庭をライトアップすれば、夜でも庭が楽しめるようになるのはもちろん、住空間を広げたり、防犯にも効果があったりと、様々なメリットがあります。今回は、昼だけでなく夜も庭を楽しむ!手軽でおしゃれなおすすめの演出法をご紹介します。
目次
庭をライトアップするメリットいろいろ!夜の庭も徹底的に楽しむ
庭は昼間だけのものではありません。ライトアップすることで新しい景色や様々な楽しみが生まれ、それ以外にも意外なメリットがあります。
窓越しに庭の風景が広がっていると、晴れ晴れとした開放感があり、とても気持ちがいいものです。でも夜になり真っ暗になってしまうと、その存在は消えてしまいます。そんな時、庭にほんのりとした灯りがひとつあれば、また新しい庭の表情を感じることができるようになります。
夜の庭は、昼間とはまた違って幻想的でとてもロマンチック。お花見や紅葉狩りでも、昼間に見る時と灯りの中で浮かび上がった姿では全くイメージが違い、夜だからこその美しさがありますよね。
庭のライトアップには他にも様々なメリットがあります。例えば庭を広く感じさせたリ、意外なところでは、庭が明るいと泥棒の姿が見えやすいので防犯にも効果があったり。もちろん、夜に庭に出て食事やお酒を楽しむ時も灯りがあれば、より一層ムードが高まります。
せっかくの我が家の庭を昼間にだけ楽しむのではもったいない!最近は、手軽に楽しめる屋外用の照明器具がありますので、上手に使って夜の庭をもっと楽しみましょう。
おすすめの演出法は?おしゃれに決めるなら間接照明のテクニックを
庭のライトアップは目的に合わせて計画を立てましょう。
おしゃれに演出したいなら、間接照明のテクニックを使うのがおすすめです。室内でも、部屋の天井に大きな照明器具をひとつ取り付けるスタイルは、全体を均一に明るくすることはできますが、平坦な印象になり、また四隅が暗くなるため部屋が狭く感じられます。
小さな照明で様々な部位を少しずつ照らす1室多灯スタイルなら、陰影が複雑になるので空間にメリハリが生まれます。
庭のライトアップの基本もこれと同じです。
例えば、床面をしっかりと明るくしたいのであれば、その場所を直接照らす照明が必要ですが、周囲は真っ暗になり、空間が平坦な印象になります。
両脇の塀や壁、草花を複数の灯りで少しずつ照らして浮かび上がらせれば、足元を優しく照らしながら、周囲に立体的な陰影が生まれ、おしゃれな雰囲気になります。
庭を広く見せたい場合は、複数の照明を使って、庭に奥行きが感じられるように配置するといいでしょう。小さな照明を複数使って光を分散させることで、空間に広がりが生まれます。
シンボルツリーがある場合は、それが際立つようにライトアップをしてみましょう。シンボルツリーは家族の大切な木。いつもとはちょっと違う夜の姿を、みんなで眺めるのも楽しそうです。
樹木を照らす際には、樹種や大きさ、葉の量によって照らし方が異なります。例えば、葉の生い茂った木は、真下から照らすと上の方まで光が届かないことがあります。逆に葉が少ない木を斜め下から照らすと、ご近所の外壁を照らすことになってしまうことも。
桜の花も枝ぶりによって照明の位置が異なるなど、テクニックが必要ですので、エクステリアの専門家に相談するといいでしょう。
庭で食事やお酒を楽しむなら、周囲の木や草をほんのりとライトアップすれば、より雰囲気が盛り上がります。また食事の際は、テーブルの上を一番明るくするのがポイント。テーブルの上には大き目のランタンを置くといいでしょう。
庭のライトアップの注意点、ソーラータイプなら電源不要
屋外用の照明を選ぶ際は、ソーラータイプなら電源は不要で、自分でも設置が可能です。ソーラー+人が通ると灯りがつく人感センサータイプなら、防犯に効果が期待できます。
設置方法も、地面に刺して使うタイプや持ち歩きができるタイプ、吊して使うタイプなど、様々な種類がありますので、我が家の庭に合わせて選びましょう。
注意点は、庭のライトアップで使用する照明器具は必ず屋外専用のタイプを使うことです。屋内タイプを、屋外で使用するのは漏電する可能性があり危険なのでやめましょう。またご近所の窓を照らしたり、眩し過ぎたりしないよう、明るさと照明の向きに注意を払って楽しみましょう。
狭い庭こそライトアップで存在感を、ウッドデッキは床面を照らして
狭い庭こそライトアップをすることで、存在感を出すことができるようになります。中庭や坪庭、玄関わきの小さな花壇などに、ひとつ灯りを加えれば、庭が際立ち、景色もすてきに変わります。
ウッドデッキを設ける場合は、床面を照らすように計画するのがおすすめです。ウッドデッキは、家の内から外への連続性を感じさせることで、内と外との繋がりを深め、部屋を広く感じさせる効果があります。
外が真っ暗だとその連続性が途切れてしまいますが、ウッドデッキの床面を照らせば、夜でも広がりを感じられるようになります。また密集地の場合は、低い位置を照らすのであれば、周囲への影響が少ないというメリットもあります。
夜にウッドデッキの上でくつろぎの時間を過ごす際も、足元に優しい灯りがあると、落ち着きある癒しの空間が作れます。その際は、テーブルの上にはキャンドルのような揺れる灯りを加えてみてください。更に癒し効果が高まることでしょう。
LED照明なら、ほとんど紫外線を出さないため、虫が集まりにくいというのも嬉しいところ。揺れる炎を再現したキャンドル型のLEDランプもあります。
庭のライトアップにはメリットがたくさんあります。照明を使ったおしゃれな演出で、夜の時間も我が家の庭を徹底的に楽しみましょう。
著者プロフィール
Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー
長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中