カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

新築時の予算などの問題でカーポートを付けなかった方もいるかもしれません。また、後から車を購入した家庭もあるでしょう。そんな方に向けて、カーポートを後付けする場合のカーポートの選び方や設置場や施工店に発注する際の注意すべきことをまとめて解説します。

後付けするカーポートを選ぶときの注意

後付けするカーポートを選ぶ際には次のようなポイントを押さえましょう。

後付けするカーポートの選び方① 建ぺい率の制限を受けない製品を選ぶ

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

カーポートは屋根と柱のみの構造物ですが、法令上は「建築物」とみなされて建ぺい率に含まれる場合があります。つまりカーポートを後付けすることによって建ぺい率がオーバーしてしまう可能性があるのです。ただし自治体によって緩和条件がある場合も。例えば次のような条件を満たすカーポートは建ぺい率に含まれない地域もあります。

  • 天井の高さ1m以上
  • 外壁がない部分が連続して4m以上
  • 柱の間隔が2m以上
  • 1階建てであること

事前にお住まいの自治体に確認し、条件に合致するカーポートを選びましょう。

後付けするカーポートの選び方➁ 台風や大雪にも耐えられる製品を選ぶ

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

カーポートは雨風や埃などから愛車を守ってくれる設備ですが、台風が多い地域や雪がよく降る地域などは破損したり倒壊したりすることもあります。お住まいの地域に考慮して、強度の高い両側支持タイプなど、悪天候にも耐えられる製品を選びましょう。

後付けするカーポートの選び方③ 車から乗り降りしやすい製品を選ぶ

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

カーポートには屋根を支える柱がありますが、玄関や階段の前に柱が来てしまうと、出入りしにくくなります。また車のドアの前に柱があると、ドアを開けられなくなったり、乗り降りしにくくなったりもします。そんな場合でも、片側支持タイプのカーポートなら柱をフェンスや塀に寄せられるので、乗り降りがしやすくなります。

後付けするカーポートの選び方④ 家や庭の雰囲気とあわせる

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

家の新築時にカーポートを設置する場合は、家屋や庭との調和も考えて工務店などに依頼することになりますが、後からカーポートを設置する場合は、カーポートだけ気になり、そこまで気が回らないこともあるでしょう。カーポートごしに家を見た際に「カーポートだけ浮いて見える」といったようなことにならないように、家や庭の雰囲気を考慮して製品を選びましょう。

カーポートを後付け設置する場所の注意

カーポートを後付け設置する場所を決めるときは、次のようなポイントを押さえましょう。

カーポートを後付け設置する場所の決め方① 車の出し入れが円滑にできる場所を選んで設置する

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

まず考えなければいけないのが、車がスムーズに出し入れできるかどうか。駐車スペースの面積や道路との位置関係にもよりますが、多くの場合は、道路と直角か、並行する位置にカーポートを設置することになるでしょう。「複雑な運転操作をしないと敷地から車を出せない」ような位置にカーポートを設置すると、車の出し入れがおっくうになるだけでなく、事故につながることも。家の前の道路幅が狭く、車を出し入れしにくい場合には、道路に面した場所のスペースを斜めに切り取って広げる「隅切り」を行うといいでしょう。

カーポートを後付け設置する場所の決め方➁ 家屋に近づけ過ぎない

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

カーポートのメリットのひとつは、雨や雪の日でも濡れずに車に乗り込めることですが、家屋に近づけすぎると、危険です。多くのカーポートはアルミでできていますが、建物は木造、鉄骨造、コンクリート造など構造が異なりますので、地震や台風、強風時の際の揺れ方や力の伝わり方もそれぞれ異なり、何の対策もしないで繋いでしまうと、揺れた時につなぎ目が破断したり、構造部が破損したりしてしまう恐れがあるからです。また積雪の多い地域では、家の屋根の真下にカーポートがあると、重い雪がカーポートの屋根を直撃して破損させてしまうことがあります。

カーポートを後付け設置する場所の決め方③ 庭の日当たりや、隣の家の住環境を考慮する

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

カーポートに限らず、エクステリアの設置には日当たりを考慮する必要があります。時刻ごとの太陽の向きをチェックし、庭の日当たりが悪くならない場所に設置しましょう。また次のような隣家の住環境についても考慮する必要があります。

  • 隣家の日当たりや風通し
  • 隣家からの見映え(カーポートが壁のようになり、見通しが悪くならないことなど)
  • カーポートの屋根にたまった雨水が、隣の家に流れ込まないこと

カーポートを後付け設置する場所の決め方④ 量水器や汚水管のふたが隠れないようにする

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

カーポートは、家の量水器(水道メーター)が車の下に隠れてしまったり、近すぎない位置に設置しましょう。水道検針のたびに車を移動しなければならなくなってしまいます。近辺には量水器以外にも排水管や汚水管のふたもあるので、それらの上も避けましょう。水道の詰まりなどが発生した場合にはふたを開けて器具を挿入したりするためです。

カーポートを後付け設置する場所の決め方➄ 道路の幅が狭い場合は、カーポートの設置場所が制限される

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

敷地に接する道路の幅が4m未満だと、敷地の一部が建築基準法上の道路とみなされ、カーポートの設置場所が制限されることがあります。そのような場合は施工店に相談しましょう。

カーポート後付けを施工店に発注する際の注意

カーポートの後付けには施工店と工事契約を結ぶ必要がありますので、以下のことに注意しましょう。

カーポート後付け工事の前に① 相見積りを取る

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

カーポートを後付けする工事費用は施工店ごとに異なります。なるべく複数の施工店から見積りを取り寄せて適切な価格で発注しましょう。

カーポート後付け工事の前に➁ 工期や工事内容を確認する

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

カーポートの後付け工事は、トータルで1週間から10日程度の工期がかかります。特に床面コンクリートは打設後の養生に4日~7日の日数がかかり、この間は設置する場所に立ち入ることができなくなってしまいますので、工期や工事内容は事前によく確認し、不明な点がないようにしておきましょう。見積書を出してもらうためにも、施工店に現地を確認してもらうことが必要になるので、その際に質問するといいでしょう。

面倒がらず確実にチェックし、快適なカーポートを手に入れよう

カーポートの後付け。選び方や設置場所、発注するときの注意点をまとめて解説。

カーポートを後付けする際には多くのことに注意する必要がありますが、これらのことは施工店も考慮して提案してくれるはずです。できるだけ、どのようなカーポートを後付けしたいかという希望イメージをまとめて、施工店に相談してみることをおすすめします。

※記事内容は執筆時点のものであり、予告なく変更される場合があります。最新情報をご確認ください。