家を新築した時、機能的で家を素敵にみせる外構をどんな風にしようか考える。ライフスタイルが変わって家族構成や車の持ち数も変わって現在にふさわしい外構にリフォームしたいと考える・・・。
人生の中で外構のことを考える機会は、ほんの数回です。外構に関する知識は少ない、でも失敗はしたくない。メーカーの分厚いカタログをめくってみても何を選んだら良いのかサッパリわからなくて途方にくれる。そんな方も多いと思います。外構を見るときは必ず背景に建物が見えるので(広大な敷地は例外です)建物と外構は合わせて検討する必要があります。今回は5つのイメージをお伝えしていきますが、外構のことだけでなく建物の外観イメージのことでもあると意識してみてください。
あなたは、どんなイメージの空間で過ごしていたいですか?まずは自分自身がどんな雰囲気が好きなのか考えてみてください。
- カッコいいスタイルが好き
- 優しい自然な雰囲気にしたい
- 落ち着いた重厚感を備えたい
- 明るくヘルシーな北欧スタイルが好き
- スタイリッシュで品のある雰囲気にしたい
5つのイメージの中にしっくりくるものはあるでしょうか?1つに絞りきることができなければ、2つのイメージを組み合わせてもOKです。その場合はメインをどちらにするか決めてください。中心となるイメージを決めておくと選択にブレがなくなって「まとまらない」という失敗を避けることに繋がります。では、それぞれのイメージを作るための、門扉・フェンス・素材の選び方をご紹介していきましょう。
1.カッコいいスタイルが好き
カッコいいスタイルのイメージワードは「モダン」。都会的な印象です。コントラストやメリハリが必要で、黒と白のモノトーンやモノトーンに赤や青など鮮やかな色をポイントで取り入れたりします。ガラスやステンレスのように光沢のある素材もOK。門扉を選ぶなら例えば直線的な黒の鋳物門扉。凹凸のある表情も魅力になります。ガラスやポリカ素材のフェンスは、よりモダン感を高めてくれます。
モダンイメージのキーワード ・・・ コントラスト・ツヤ感・直線
2.優しい自然な雰囲気が好き
優しい自然な雰囲気のイメージワードは「ナチュラル」。モダンとは反対にコントラストはつけず、ツヤ感も避けてマットに。黄色やオレンジ色系統でまとめると良いです。ダークな色は避けて明るい色を選びます。外構全体では樹木や草花など植物をたくさん取り入れると益々ナチュラルに。木調素材の門扉やフェンスの種類が増えているので、明るい色の木調でコーディネートすることもできます。アルミ素材との組み合わされたデザインはアルミ部分が目立つとモダン感が立ってくるので、木調でまとめられているデザインを選びます。
ナチュラルイメージのキーワード ・・・ イエロー色系・マット・不定形
3.落ち着いた重厚感を備えたい
落ち着いた雰囲気、重厚感となれば「クラシック」なイメージです。オレンジ系のダークな色、深い色でまとめます。一般的に焦げ茶色と呼ばれる色。ナチュラルと同じくツヤ感は避けたいのでアルミ素材のツヤっとした表情が目立たないほうが良いです。線のしっかりした鋳物門扉やフェンス、もしくはダークカラーの木調を選びます。フェンスでは、できるだけ線の太いデザインで軽くならないように。
クラシックイメージのキーワード ・・・ オレンジ色系・ダークカラー・重いデザイン
4.明るくヘルシーな北欧スタイルが好き
明るくヘルシーなスタイルは「カジュアル」軽やかな印象もあります。人気の北欧スタイルもカジュアルに入ります。白色を使って抜け感を出す。ダークな色は使いません。イエロー・オレンジ系を中心にしながらカラフルなアクセント使いもOKです。明るい木調と白やシルバーのアルミ素材を組み合わせた門扉やフェンスは抜け感もありカジュアルです。軽やかさのある動きのあるデザインも似合います。
カジュアルイメージのキーワード ・・・ ホワイト色・カラフル・動きのあるデザイン
5.スタイリッシュで品のある雰囲気にしたい
スタイリッシュで品のあるスタイル「シック」は近年人気のイメージです。「シャビー」もシックの仲間。グレーに近い色味の少ない色でまとめます。モダンスタイルと組み合わせると、より今っぽく仕上がります。仕上げ素材には質感のあるものを。凹凸もなく全体がスルッと収まってしまうとチープになりがちです。門扉やフェンスはステンカラーや色味の弱い木調を選んで。フェンスはブロック+フェンスより足元から面で収めるのがオススメです。
シックイメージのキーワード ・・・ グレイッシュ・マット・質感
外構は門扉やフェンスに加えて門柱や塀、カーポート、表札、ポスト、照明・・・様々なアイテムの組み合わせでできています。そのどれを選ぶときにも上記のイメージを決めていれば、自ずとまとまり失敗することもありません。そして、このイメージは外構だけでなく建物の外観と繋がり、家の中に入りインテリアとも繋がっていきます。屋外も室内も同じイメージで繋がって整っていることが、心地よい住まいや快適な毎日に繋がっていきます。住まいを考えるときには、その時々の流行に惑わされずに本当に自分が心地よいと感じる空間を探して、そこを目指して欲しいなと思っています。我が家が一番と思える空間作りは、そこに住まう人が主体となって計画されなければ実現できないのだから。
著者プロフィール
冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)
個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。