入浴は、就寝前に身体をきれいにすることと疲れを落とすことが目的というのが一般的な考えかもしれません。「入浴を楽しみたい」という気持ちはあっても、浴室に足を踏み入れるといつものルーティンで入浴を終え、「お風呂あいたから、お次どうぞ」と順番を待つ家族へバトンタッチ。実際、家族がいたら一人で長湯を楽しむわけにもいきませんね。そこで、土日など休日の明るい時間に、窓から流れ込む秋風を感じながら入浴を楽しむというのはいかがでしょう。
リラックスして入浴できる環境を整える
温泉地の旅館やホテルに行ったとき、明るい時間の入浴というのはとても爽快に感じますが、自宅のお風呂でも明るい窓を見るともなく眺めながら湯船に浸かっていると、それだけでリラックスします。そんな「快適なバスタイム」を楽しめる入浴を考えてみましょう。

窓を開け放って開放感を
可能なら窓を開け放って、青い空と白い雲がのぞめると最高ですね。もし、お隣との距離が近いのであれば、窓に目隠しを設置するといいでしょう。光を遮らずに明るさが維持され、それでいて視線を遮ることができるものをみつけましょう。日中の入浴では、開けられた窓から聞こえる近隣の生活音や子供たちの声、鳥のさえずりのすべてがBGMになります。
照明は自然光に近い昼白色がおすすめ
浴室に窓がなかったり、日当たりの関係で光が差さない浴室であれば、照明のスイッチをON。照明の色は、赤みがあって暖か味がある電球色よりも、自然光に近い昼白色がおすすめです。窓から入る光と照明の光の色が近いというのがその理由で、違和感なく明るさを楽しむことができます。なお、浴室の照明は、密閉されたカバーの中に電球があり、水に濡れないようになっています。LED電球は対応製品でないと、この密閉型器具には使用できないので、電球の交換には注意が必要です。また、最近では、電球色から白色へと光の色を切り替えたり、明るさを調整できる調光・調色機能がついた照明設備も出ています。
音楽、ラジオはいいけど、テレビやスマホは…
入浴中に、お好みの音楽を聴くのもおすすめです。その際、イヤホン(ヘッドホン)ではなくスピーカーで聴くのが良いでしょう。理由は「濡れないように」「コードがからまないように」といった気を使わないでいられることがポイントで、リラックスを妨げない環境づくりのためです。ときには、ラジオ放送もいいですよ。ポイントは、大きな音量にしないこと。人は無音の環境よりも適度なノイズがあった方がリラックスできるそうです。ラジオの音量は湯船に浸かってじっとしているときにおしゃべりの内容が分かる程度にするくらいが耳障りにならず、よりリラックスさせてくれます。逆におすすめできないのがテレビの視聴とスマホの持ち込みです。テレビやスマホは目で興味を刺激し、心をニュートラルな状態から遠ざけてしまいます。目的はリラックスですので“集中しない環境づくり”を心がけましょう。
植物をとりいれる

入浴を楽しむために、エアープランツなどの植物を飾ってみるのはいかがでしょうか。土がいらないので浴室には最適な植物です。ただし、その育成条件として、①湿度が60%程度、②昼間は風通しが良く乾燥する、③夜から朝方には霧が発生する、④適度に日光に当てる、という環境が必要です。これらの適合環境は種類によっても変わりますので、お住まいの地域に合うものを選んで、みてください。
バリエーション豊かな入浴剤を楽しむ
リラックス環境が整ったら、いよいよ入浴です。ジェットバスやマイクロバブルバスのような豪華な設備がついていない普通のバスタブでも、市販されている入浴剤ぐらいは入れて楽しみたいと思いますよね。スーパーの商品棚にはいろいろな種類の入浴剤が並んでいますが、さて、みなさんはどのように選んでいるのでしょうか。パッケージデザイン、ネームバリュー、書かれているキャッチコピーのフィーリングなどからでしょうか。せっかくですから、この機会に種類や目的などをきちんと理解して、季節や気分に応じて入浴剤を楽しんでみてください。
入浴剤の種類と目的
入浴剤の種類 | 目的 | 主な形状 |
無機塩類系 | 保湿剤、色素、香料、その他の成分を添加し、入浴による温熱効果や清浄効果を高めたり、湯を軟らかくする | 粉末 顆粒 |
炭酸ガス系 | 保湿剤、色素、香料、その他の成分を添加し、重曹等の炭酸塩と組み合せて湯のpHを調整して炭酸ガスを発生させる | 錠剤 粒状 |
薬用植物系(生薬系) | 生薬類をそのまま刻んだものと、生薬エキスを取り出して無機塩類等と組み合わせたものがあり、入浴による温熱効果を高める | 粉末 顆粒 液体 生薬のきざみ |
酸素系 | 酵素を配合して無機塩類と組み合わせ、皮膚を清浄にする | 粉末 顆粒 |
清涼系 | 無機塩類系や炭酸ガス系の基剤に、清涼成分等により冷感を付与させ、入浴後の肌をサッパリさせる | 粉末 錠剤 |
スキンケア系 | 白濁するものや無機塩類に保湿成分を含ませたもの | 液体 粉末 |
入浴剤の浴槽・風呂釜への注意
気を付けたいのが、浴槽や風呂釜・給湯器に負担がかからないものを選ぶこと。パッケージに「風呂釜や浴槽をいためません」「全自動強制循環式風呂釜にもお使いいただけます」「風呂釜や浴槽を傷めるイオウは入っていません」――と記載があるものを選ぶ方がいいでしょう。
日中に入浴するときの味方・目隠しルーバー
一般的に、浴室の位置は、人目に付きにくい奥まった位置にある場合が多いようです。ただでさえ日当たりがよくない場所なので、さらに目隠しで光を遮ってしまうのは得策ではありません。おすすめなのは、採光性と通気性、そして目隠しを両立できるルーバータイプのもの。たとえば、YKK APの「多機能ルーバー」なら、ルーバーが可動するので、時間や季節に合わせてルーバー位置を調節できます。ポリカーボネート製の「プライバシースクリーン」なら、ガラスのような風合いでさらに採光性アップ。周囲の状況に応じて快適にお使いいただけます。

全面ポリカル―バ