昨今は、自宅に侵入しての強盗など、犯罪ニュースも多く、防犯やセキュリティ意識の高まりから塀を高くしたい方も増えているようです。では、すでに自宅に設けてあるブロック塀にフェンスを後付けすることはできるでしょうか?
結論からいうと、既存のブロック塀にフェンスを後付けすることは可能です。ただし、塀の状態(高さ・劣化具合・構造)によって適用できる工法が異なり、建築基準法上の高さ制限にも注意が必要です。本記事では、代表的な3つの後付け方法や費用の目安、DIYでの対応可否、後悔しないポイントまで詳しく解説します。
目次
後付け前に、ブロック塀の安全性チェックを

フェンスを後付けする方法を検討する前に、今あるブロック塀自体が安全な状態かどうかを確認しておくことが大切です。国土交通省は、塀の高さ・厚み・控え壁の有無・基礎の有無・傾きやひび割れ・内部鉄筋の状態など、複数のチェックポイントを示しています。
塀の所有者には、これらを点検し、危険性がある場合は速やかに補修などの対応を行う責任があります。特に内部鉄筋の有無は専用の探査機による確認が必要なため、心配な点がある場合は専門家に相談しましょう。点検の結果、塀自体の強度に不安がある場合は、フェンスの後付けよりも、塀を撤去してアルミ形材フェンスなどに造り替える方法が適していることもあります。
現在のブロック塀に新しくフェンスを後付けする、3つの方法
現在あるブロック塀に新たに、フェンスを後付けする方法は大きく3つあります。後付けができる条件も含めて詳しく確認していきましょう。
1.ブロック塀に穴を開けてフェンスを設置する方法
一つひとつのブロックは上下に穴があいていますが、塀の上部はモルタルなどですき間を埋めていて穴があいていないので、「フェンスの柱を入れることができないのでは?」と思ってしまいがちです。しかし施工店は「コア抜き」という技術を使ってフェンスを設置しますので、心配しなくても大丈夫です。
「コア抜き」というのは、専用の機器を使ってフェンスの柱を建てる位置に穴を開ける作業のこと。先端にはダイヤモンドヘッドが取り付けられているため、ブロック塀はもちろん鉄筋も切断できます。ただし、「コア抜き」は1箇所ずつ行うので、長いフェンスを取り付ける際には「コア抜き」作業だけで相応の時間がかかります。
ブロック塀の強度が十分にあり、既存の塀を活かしたまま高さを確保したい方に向いている方法です。
2.ブロックを積み増す方法
ブロック塀が低い場合はブロックを積み増し、その上にフェンスを設置することもできます。積み増す際にフェンスの柱を入れますので、「コア抜き」をする必要がありません。費用も時間も抑えながら安全に設置できます。
もともとの塀が低く、コストと工期を抑えて後付けしたい方に適した方法です。
3.ブロック塀のそばにフェンスを設置する方法
ブロック塀の上にフェンスを設置できない場合は、ブロック塀の内側か外側にフェンスを設置する方法もあります。この場合は既存のブロック塀に手を加えずに済み、フェンス選びの選択肢の制約が少なくなります。ただし、ブロック塀の内側にしか設置できない場合も多く、敷地も狭くなってしまいます。
ブロック塀自体に手を加えたくない、または塀の劣化が気になる方に向いている方法です。
ブロック塀に後付けできるフェンスの種類は?
ブロック塀には、どのようなフェンスを後付けできるでしょうか。
さまざまな種類のフェンスを選べる
ブロック塀の上に設けるフェンスにはさまざまな種類があります。代表的な、以下の3つをご紹介します。
- メッシュフェンス
- アルミフェンス
- 鋳物フェンス
これらをはじめ、家や庭の雰囲気にあわせて好みのフェンスを選びましょう。
高さ制限などの条件によって、選ぶフェンスが変わります
ブロック塀の上にフェンスを設ける場合は、高さの制限に注意する必要があります。建築基準法上、ブロック塀単体の高さは2.2メートル以下と定められており、1.2メートルを超える場合は控え壁の設置が必要です。フェンス自体の高さについては明確な法令上の規定はありませんが、安全性の観点から、ブロックとフェンスを合わせた高さが2.2メートルを超えないよう設計するのが実務上の一般的な目安です。また、以下の条件によっても実際に選べる高さは変わります。
- 設置されているブロックの種類(化粧ブロック、空洞ブロック、型枠ブロックなど)
- フェンスの縦板や横板で空間が塞がれる面積の比率
例えば、既存のブロック塀がすでに1.2メートルの高さギリギリまで積まれている場合、その上にフェンスを追加すると合計高さが2.2メートルを超えてしまい、建築基準法違反となるケースがあります。後付け前に必ず現状の塀の高さを実測し、施工店に確認してもらいましょう。
フェンスのすき間が少ないと風圧を受けやすいため、高い塀を設けにくくなります。化粧ブロックや空洞ブロックの場合は、次のどちらかを選ばなければならないことがあります。
- 目隠しフェンスを設置する代わりに、全体の高さを抑える
- フェンスの高さを確保する代わりに、メッシュフェンスなど風圧を受けにくいフェンスを選ぶ
適切なフェンスを選ぶためには、エクステリア専門の施工店に相談してみましょう。
ブロック塀にフェンスを後付けする、費用の目安
ブロック塀にフェンスを後付けする場合にかかる費用は次の通りです。
- フェンスそのものの費用(1メートル当たり数千円から10万円程度が多い)
- フェンスの設置費用(1メートル当たり5,000円から25,000円程度)
- コア抜きを行う場合は、コア抜き費用(1箇所当たり3,000円から8,000円程度)
施工方法別の費用目安は以下の通りです。
| 施工方法 | 費用目安(1メートルあたり) | 工期目安 |
|---|---|---|
| コア抜き | 12,000円〜30,000円程度 | やや長め |
| ブロック積み増し | 8,000円〜20,000円程度 | 短め |
| そばに設置 | 5,000円〜15,000円程度 | 短め |
※フェンス本体・付帯工事により変動するため、あくまで目安です。
フェンスそのものの金額は安くても、工事費を加えると数十万円になることもあります。複数の施工店から提案や見積りを取り、工事内容も含めてよく比較検討するのがおすすめです。
ブロック塀へのフェンス後付けは、DIYでもできる?
費用をかけてエクステリア専門の施工店に依頼するのではなく、自分でDIYしてみようと考える方もいるかもしれませんね。ブロック塀の後ろにラティスを設ける程度であれば、DIYでも問題ありません。
しかし、ブロック塀に手を加える場合には専門業者に依頼したほうがいいでしょう。上記した「コア抜き」を行うには専用の機器が必要で、慎重に作業を進めないとブロックを割ってしまうリスクもあるので、熟練の技術者でなければ難しいといえます。また、適切に工事を行わないとフェンスが倒壊し、通行人や近隣の住民、家族などがケガをすることもあるので大変危険です。DIYでチャレンジしてうまくいかなくなってから業者に依頼すると、余計に費用がかかってしまうことになりかねません。安全なフェンスを確実に施工したいなら、専門業者に依頼するのが一番です。
実際に、DIYで「コア抜き」を試みた際にブロックにヒビが入り、結果的に塀全体の補修が必要になったケースも報告されています。塀の内部鉄筋の位置を正確に把握しないまま穴を開けると、強度が大きく損なわれる恐れがあるため注意が必要です。
全国のMADOショップの施工事例を見ても、ブロック塀からフェンスへのリフォームは「塀が傾いている」「ひび割れている」「地震で倒壊しないか心配」といった理由から、解体・撤去を含む本格的な工事として専門業者に依頼されるケースがほとんどです。単にフェンスを取り付けるだけでなく、既存ブロックの状態を見極めたうえで「どこまで撤去するか」「基礎をどう補強するか」を判断する必要があるため、素人判断でのDIYには限界があります。ブロック塀まわりのリフォーム事例をもっと見てみたい方は、MADOショップの施工事例一覧も参考になります。
フェンスの後付けで後悔しないための、3つのポイント
ブロック塀にフェンスを後付けする際には、次のポイントを押さえてください。
工事内容も含めて詳細な見積もりを取ろう
ブロック塀にフェンスを後付けする工法はいくつかあり、費用や施工日数、見映えが変わります。複数の施工店から見積りを取るのなら、費用だけでなく、提案を含めた工事内容や出来上がり後の見映えの違いにも注意して、疑問点があれば説明してもらいましょう。あせらずじっくり検討して、納得できる、我が家の外構・エクステリアを実現しましょう。
フェンス設置後の日当たりや風通しも要チェック
フェンスを設置することによって敷地内の環境が変わる場合があることにも注意が必要です。特に目隠しフェンスを設けた場合は、以下のような不都合が起こることもあります。
- 日当たりが悪くなり、例えば、庭に干した洗濯物がなかなか乾かない
- カビやコケが生えやすくなった
- 風通しが悪くなり、空気がよどむ感じがする
設置した後の日当たりや風通しはどうなるか、施工店からよく説明を受けてください。日当たり対策なら半透明のフェンス、風通し対策ならルーバーフェンスを選ぶのもおすすめです。YKK APのラインナップにはどちらの製品もあります。
近隣への配慮も忘れずに
ブロック塀にフェンスを後付けすると、たいていの場合は塀の高さがかなり高くなります。近隣に次のような印象を与えることもあるため、ご近所付き合いへの影響も注意しましょう。
- 見通しや日当たり、風通しが悪くなった
- 目の前が壁となり、圧迫感を感じる
フェンスを選ぶ際には、近隣への思いやりも意識するのがいいでしょう。本格的な工事を行う前にお隣に話をしておくことをおすすめします。
施工店選びも慎重に
ブロック塀への施工実績が豊富な業者かどうかも重要な判断材料です。過去の施工事例や口コミを確認し、可能であれば現地調査のうえで我が家の状況にあった提案や詳細な見積もりを提示してくれる施工店を選びましょう。
エクステリア専門の施工店とよく相談して、理想のフェンスを後付けしよう
ブロック塀に後からフェンスを設置することは可能ですが、最適な方法はブロック塀の状況によって異なります。また、高さ制限の法令にも注意する必要があります。専門的な機器を用いる工事も伴うため、DIYで後付けすることは難しいでしょう。安心できる工事でフェンスを設置して快適に暮らすためには、外構工事に実績ある施工店に依頼するのがおすすめです。希望する外構・エクステリアになるよう、エクステリア専門の施工店とよく相談して決めましょう。











