暮らしが楽しくなる、庭づくりの手順を5つのステップで解説

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庭でもっと遊びたい、もっとくつろぎたい。休日の食事を楽しんだり、木陰で読書をしたり、野菜を育てる事にも興味がある。愛犬が走り回れる庭もいいですね。庭での色んな楽しい時間はたくさん想像できるけど、どうすればそんな庭を作れるのか。何から始めたらいいのか。庭づくりのやり方がわからないと、なかなかスタートできていない人もいるのではないでしょうか。

今回は庭づくりの始め方を解説していきます。まずは何かを買ったり作ったりするのではなく、どんな庭を作るのかを考えることがスタートです。思いつくまま手当たり次第に庭づくりを始めても上手くはいきません。この解説ではStep1から進めていきますが、各Stepの要素は緩く決めておくのがポイント。全ての要素が出揃ってから、最終的に全体的なバランスを見て調整するということを念頭においてください。では、始めましょう。

Step.1 とにかく出入り口が大事

どれだけ有効活用できる庭を作れるかに大きく影響するポイント。毎日必ず一度は庭に出る、くらいの場所にしたいものです。庭とつながる部屋をどこにするのが良いのか。それは一番滞在時間の長い部屋です。この部屋から、簡単に庭に出ることができる状態を作りましょう。

それには庭の地面と部屋の床との間にある50センチ程度の高低差をなくす必要があります。ウッドデッキや濡れ縁、テラスなどで庭の床を部屋の床高さに近づけます。

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YKK APリウッドデッキ

Step.2 色んな居場所をつくる

どんな庭にするのかを決める重要ポイント。読書をするためのテラス。BBQ用の芝生。休日ブランチ用のウッドデッキ。家庭菜園のための畑。愛犬のためのドックラン。ガーデニング用の花壇。などなど庭で何をしたいかによって必要な居場所は変わります。家族の人数や集まる人の数によって必要な広さも変わります。場所の日当たりや心地よさ、部屋からの導線を考慮して庭の中のどの位置にどの居場所を設けるのが良いのかを考えます。

例えば大人数で過ごす場所なら広いスペースが必要ですが、ひとりや二人で過ごすならベンチひとつのスペースで居場所は作れます。

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ガーデンリビング

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ベンチ

Step.3 誰かの視線は気にならない?

庭で過ごしているときに誰かの視線が気になると、リラックスすることはできません。道路やお隣からの視線はどんな状態でしょう?庭の中で目星をつけた居場所に座ってみて、寛げるのかを確認します。合わせて室内のリビングやダイニングに座った時に外からの気になる視線はないのかも確認しましょう。

敷地内で何をしていても、どこからの視線も気にならないのが理想ですが、完全な目隠し状態を作るのはコストが高くなります。歩いているときや動いているときの視線は気にせず、ゆっくりくつろいでいる時のプライバシーだけを重要視するという考え方だとコストを抑えることが可能です。

どの位置からの視線が気になるのかがわかったら、目隠しフェンスを設けるのが良いか樹木を植えて目隠しするのが良いのかを選びます。目隠しフェンスの利点はスペースを取らないこと。植栽の利点は目隠し以外に木陰を作ったり空気を浄化したり気温を下げたりと環境を改善できるところにあります。庭の雰囲気作りにも影響するということも踏まえて検討しましょう。

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YKK APルシアスフェンスH13型

Step.4 植物の位置を決める

植物には自然な景観を作るだけでなく、目隠しになったり日陰を作ったりという機能的な役割を持たすことができます。背の高い高木は隣家2階からの視線を遮ってくれたりもします。小さな苗木を植えて育てていく場合でも、将来的に大きくなる姿を想像しながら位置を決めていきます。テラスやデッキ周りには、夏場に木陰を作ってくれる高木があると、過ごしやすくなります。野菜を育てる菜園は太陽の日差しがたっぷり必要なので、樹木の影が出来るだけ落ちないようにしたい。このような機能的条件に加えて、部屋からの景観や庭で過ごすときの心地よさを想像しながら、樹木の大きさや落葉樹と常緑樹の使い分けも合わせて検討します。日差しを調整したい場所の樹木には落葉樹を、目隠しをしたい場所の樹木には常緑樹を選ぶのが基本です。

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Step.5 全体を整理する

自分達の庭に何が必要なのか具体的になってきたのではないでしょうか。色んな要素が重なり合って庭がぎゅうぎゅうに混み合っている状態かもしれませんね。それぞれのスペースの優先順位を検討して、何を一番必要とするのか決めていきます。例えば、集うことを優先するならウッドデッキを大きめに確保して、菜園スペースは小さくする。例えば、ガーデニングの時間と、それによって生まれる景色を眺めることを一番とするなら、庭全体を植栽スペースや花壇スペースと考えて、ベンチや小さなテラスを庭の中に点在させる。こんな風に自分達の庭を具体的にまとめて、簡単な平面計画図を作りましょう。

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平面計画図

ここまで出来れば、いよいよ作る作業に取り掛かる段階です。最初に庭への出入り口を確保するところから着手すると出入りのストレスがなくなり、後々の作業がし易くなります。ウッドデッキやテラスが出来ると、それだけで庭で過ごすこともできるようになります。

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一気に完成を目指さず、少しずつ時間をかけて作っていくのも庭づくりの楽しみ方のひとつではないでしょうか。

 

 

著者プロフィール

暮らしが楽しくなる、庭づくりの手順を5つのステップで解説

冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)

個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。

※記事内容は執筆時点のものであり、予告なく変更される場合があります。最新情報をご確認ください。