みなさんのお宅に「とりあえず」で設置したウッドデッキはありませんか?家を新築する時って…『建物の間取りや外観、内装の仕様決めなどで頭がいっぱいだぁ。お庭を考えるのは後回しにしよう。でもウッドデッキはきっと使うだろうから設置しておこう!』なんてことになりがちです。
だけど、用途や目的をしっかりと考えずに作ったウッドデッキは意外と使いづらいもの。テーブルセットを置こうにもサイズが小さすぎたり、洗濯物を干そうと思っても雨除けができなかったりして、活用したくてもできないというお話しをよく聞きます。
今回のブログでは、後付けできるアイテムを使って既存のウッドデッキをもっと使える空間にするアイデアをご紹介!今あるウッドデッキを有効活用して、楽しく、心地よいガーデンライフを過ごしてみませんか?
1. とりあえず設置したウッドデッキ…
リビング・ダイニングからの掃き出し窓に「とりあえず」設置したウッドデッキ。
ウッドデッキはサッシ下ぎりぎりまで高さを上げることができ、まるで室内の床面が広がったように使えるのがメリットのひとつ。
でも下のイメージ図のように、外から見ると地面からは50センチ近く上がっていて、まるでステージのような状態なんです。
また、隣地との境界には目隠しが無いため外からの視線も気になりそうです。
夏の日差しや雨を遮るものも無く、どう見ても積極的に使えるウッドデッキとは言えません。
このような「とりあえず」ウッドデッキ、どのようにすれば居心地よく活用できる空間になるでしょうか…。
2. ウッドデッキを使える空間にする後付けアイテムとアイデア
ここからは、既存のウッドデッキをより使える空間にする為の後付けアイテムやアイデアをご紹介します。
ウッドデッキを含む庭空間全体に様々な工夫を凝らすことで、快適に過ごせる空間にしていきましょう!
① 目隠しでプライバシーの確保をしよう
ウッドデッキで過ごす場合だけでなく、室内でリラックスして過ごす為にもプライバシーの確保は必須です。
境界に沿ってフェンスやウォールなどで目隠しを設置することで安心感を得ることができますし、お庭の背景ができることで内側の植栽やガーデンファニチャーが際立ちます。
目隠しを設置する場合は、自分がどの位置にいるときにどこからの目線を遮りたいのかを明確にすることが大切です。
ウッドデッキの上に立った状態で過ごすことが多いのか、椅子もしくはウッドデッキに直に座ることが多いのかなど、具体的な情景をイメージし目隠しの高さを決定するようにしましょう。
目隠しはウッドデッキの上に後付けすることも可能です。
高い位置からの目線を気にされる場合やデザイン的に区切りが欲しい場合などは写真のようなハイパーティションをおすすめします。
横桟のデザインによって目隠しの具合も様々ですし、選ぶカラーによっても受ける印象が変わります。
目隠しフェンスはその性質上、どうしても面積が大きいために庭空間全体の印象を左右するといっても過言ではありません。
その分、目隠しのセレクトは慎重に行う必要があります。
② 日除けや雨除けのための屋根を付けよう
日当たりの良いウッドデッキで洗濯物を干したいとお考えであれば、屋根の設置はマスト。
日本の年間降水日数は100日程度ですので、1年のほぼ3分の1は雨が降っていることになります。
屋根を設置することで雨を避けることのできる軒下空間が生まれ、ウッドデッキを活用できる時間が長くなりますね。
もう1点気を付けたいのが、夏場のウッドデッキの表面温度。直射日光が当たっているとかなりの熱さになります。
春に心地よく使えていたデッキが秋までおあずけ…なんて事態は避けたいものですよね。
夏の日除けにおすすめしたいのが、後付けできる屋根のオプション品である日除けカーテンやオーニングです。
どちらも出したり引っ込めたりが可能ですので、季節や時間帯に応じた使い方ができるのが良いところ。
部屋に隣接したウッドデッキに日除けを付けることで、室内に差し込む日差しを遮ることができ、
室内の温度上昇を軽減できるというメリットもありますよ。
③ ライティングで空間をワンランクアップさせよう
ウッドデッキの活用というと、日中に子供たちやペットと過ごすというイメージを一番に思い浮かべますよね。
でもライティングを上手に取り入れることでウッドデッキの使用可能時間が夕方から夜までと長くなり、活用の幅も広がるんです。
ライティングには上の写真左側のように、デッキの段差の下に隠すように設置する『間接照明』と
右側写真のように光源が直接目に入る『直接照明』の2パターンがあります。
これらを組み合わせることが、夜のウッドデッキ空間を雰囲気良く演出するコツ。
また、最近では、デザイン性の高い充電式のポータブルライトで外部空間でも使用できるものが多く販売されています。
部屋で夕飯を食べた後に、飲み物とポータブルライトだけを持ってウッドデッキでリラックスタイム…。夢が広がりますよね!
④ タイルテラスで段差や狭さを解消できます
とりあえず設置したウッドデッキは、いざ使おうと思っても大きさが用途に合っていないことも。
それに加え、部屋からウッドデッキへはスムーズに出られても、ウッドデッキからお庭へは階段がないと下りることができないという場合も多いです。
そのような場合におすすめしたいのが、形や大きさを自由にアレンジできるタイルテラスの増設です。
上のイメージ図を見ていただければ、手狭だったウッドデッキに広がりが生まれ、階段が設置されたことにより部屋と庭のつながりもスムーズになっていることがお分かりいただけると思います。
また、ウッドデッキとタイルという素材の組み合わせから、デザインに複雑性が生まれオシャレな雰囲気も出ていますよね。
⑤ 植物を組み合わせる
ウッドデッキは天然木製であっても樹脂製であっても、それ自体の持つ雰囲気が植物とよく馴染みます。
また、ウッドデッキに沿わせて落葉樹を植えることで、夏場は木陰ができて日差しをカットできますし、冬は葉を落とすので優しい光を取り込むことができるという効果もあります。
なんといっても、イメージ図を見ていただければわかる通り、植物を組み合わせることで一気に庭らしい雰囲気になるんですよね。
グリーンを身近に感じることで、ウッドデッキで過ごす時間が家族にとってより心地よいものになるはずです。
3. 今あるウッドデッキにプラスワンで使い道を広げよう!
今あるウッドデッキの使い道が広がるプラスワンアイテムをご紹介させていただきました。
どれかピンと来るようなアイデアはありましたか?もしも「これ、やってみたい!」というアイデアがあれば、一旦立ち止まって深呼吸。
今のウッドデッキで困っていることや、こうなればいいのにと思っていたことが叶えられそうかどうかを慎重に検討してみてくださいね。
「とりあえず」ウッドデッキに「とりあえず」アイテムを後付けしてしまっては元も子もありません。
部屋のウチとソトをつなぐ空間として大切な存在のウッドデッキ。今回ご紹介したアイデアが日々のお悩みを解決し、ご家族が快適なガーデンライフを過ごせるようになることを願っています。
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著者プロフィール
山岡由佳 クラスデザイン代表
二級造園施工管理技士、一級エクステリアプランナー
京都府立大学 人間環境学部 環境デザイン学科を卒業後、E&Gアカデミーにてエクステリアとガーデンを専門的に学ぶ。 エクステリアとお庭の専門店にて15年、ランドスケープデザイン設計事務所にて2年の実績と経験を積み、 2020年に独立し「cras design(クラスデザイン)」を設立。 個人宅向けの外構造園設計や施工店への作図サービスを中心にSNS運用サポートやブログ執筆サービスも行っており、 様々な視点から役立つ情報をお届けしています。