リウッドは木粉と樹脂が主原料。樹脂はポリプロピレンやポリエチレン、ABS樹脂など様々な種類があって、リウッドの種類によって使われているものが違います。樹脂を使っていてもノンホルムアルデヒドで健康に配慮されたリウッドもあります。表面の仕上げは天然木に近く、とても自然で高級感のあるものもありますが、様々な種類があるので実物を確認して選びたいですね。リウッドは天然木と比較すると長期間変色しにくく、腐りにくい、ささくれが無いなどの利点が多いです。そしてカラーバリエーションが豊富。シックな雰囲気に似合うカラーも増えてきています。どんなインテリアとも繋がるデッキ空間の実現が可能になってきました。
そんな近年人気のリウッドデッキ、今回はサイズの選び方をご紹介していきます。
リウッドデッキには規格サイズがあります。一番小さなサイズが約900mm x 1,800mm、タタミ一畳と同じくらい。庭を便利に活用するために室内と庭を繋ぐ役割として掃き出し窓の前に設置するなら十分なサイズです。企画サイズのものを自分たちに必要なサイズや形に加工することも可能です。でもリウッドデッキはプロに施工してもらうのが一般的。加工が増えるとコスト増につながります。コスト的なメリットを考えるなら規格サイズをそのまま設置するのが良いでしょう。デザイン重視なら台形や曲線加工も自在です。
では、我が家にぴったりのサイズはどうやって見つければいいのでしょう。ステップは3つ。
Step1.現状を把握する
まずは現在の状態を把握するところから。我が家の庭の広さを知らないと、ぴったりサイズは見つけられません。採寸したいところは、「庭の広さ」幅と奥行きを計測します。そして「建物の外壁ライン」を計測。次に「掃き出し窓の幅」の計測です。平面図を書いて数字を記入するとわかりやすいです。
Step2.庭での過ごし方を整理する
庭では、どんな過ごし方をしていますか?これから、どんな過ごし方をしたいと考えていますか?家族それぞれが庭でどんなふうに過ごせたらいいなーと思っているのか、みんなで過ごすならどんな感じかな?などイメージを膨らませてください。
例えばみんなでBBQをしたいなら、何人くらいを想定しますか?みんなは、どこに座りますか?BBQのコンロをデッキの上で使うのはお勧めできません。炭がデッキに落ちると火事につながる恐れがあります。コンロはデッキ下の土やテラスの上で使うと考えてください。Step.1で計測した広さを見ながら、たくさん椅子を並べるのかデッキをベンチ代わりに利用するのか想像してみて下さい。
例えば小さな子供達が遊べる庭なら、夏のプールはデッキの上で楽しむ?プールはどれくらいの大きさ?それより、走り回れる芝生スペースを広く確保したい?
例えば静かに本を読んで過ごしたいなら、どんな椅子を選びますか?くつろげる大きなリクライニングチェア?座り心地の良いソファ?それともチェアの横にテーブルを置いてドリンクやおやつを楽しみながらが良い?屋外用ファニチャーの種類は、とても充実してきていてインテリアと遜色ないオシャレなものがあたくさんあります。ファニチャー選びからスタートするのもひとつです。
庭での過ごし方は様々です。自分たち家族の心地よいスタイルを探してください。
Step3.デッキの必要サイズを見つける
現状を把握し、庭での過ごし方を整理できたら具体的なデッキサイズの検討に入りましょう。
Type1.大人数で集う時間を楽しむことを優先する。
たくさんの人が集う時、人数分のテーブルと椅子を用意するのは結構大変です。日常的に出しっぱなしにしておくと庭が雑多になるし、ファニチャーの劣化も進むので収納しておきたいところ。収納スペースも必要になります。そんな庭では、デッキを椅子がわりに利用するのがお勧めです。一番小さな900mmの奥行きがあれば椅子としてだけでなくコップやお皿を置くこともできます。部屋からの延長で靴を履かずに座っても良いので小さなお子様がいる時も便利。室内とデッキを行ったりきたりがスムーズです。
Type2.デッキの上で食事を楽しむ
デッキの上にデーブルと椅子を置いて食事をしながら楽しいひと時を過ごす。庭があるからこそ得られる豊かな時間を過ごすなら、何人で過ごすことを想定するかが重要になってきます。気に入ったテーブルと椅子を選んでサイズをチェックして無理なく収まるデッキサイズを見つけましょう。4人を想定して上記のサイズがあれば大丈夫と決まれば、リウッドデッキの規格サイズと比較します。今回なら奥行8尺(2,420mm)x間口2間(3,650mm)がちょうど良いサイズ。カット加工なしで設置できます。
Type3.日常は読書時間を過ごし、時々大人数で
大人数で過ごすときはType.1と同じ使い方ができて、日常は部屋から見ているのとは違う景色を眺めながら過ごせる設定。変形のデッキになっています。この形状の場合はカット加工が必要。奥行き6尺(1,800mm)+4尺(1,220mm)+3尺(900mm)の3種類の規格サイズを組み合わせて設置することになります。規格サイズを設置するだけの場合と比べてコスト高になってしまいますが、斜めに長いラインの生まれるデッキ形状は庭全体を広く感じさせる効果もあります。リウッドデッキは長持ちする素材。一度設置すると、やり変えることは無いと考えて良いと思います。そう考えると後悔しない形状・サイズを選びたいところです。
庭の活用時間を増やして、庭のある家に住んでいる価値をもっと堪能してください。家時間が楽しすぎて、イベント的なお出掛けの回数が減ってしまうかもしれませんよ。
注1)リウッドは再生木・人工木・樹脂木などとも呼ばれます。Y
注2)デッキの規格サイズはメーカーによって変わります。カタロ
著者プロフィール
冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)
個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。