商業施設やテーマパークで、クリスマスイルミネーションが点灯される季節になりました。欧米ではクリスマスに向けて自宅をきらびやかにデコレーションする習慣がありますが、最近では日本でもイルミネーションを楽しむお宅が増えています。今年は、お庭を素敵に飾り付けてみませんか?
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世界で初めて電飾クリスマスイルミネーションを飾ったエジソン
欧米で人気のクリスマスイルミネーションですが、その始まりはドイツにあると言われています。宗教改革で知られるマルティン・ルターが、クリスマス・イブの夜、ミサの帰りに森を歩いていると、常緑樹の中に夜空の星々が美しく輝いていました。その光景に感動したルターが子供たちのために再現したいと、自宅にモミの木を持ち込んで周りにロウソクを飾ったのだそうです。
その後、アメリカに移住したドイツ系移民がクリスマスの風習としてクリスマスツリーを伝えました。明かりはいつしかロウソクから電球に代わりましたが、なんと初めて電球でイルミネーションを演出したのが、あの発明王エジソン。数年後、エジソンのビジネスパートナーが自宅に設置したクリスマスツリーを電球で飾り付けたことをきっかけに、電球によるクリスマスイルミネーションはアメリカ各地に広がり、裕福なアメリカ人がこぞって高い電球を買い求めて、自宅を飾り立てました。
ちなみに、日本でいち早くクリスマスイルミネーションを始めたのは、輸入品などを取り扱っていた明治屋。1900年(明治33年)のことです。しかし、宗教的背景や家屋の特徴の違いなどもあり、日本ではなかなか自宅へのイルミネーション装飾は行われませんでした。
今、再び自宅イルミネーションが注目されている理由
実は、日本でも自宅イルミネーションがブームになりかけたことがあります。自治体主体のコンテストが各地で開かれ、アメリカほど豪華ではないものの、家々が競いあうように工夫をこらしたデコレーションを披露していました。しかし、ブームが加熱するにつれてコストがふくらみ、維持が難しいことを理由に設置する家庭はだんだん減っていきました。
その後LEDの普及により電気代が負担にならない商品が増えたこと、また、海外からバラエティ豊かな商品が多く輸入されるにつれて、ここ数年再び注目を浴びているのです。
クリスマスイルミネーションは、家の前を通る人にクリスマス気分を味わってもらえるのはもちろん、この時期に家を訪れる人のおもてなしにもなります。さらに、帰宅するのが楽しくなるという効果もあります。
イルミネーションライトに使うライトは、ホームセンターやネットショップなどで購入できます。アクセントになる小さいものなら、100円ショップでも入手可能。まずは気軽な気持ちで始めてみませんか?
ライトの種類は豊富!どう組み合わせるかはセンス次第
クリスマスイルミネーションに使われるライトには以下のような商品があります。
ストレートライト
もっとも手軽に設置できるのが、ストレートライト。コードに沿って一定間隔にLED電球が並んでいるもので、庭木やフェンスに巻き付けたり結束バンドなどで固定して使います。
つららライト
つららのように一本のコードからLED電球のついた短いコードが垂れ下がっているもので、建物の軒先やベランダから垂らすと、ゴージャスな雰囲気が演出できます。
モチーフライト
サンタやトナカイ、スノーマンなどのモチーフが形どられたLED電球です。平面状のものは外壁や玄関ドアなどに掛け、立体になっているものは庭や玄関前などに置いて飾ります。
チューブライト
折り曲げて好きな形が作れるチューブライトは、屋根や玄関アプローチをキャンバスのように見立てて絵を描くように飾ります。
カーテンライト
屋根や外壁、フェンスなどに設置すると、シャワーのように降り注ぐ光が楽しめます。掃き出し窓などの内側に設置して、カーテン越しにやわらかな光を見せるという演出もあります。
ドレープライト
一方の端を屋根やベランダに固定し、もう一方の端を裾広がりになるように固定すれば、大きなクリスマスツリーの出来上がりです。星型のモチーフライトが付いている商品もあります。
購入する際は、必ず屋外用と明記されているものを購入してください。また、併せて延長コードを購入する際は防水のものを選ぶようにしましょう。
費用が心配! そんな人にぴったりなLEDイルミネーション
お財布の心配をせずにクリスマスイルミネーションを楽しみたいなら、必ずLEDタイプのライトものを選んでください。また、点滅時には電力がより消費されるため、切り替え型のものなら点灯モードにしておくか、常点型(点滅しないもの)の商品を選ぶといいでしょう。
最近増えているソーラー充電式の商品なら、昼間晴れている日が続けば、電気代はかかりません。ちなみに、ソーラー充電式のライトの光が弱くなってきた時は、ソーラーバッテリーの中の電池を交換すれば、明るさが復活します。ソーラーバッテリー用の電池は、専門のものがホームセンターなどで販売されています。
イルミネーションをずっと楽しむために気を付けたいこと
クリスマスが近づいてくるワクワクした気分が感じられるイルミネーションは、街に活気が出る反面、トラブルにつながるケースもなくはありません。
トラブルの代表的なものが、夜遅くまで明かりがついていて眠れないという苦情です。アメリカのような広大な庭があるならよいのですが、日本、特に都市部の住宅街では、隣家との距離が近いことが少なくありません。夜遅くまで煌々と明かりがついていたり、カラフルなライトがチカチカと点滅していたら、日常生活に支障をきたしてしまいます。近所の家族構成などに気を配り、部屋の電気が消え始めるぐらいの時間にはイルミネーションのスイッチを切るようにしましょう。
見物客による騒音もトラブルの原因となります。センスよく飾り付けられた家は、町内はもちろん遠くから見物客が来ることもめずらしくありません。“インスタで映える”写真を撮るために、大勢で長時間道をふさいでしまうということも増えているようです。一度や二度ではなく、何日も続くようであれば、その年のイルミネーションは撤収したほうが良さそうです。
家族はもちろん、近所の人にも毎年この時期を楽しんでもらうイルミネーションにするために、最低限のマナーには気を配りましょう。
イルミネーションをセンス良く飾るポイントは?
上手にイルミネーションを飾るためには、お庭全体をデザインする視点を持つことが大切です。面倒でも一度下絵を描き、それに沿って設置するとよいでしょう。とはいえ、そこまで本格的にするのはちょっと…というなら、玄関前、ベランダだけ、などポイントを決めて飾り付けると、間の抜けた感じにならずに済みます。
配色に気を配ると、センスよく見せることができます。どの種類のライトにもたいてい白色、青色、電球色、青・緑・赤などのカラー、そしてカラーミックスなどの種類があります。シックで上品に見せるには、色味を統一したり、単色ものを2色ぐらい使うとよいでしょう。逆に、元気でポップな感じに仕上げたければ、カラーミックスのものを思い切って使いましょう。