今一度見直したい「いざという時」の備え、我が家の災害準備に「物置・ガレージ」の活用も。

令和6年は年明けから波乱のスタートとなりました。能登半島のニュースが流れるたびに心を痛めている人は少なくないでしょうが、そんな時にできることの一つが「我が家の防災準備の見直し」。今年の始めとなる今、いざという時のための備えは大丈夫かどうか、改めてチェックしてみましょう。

すぐに避難が必要!そんな時どんなものを持ち出せばいいか

今一度見直したい「いざという時」の備え、我が家の災害準備に「物置・ガレージ」の活用も。

地震や大雨、台風などで家に留まることが危険だと判断された時には、すぐに避難しなければいけません。

火事や津波がせまっているなど一刻を争う場合には身一つで飛び出さなければいけませんが、政府の呼びかけで公的な避難所に行くなど多少の猶予がある場合には、何を持ち出せばいいかかえって迷ってしまうかもしれません。

いざという時に慌てないよう、日頃から家族それぞれの持ち物をまとめておくといいでしょう。

非常用持ち出し袋といえば、一般に売られている銀色の袋をイメージする人は多いでしょうが、必ずしも市販のものでなくても大丈夫。

逃げる時に手がふさがってしまわないよう古いリュックなどに、避難のサポートとなるようなものや、命をつなぐためのものをつめておきます。

実際には、どんなものを用意すればよいのでしょうか。

内閣府のウェブサイトによれば、非常用持ち出し袋に入れておくべきものとして、以下のようなものが紹介されています。

  • 食品
  • 防災用ヘルメット・防災ずきん
  • 衣類・下着
  • レインウエア
  • 紐なしのズック靴
  • 懐中電灯(※手動充電式が便利)
  • 携帯ラジオ(※手動充電式が便利)
  • 予備電池・携帯充電器
  • マッチ・ろうそく
  • 救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬など)
  • 使い捨てカイロ
  • ブランケット
  • 軍手
  • 洗面用具
  • 歯ブラシ・歯磨き粉
  • タオル
  • ペン・ノート
  • マスク
  • 手指消毒用アルコール
  • 石けん・ハンドソープ
  • ウエットティッシュ
  • 体温計

その他、子どもや高齢者がいる家庭などは、年齢や状態に応じて必要なものを追加してください。

また、貴重品を持ち出す余裕がなかった場合に備えて少額の現金とともに、身分証明書となる免許証や保険証のコピーなどを入れておくのもおすすめです。

ただし、心配だからとなんでも入れてしまうと、重くて背負えなかったり、逃げる時に邪魔になってしまったりします。

あくまで「今すぐ必要となるもの」を厳選して入れておきましょう。

食料や水、生活用品は最低3日分を準備。その理由とは?

今一度見直したい「いざという時」の備え、我が家の災害準備に「物置・ガレージ」の活用も。

当面の危険が過ぎ去った後も、すぐに元の生活に戻れるとは限りません。

大きな災害が発生した後は、電気やガス、水道などライフラインが停止することが少なくありません。

また、物流が機能しなくなり、食料品が手に入らなくなる可能性もあります。

さらに、公的な支援物資はすぐに届かないかもしれません。

というのも、一般に災害発生後72時間を超えると救命率は大幅に下がるため、災害直後は人命救助や行方不明者の捜索などが優先されるからです。

そのため、無事だった人は支援物資がくるまでの期間、つまり最低3日間は自力で生き延びられることが求められます。

まず必要なのが「水」と「食べ物」の備蓄です。

最近では防災用として長期保存できる水などの飲料が販売されています。

非常食のラインナップも増え、一昔前に比べると味もずいぶん向上しているようです。

家族の人数や構成、生活スタイルに合わせて、3日間暮らすためにどんなものを備えておけばいいか、リストアップしてみましょう。

食べ物といえばご飯やパンなどお腹にたまるものに目がいきがちですが、おにぎりやパンなどの主食は比較的早めに支援されるため、むしろ副菜になるものを多めに備えておくと食欲が減るのを防ぐことができます。

特に野菜類は不足しがちになるため、ビタミンや繊維質が摂れるよう、野菜やフルーツの缶詰、乾燥野菜などもおすすめです。

また、チョコレートやようかん、ビスケットといったおやつも忘れずに。

糖分はエネルギー源になるだけでなく、気持ちを落ち着かせてくれます。

食事以外にも備えておきたいものがあります。

たとえばカセットコンロがあれば温かい食事が食べられるほか、顔を洗ったり体を拭いたりすることができるため、カセットボンベは少し多めに用意しておくといいでしょう。

紙皿や紙コップ、割りばし、サランラップなどは、水が使えない環境下で衛生を保つのに役に立ちます。

さらに、避難生活で困るのが何といってもトイレ。

停電や断水、下水道の破損などがおこれば水洗トイレは当然使えなくなりますが、だからといって我慢するというわけにはいきません。

防災用のトイレは凝固剤タイプや吸収シートタイプなどがあり、避難が長引くことも考えて、家族全員が一週間使えるくらいの量を持っておくと安心です。

何を備えるかだけでなくどこに置いておくかも大切。適しているのは?

今一度見直したい「いざという時」の備え、我が家の災害準備に「物置・ガレージ」の活用も。

「ルシアス」小型物置

何を準備するかも大切ですが、それらをどこに置いておくかということも考えなければいけません。

いますぐ使わないものに生活空間を圧迫されたくないという思いから、ついついクローゼットの奥や押し入れにしまい込まれがちですが、これではいざという時に手に取りにくいうえ、地震などで家が歪んだり家具が倒れてドアが開かなくなったりした時に取り出すことができません。

「非常用持ち出し袋」は必ず玄関や庭に通じる窓があるリビングなど、出入口の近くに置くこと。

コンテナに入れてウッドデッキやガレージなどに置いておいてもいいでしょう。

備蓄用の水や食品、生活用品などは同じくガレージでもよいのですが、家族が多いと備蓄品の量も多くなります。

庭に物置などを設置してそこにまとめておくのはどうでしょう。

公共の公園などに「防災倉庫」があるのを見たことがある人も多いと思いますが、まさに「我が家の防災倉庫」を庭につくっておくのです。

最近では食品や生活用品などを“消費しながら備える”ローリングストックが推奨されていますが、物置をストック庫にすると備蓄品が管理しやすいうえ、日々の生活スペースを広げることにもつながります。

災害はいつどこでおこるかわかりません。

自分や家族の安全を守るため、災害への備えは定期的に見直し、状況に応じてアップデートしておきましょう。

※記事内容は執筆時点のものであり、予告なく変更される場合があります。最新情報をご確認ください。