お家の手入れ、DIYとプロに任せる、どっちがいいの?

自分の住まいの周りを整える。毎日を心地よく暮らすために、家での時間を楽しめるように、家族みんなが一番安らげる拠り所になるように。我が家は生活の中心。生活スタイルが大きく変わっていきそうな気配を感じる時だからこそ、家での過ごし方を見直して住まいに手を入れていくことを考える良い機会なのではないでしょうか。

近年では、庭や外構、インテリアにとどまらず家のリフォームまでもプロに頼らずコツコツとDIYする人が増えています。DIYだから可能なことがあり、プロに頼むからこそ実現することもあります。どんな違いがあるのでしょう。今回は外構・庭づくりについて、1.デザイン・計画、2.素材選び、3.メンテナンス、の三つの視点で考えてみたいと思います。

1.デザイン・計画

毎日のちょっとした不便や不満、どこで何をしたいか、足りないものは何なのか。それは、そこに住まう家族が一番わかっていることのはず。そのひとつひとつを順に解決策を調べて考え解決していく。作業の方法はネット検索すればHow toサイトが教えてくれます。How toサイトの存在がDIYを身近にした大きな理由のひとつですね。

ひとつずつ順にではなく、いま見えている問題点を全てピックアップして計画的に長期的に計画を練って進めていく場合、広さや作業ボリュームによっては年単位の時間がかかることもあるでしょう。それぞれの作業の順番を考えることも重要になってきます。これら一連の工程や方法を考えることが得意な人、楽しんで面白がれる人はDIYに向いています。

一方、漠然とした不満や不安、やりたい事や見ていたい景色はあるけれど、どのように解決したら良いかわからない。という人にDIYは難しいです。

お家の手入れ、DIYとプロに任せる、どっちがいいの?

プロに依頼すると住まい手の抱える不満や不便を解決するだけでなく、気づいていない問題点を見つけ、それも含めたデザインを検討できることが大きな利点です。専門家は多くの家族の住まいの問題を解決し続けているので経験からくる情報をたくさん持っています。これから生まれる可能性のある不満や不便に気づくことができ、思っていたよりも、ずっと満足感の高い空間づくりに繋がります。

DIYは見えていることをひとつずつ解決していく、プロは未来も予測して見えていないことも合わせて解決していくというのが大きく違う点です。

2.素材選び

プロが作業を請け負うとき、デザイン・計画から工事着手までの期間は短くて数週間、長ければ数ヶ月ということも珍しくありません。工事のタイミングで提案時の素材が確実に手に入ることは重要です。そう考えると業者向けのカタログに掲載されている商品など大量生産材料が安心です。タイルや石材などの仕上材から金具などの小さなパーツまで様々なカタログを広げ比較検討し提案しています。商品知識が豊富なので好みだけでなくコストにも合わせて、様々な素材を選んでいくことができます。確実に仕事を依頼されるとわかっていなければ一点物アイテムを提案することは難しいのです。

DIYなら、アンティークショップやリサイクルショップ、ハンドメイドショップなどで素敵なパーツを見つけて利用していくことができます。より個性的でオリジナル性の高い雰囲気に仕上げていけそうです。納得のいく素材が見つからなければ、その部分は一旦保留なんてことも可能。作るという作業だけでなく、探す・見つけるという楽しみはDIYならではですね。

お家の手入れ、DIYとプロに任せる、どっちがいいの?

3.メンテナンス

プロに工事を依頼した場合、住まう人が出かけている間に作業は進み新しい空間が出来上がっていきます。ウッドデッキの基礎はどうなっているのか、立水栓の水はどこからきているのか、扉はどうやって取り付けるのか・・・どんな方法で作られているのか知ることはできません。構造はわからなくてもプロの技術で作られているので、仕上がりは満足できるものになるでしょう。

DIYでは仕組みを全て自分で理解し完成させるという経験をすることになります。自分で全て作ったのだから、不具合が出たとき壊れたときに自分で補修できてしまいます。ここ、とても大きな違いです。作られたものは経年変化で劣化するし思いがけない衝撃が加わり壊れることもあります。屋外だし日常で使う場所なので、いつまでも新品のままということはあり得ない。手を入れなければならなくなったとき、その都度プロにお願いすることなく自分でメンテナンスできる。それは気持ちの負担がとても軽減されることなのではないでしょうか。私の感覚では、とても身軽になる感じ。いつでも手を加えられるので完成時に100%でなくても許せるのです。おおらかにもなれますね。

 

さて、3点を比べてみました。あなたはどちらを選びますか?

注意しなければいけないのは、ブロック積みなど構造的な強度が必要な部分や電気工事など危険が伴うので資格を持っていないとできない工事があると言うこと。DIYかプロに任せるかのどちらかではなく、プロに任せる部分とDIYする部分を上手に区分けするのも現実的な方法だと思います。

お家の手入れ、DIYとプロに任せる、どっちがいいの?

イメージ別 門扉・フェンス・素材 の選び方

2019.11.30

 

著者プロフィール

お家の手入れ、DIYとプロに任せる、どっちがいいの?

冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)

個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。

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