが運んでくる「日射熱」です。
夏の「日射熱」はとても強力。直射日光が当たった庭のテラスやウッドデッキ、手すり、エアコンの室外機、窓枠、外壁の表面温度は50度以上に達することもあります。そして、熱をたっぷりため込んだそれらは、太陽が陰った後も、巨大なヒーターの様に周囲へ熱を放出し続けます。
この日差しが室内に入り込めば、フローリングや家具、内壁などの温度も急上昇。これでは真夏に強力な床暖房やパネルヒーターをつけているようなものですから、エアコンで一生懸命空気を冷やしても、なかなか涼しくなりません。
それともうひとつ。家の中の快適性に大きく影響するのが窓の性能です。残念ながら、日本の家の窓は断熱性能(熱が伝わるのを防ぐ性能)が低いことが多く、そのままでは窓からどんどん外の暑さが入り込んできてしまいます。
こんな状態のままでエアコンをつけても暑いまま、電気代の無駄遣いになります。暑い夏を効率よく快適に過ごすために、まずはこれらの環境の見直しが必要になります。
酷暑日を乗り切ろう!今からでも間に合う、庭やエクステリアから始める夏の暑さ対策
それでは、酷暑日を乗り切る!今からでも間に合う、庭やエクステリアから始める夏の暑さ対策をご紹介します。
1.窓の外で日射を遮る

日差しを窓の外で6~8割カットするロールスクリーンタイプの外付け日よけ、洋風すだれ「アウターシェード」/YKK AP
まず、やっておきたいのが、夏の暑さの大きな原因となっている太陽の日射熱を遮ること。
窓の外側に日よけを取り付けて、家の中に日差しを入れないようにしましょう。窓まわりを日かげにして日射熱を遮るだけでも、室内の温度上昇を抑えることができます。
ポイントは窓の外側で窓全体をおおうように日陰を作ること。日射熱が室内に入る前にカットするのが、効率よく暑さ対策をするコツです。
手軽なのは、ロールスクリーンタイプの日よけシェードです。日差しの強い時だけ出してサッと日陰を作ることができます。
2.庭のヒートアイランドを防ぐ

窓やテラスに取り付ける可動式の外付け日よけ。左:洋風すだれ「アウターシェード」真ん中:オーニング「パラソリア」/YKK AP
庭のテラスやウッドデッキも、直射日光が当たれば表面温度が急上昇。夏の炎天下、テラスやベランダが暑すぎて一歩も出られない、そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
実際に表面温度を測ると、60度近くになっていることもあります。これでは、庭で小さなヒートアイランド現象が起きているようなもの。庭が暑いのはもちろん、室内の温度上昇の原因のひとつになっています。
対策はこちらも意外と単純で、シェードやオーニングでテラスを日陰にしておくこと。日差しを遮るだけでも、表面温度が20度以上も下がることがあります。
開閉式の日よけは、使わない時は収納しておけるため、四季がはっきりしている日本の気候で使いやすいアイテムです。
また、庭の作りにもひと工夫しましょう。人工物は表面温度が上がりやすく熱を溜めこみやすいのに対し、自然の植物は蒸散作用で温度上昇を抑える性質があります。植物を植えたプランターを並べる、グランドカバー植栽で地面を覆うなども効果があります。
3.エアコン室外機の環境を整える

エアコンの室外機の環境も室内の暑さや電気代に影響します。
エアコン効率を下げる意外な犯人が、室外機の環境の悪さです。
カバーで覆う、吹き出し口の前に物を置くなどによって空気の流れが妨げられていたり、室外機に直射日光が当たって熱くなり過ぎたりしていると、冷却効率が低下。室内の冷えが悪くなり、電気代がかさみます。
室外機の周りは風通しをよくしつつ、日射熱を防ぐよう植栽や「すだれ」などで日かげにしておきましょう。
4.窓の断熱性能を高める

窓の断熱効果を高め、室内を快適にしてくれる内窓「ウチリモ内窓」防音効果もあります/YKK AP
熱の出入りが大きい窓の対策も忘れないようにしましょう。
夏の暑さの多くは窓から入り込み、冬の暖かさの多くが窓から逃げ出しています。室内環境は窓の性能に大きく左右されるので、窓の性能を高めることが、1年を通じて快適に暮らす近道です。
おすすめは内窓の取り付けです。今ある窓の内側に樹脂製の窓を新たに取り付けて二重窓にすることで、外気温の影響を受けにくくなり、エアコンの効きもよくなります。
その際には、ガラスにもこだわりましょう。
日当たりのいい窓には遮熱性能を持つ「Low-E複層ガラス」を選んでおくと、室内に入り込んでくる強力な日射熱をカットしてくれます。
取り付けは1か所1時間程度と、とても手軽。マンションのように外部の工事が難しい場合にも向いています。
内窓は冬になると、窓際の寒さや結露を防いでくれるので、更に効果を実感できます。
現在、内窓工事は、条件を満たせば国から補助金が貰える(※)ので、今のうちに検討しておくといいでしょう。
※(住宅省エネ2026キャンペーン「先進的窓リノベ2026事業」※2026年5月)
https://www.ykkap.co.jp/consumer_business/satellite/law/subsidy2026/
環境を見直せば、エアコンを賢く使いながら涼しく過ごせる

「よしず」や「すだれ」、グリーンカーテンが設置しやすい、窓の上に取付けるアルミ製のバー「グリーンバー」/YKK AP
暑さ対策では、エアコンの設定や性能、また家の中の作りに目を向けがちですが、庭やエクステリア、そして窓が室内に与える影響は思うより大きいもの。エアコンに頼るだけでは、この暑い夏を乗り切るのはなかなか難しい時代です。
窓の外側で日差しをしっかり遮り、建物周囲の温度上昇を防ぎ、室外機まわりの環境も整える。また、室内側も内窓などで断熱を強化するといったように、エアコンの働きを助ける環境を整えるのが、効率のいい暑さ対策のポイントになります。
今年の夏は「酷暑日」も予想される暑い夏になりそうです。身近なところから少しずつ改善して、涼しく快適にお過ごしくださいね。
著者プロフィール
Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー
長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中











