エントランスなどで、プライベートガーデンを楽しむデザインのヒント

エントランスなどで、プライベートガーデンを楽しむデザインのヒント

道路に面した位置に大きな窓があって道ゆく人の視線が気になる。カーテンを開放することも出来ずにいる家はたくさんあります。南側が道路に面した敷地だと、こういう住宅計画になることが多いのです。例えば、こんな感じ。

エントランスなどで、プライベートガーデンを楽しむデザインのヒント

カフェなら素敵な空間ですが自宅となると、どうでしょう?もっとプライベート感があって、パジャマや部屋着で朝食時間を楽しむことが出来るくらいの庭の方が活用機会はグンと増えるはずです。エントランスや庭などで、プライバシー問題を解消して、木漏れ日や屋外の風を心地よく感じながら過ごすことができるプライベートガーデンに生まれ変わらせる方法、デザインのヒントをご紹介します。

1.室内が外に広がるテラス空間の庭

比較的コンパクトな空間でも実現させやすいのは、室内の延長として広がるテラス空間を作ること。道路から見ると窓の前にスクリーンがあって、中が見えない状態を作ります。

エントランスなどで、プライベートガーデンを楽しむデザインのヒント

囲われた安心感を感じるのは、単に目隠しフェンスを設ける方法ではなく、建物と目隠しが梁で繋がれていてテラス空間が包み込まれるようになっているから。目隠しの高さも窓より高い位置まであって、道路向かいの家の2階からの視線も防いでくれています。

エントランスなどで、プライベートガーデンを楽しむデザインのヒント

部屋の中から見ると、その囲われた感じがわかりやすいですね。屋根部分には雨よけのパネルがあり、その下に日差し避けのシェードが取り付けられています。雨対策も日差し対策も万全。ちょっとしたスキマ時間に、ほっと一息つくことができる場所になりそうです。庭に出ない時でも日常的にカーテンを開放しておくと、部屋が外へと広がり室内が広くなったように感じます。そう考えると外に出ることが少ない真夏や真冬でも十分価値のある空間だと言えます。

2.過ごす場+自然を感じる緑も身近な庭空間

テラスのような過ごす場所だけでなく緑や土に触れることが出来て自然を身近に感じるタイプのプライベートガーデンでは、どんな方法があるでしょう。

エントランスなどで、プライベートガーデンを楽しむデザインのヒント

室内と庭をつなぐテラスやウッドデッキは欲張らないサイズに留めて緑が育つエリアを確保している例です。

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構造物だけで目隠しをするのではなく、半分は緑での目隠しを試みています。緑の部分は樹木の種類によって目隠しの度合いを変えることが出来ます。ここに高さ2メートル程度の常緑樹を追加すれば、しっかりした緑の目隠しになります。

平面図で茶色に塗られている部分には屋根があります。玄関まわりは広めに雨のかからない空間になっていて雨天でも屋外で動きやすいように工夫されています。外作業も天気に左右されずに出来て、貴重な休日時間も無駄にしません。

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庭と玄関周りを、ひとつの空間と捉えてゾーニングするとスペースを有効活用した庭になります。目隠しにばかり注目するのではなく庭空間全体をどのように活用していくかということを、しっかり考えたいですね。

3.しっかり囲われたホテルライクな庭空間

スッキリとスタイリッシュに暮らしたい人に人気なホテルライクな空間。室内をホテルライクに整えたなら、庭だって合わせて整えないと、もったいないですね。

エントランスなどで、プライベートガーデンを楽しむデザインのヒント

室内と庭は分けて考えず、一つの空間と考えてください。そうすると、写真のように気持ちよく内と外が繋がった空間が生まれます。室内と屋外の壁や床に同じ仕上素材を選んだり、色のトーンや配分を一つの空間と考えてコーディネートします。ホテルライクな空間では、特に他人の目線は排除したい。庭の周囲を囲う塀の高さは高めの設定にします。周辺建物の上部からの視線も遮ること考えると屋根も必要です。屋根と言っても一般的なポリカーボネートの屋根ではラグジュアリーな雰囲気を出すことはできません。室内の天井や家の軒裏が繋がるイメージのものを選びたいですね。

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4.エントランスなどで、プライベートガーデンをデザインする「リレーリア」

3つのプライベートガーデンをご紹介しました。どれも大きな構造物が中心となるデザインです。プライベート感を重要視すると、どうしても背が高い壁と屋根が必要になってきます。従来なら大掛かりな工事が必要なデザインなのですが、近年ではアルミの角材や板材を組み合わせて比較的短期間での施工が可能になっています。今回ご紹介した事例は全て「リレーリア」というフレーム・ウォール・スクリーン・ルーフというパーツを組み合わせて庭や玄関まわりの空間をデザインしたものです。

事例1:テラス空間の庭

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事例2:緑も身近な庭空間

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事例3:ホテルライクな庭空間

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こんな感じでパーツが組み合わされています。組み合わせの自由度が高いので敷地が変形していたり、スペースが広くてもコンパクトでも様々に対応可能です。色や素材感も種類が豊富なので、どんなイメージの住まいの庭でもデザインできます。

大きな構築物は風当たりも大きくなり強風の時や台風の時に不安を感じることもあります。ずっと満足が続くプライベートガーデンを作るなら一時凌ぎではなく悪天候でも不安にならないものを考えたいですね。「リレーリア」でプライバシー問題を解消して、木漏れ日や屋外の風を心地よく感じながら過ごすことができるプライベートガーデンを手に入れてください。

 

 

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著者プロフィール

エントランスなどで、プライベートガーデンを楽しむデザインのヒント

冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)

個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。

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