自宅の庭にドッグランをつくるポイントと楽しみ方

家族や親せきが集まる年末年始に話し合いたい「庭のリフォーム」計画

犬の散歩は、犬の健康な体づくりだけでなく、気分転換・ストレス発散になったり、社会性を身に付けたり、また飼い主とのコミュニケーションを深める場でもあります。とはいえ仕事や家事が忙しかったり、天気が悪くて散歩に出るのを躊躇することも。自宅ドッグランがあれば、いつでも犬を遊ばせ、走らせることができます。狭いスペースを有効活用、家族も犬も喜んでくれる自宅ドッグランづくりのポイントをご紹介します。

1.自宅ドッグランをつくるポイント

ドッグランは、犬が自由に遊んだり走ったりするスペースを設けるだけではNG。犬にとって安全で快適な環境をきちんと整える必要があります。言い換えれば、犬をリードなしで放しても飼い主が安心して見守ることができる環境づくりともいえます。

ドッグランをつくる際に考えるべきポイントを4つご紹介します。

A.スペースの確保について

自宅ドッグランは建物の外周や庭の一画、屋上などにつくることができます。犬の大きさや頭数などにもよりますが、建物の外周の狭い通路でも犬にとっては走り回るのに十分なスペースになりますよ。

ただし、飼い主が管理がしやすい場所かどうかを考えることは必要です。裏庭など目の届きにくい場所は、トラブルがあった時に対処が遅れることがあるからです。

自宅の庭にドッグランをつくるポイントと楽しみ方

B.ドッグランの舗装材を考える

犬が遊んだり走ったりするには、足腰に負担をかけず、爪を傷めない舗装材を選ぶ必要があります。土のままでは足が汚れる上に、雨の後すぐに使えずに不便です。一方、コンクリートや砂利は走りづらく、爪を傷めてしまいます。以下のような舗装材を検討してみましょう。

●芝生

芝生はクッション性があり、ドッグランの舗装材にぴったりですが、天然芝と人工芝には多少の違いがあります。つくろうと思っているスペースにはどちらがあっているのかなど、比較してみましょう。

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天然芝は夏の暑さにも暑くならず、犬の足にやさしいという特徴があります。また、犬が穴を掘っても補修しやすい点もメリットです。

ただし、日陰では生育が悪く、場所が限定される、水やりや芝刈り、雑草取りなどのメンテナンスに手間がかかる、といったデメリットもあります。

人工芝は日陰やコンクリートの上でも使え、犬が穴を掘りにくい点がメリット。様々な表情や風合いのものがあり、どれもお手入れは簡単で、冬場もきれいなグリーンが楽しめます。

ただし、天然芝と違い夏の日差しで熱くなってしまうものが多く、暑さ対策が必要です、また、裂けたり、穴があいた場合など、補修しにくいというデメリットもあります。

●ウッドチップ

一般的にはヒノキ、ヒバ、スギなどの木材を砕いたチップを使用します。木の自然な香りと風合いがあり、防虫効果や消臭効果が期待できます。雑草が生えにくくなる効果もあります。ドッグランのスペースに敷き詰めますが、チップの厚さは小型犬で5cm、中型犬で10cmが目安です。

デメリットとしては、細かく砕いたタイプのものは風に飛びやすいこともあるので、要注意。またチップが割れやすいものもあり、とげが犬の足に刺さることがあるので、購入時にチェックしましょう。環境によっては数年で新たに入れ替えることも考慮しておきましょう。

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●バークチップ

アカマツやクロマツの樹皮を使ったもので、ウッドチップより一片が大きめで丸みがあります。落ち着いた色合いで、高級感があります。トゲの心配もほとんどありません。穴掘りが好きな犬には、少し穴を掘ってバークチップを入れ、犬が穴掘りをしてもいい場所を作ってあげることもできます。ただし風で飛びやすいため、定期的な入れ替えが必要です。

●ゴムチップ

着色したゴムを細かく砕いた舗装材。コンクリートやアスファルトの上に下塗り塗装をしてから均一に敷き、ローラーで圧力をかけて硬化させます。ゴム特有の適度なクッション性があり、犬が走り回るのに適した素材です。カラーが豊富で耐久性や耐候性に優れ、水捌けが良いなど、メリットの多い舗装材です。

ただし専門業者に施工を依頼する必要があり、費用が他の舗装材より高額になります。

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C.フェンス・門扉を設ける

自宅ドッグランには、犬が脱走しないため、あるいは植栽エリアなどに入ってしまわないようにフェンスを設け、ドッグランのスペースをしっかり囲むことが大切です。

フェンスは犬がすり抜けられない形状、高さは犬の大きさやジャンプ力なども加味して決めます。目安は1m20cm〜1m50cmです。

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外部の道路などに面しているようなら、散歩中の他の犬などとのトラブルを避けるために、隙間のないタイプのフェンスがいいでしょう。

D.日影になる休憩所が必要

ドッグランには走り回って遊び疲れた時に、休憩できる場所も必要。日が照り付ける場所では十分休めないため、日差しが日陰から半日陰の場所を探して休憩スペースを設けましょう。木陰を利用したり、オーニングを張ったり、葦簀(よしず)を立てかけたりしてもいいですね。

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2.自宅ドッグランを気持ち良く活用するために

自宅ドッグランはつくっておしまいというわけではありません。毎日気持ち良く活用できるよう、以下のようなことに気を配りましょう。

水飲み場・トイレの用意

水がいつでも飲めるように水栓のある水場があるとベストですが、スペースが狭い場合はつくれないこともあるでしょう。その場合は、自宅ドッグランで遊ばせる際に、必ず水を入れたボールやバケツなどを置いてあげましょう。

そしてトイレも必需品、忘れずに設置します。散歩と違って毎回できるだけ決められた場所に設置し、しつけることも大切です。

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自宅ドッグランと隣接する家へのご挨拶

隣接する家がある場所に自宅ドッグランをつくる場合は、「自宅ドッグランをつくる予定です。脱走しないようにフェンスなどを整え、ご迷惑のかからないように気をつけますので、よろしくお願いします」といった、ご挨拶をしておきましょう。

リードをつけずに遊んだり、走ったりするので、脱走して逃げ回っているのかと誤解されたり、危害が及ぶのではないかと心配されることもあります。

何より最初にご挨拶をしておけば、犬を遊ばせる時も飼い主としては晴れ晴れとした気分で楽しめますよ。

自宅ドックランがあっても散歩は必須

散歩は犬が社会に触れ、他の犬との出会いや日々違った刺激を受けることができる大切な時間です。自宅ドッグランで運動や飼い主とのコミュニケーションを深めることはできますが、散歩だからこそ得られる社会性を養う体験が不足してしまう可能性も。自宅ドッグランは、あくまで散歩と併用することが基本であることを忘れずに活用してください。

3.飼っている犬の特性をチェックしておこう

自宅ドッグランを作るにあたって、犬種による散歩時間(運動量)の目安などもチェックしておきましょう。もし運動時間が不足気味なら、家の外周を走れる仕様にするなど、自宅ドッグランを大いに有効活用したいですね。

そのほか穴掘りが好きな犬種にはバークチップを使った穴掘りポイントをつくるなど、飼っている犬種の特徴や性格を把握して設計することが大切です。

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犬種による散歩の時間の目安(1日2回として、1回あたりの時間)

以下はあくまで目安です。年齢や体調なども考慮して、その日の犬の様子などから適切な散歩時間を判断しましょう。

  • 「20〜30分」 チワワ チン シー・ズー ヨークシャテリア ポメラニアン など
  • 「30〜40分」柴犬 マルチーズ フレンチ・ブルドック ミニチュア・ダックスフンド ペキニーズ パグ  など
  • 「40〜50分」 トイ・プードル シェットランド・シープドック ビーグル ミニチュア・シュナウザー ボストン・テリア パピヨン など
  • 「60分以上」 ボーダー・コリー ダルメシアン ウェルッシュ・コーギー ゴールデン・レトリーバー ラブラドール・レトリーバー シベリアン・ハスキー など

まずは改めて犬との生活をチェックしながら、飼い主家族もよりハッピーに過ごせる自宅ドッグランをイメージし、どこにどのようなスタイルでつくるかを家族で相談し、決めていきます。

自宅ドッグランづくりが、犬とのより良い生活を育むきっかけになることでしょう。

 

※記事内容は執筆時点のものであり、予告なく変更される場合があります。最新情報をご確認ください。