理想の庭づくりの参考になる、最新のデザインやアイデアが詰まった施工事例をご紹介します。今回は、YKK AP エクステリア スタイル大賞2023のガーデン部門の受賞作品を、一級建築士がセレクト。思わず真似したくなるプロのアイデアを参考に、自分だけのエクステリア空間を目指しましょう。
目次
理想のガーデン作りの参考に!エクステリアスタイル大賞の受賞作品をチェック
YKK AP エクステリア スタイル大賞は、創造性あふれる優れたエクステリア空間を競うコンテストです。
YKK APは窓やドア、エクステリア製品など建材メーカーのリーディングカンパニー。コンテストでは、日本全国からプロのアイデアが詰まった、高い技術力に裏付けられた多彩なエクステリアデザインが集まります。
今回ご紹介するのは、庭をもっと素敵にするアイデアが満載の「ガーデン部門」の受賞作品です。数ある受賞作品の中から、デッキやテラス屋根、照明などを効果的に用いた作品を、一級建築士がセレクトしました。
このコンテストは毎年開催されているので、最新のエクステリアトレンドやデザインを知ることができ、またプロのデザイナーのセンスや高い技術力に触れることで、新しい庭づくりのヒントを得ることができます。
思わず真似したくなるような見どころ満載の受賞作品をチェックして、理想の庭づくりを目指しましょう。
独立感がある癒しの場を作った庭の事例:東屋のようなアウトドアリビング
コロナ禍以降、庭にアウトドアリビングを作るアイデアが広まっています。中でも注目したいのが、独立感のある癒しのスペースを作る手法です。
庭は空や緑、周囲の景色など、自然と触れ合う解放感が魅力ですが、ただひろびろとしているだけでは、何となく落ち着かないことも。ある程度の囲いを設けて、自分のスペースを明確にすることで、心理的な安心感を得ることができるようになります。
こちらの写真は、YKK AP エクステリア スタイル大賞2023年ガーデン部門シルバースタイル賞受賞作品です。
リビングから繋がるテラスの床面にはリウッドデッキ200を設置。その先に続く東屋部分はリレーリアルーフフレームで屋根を掛け、床面をタイルに切り替えることで、屋外ならではの解放感はそのままに、独立感のある自分だけのプライベート空間に。
こんなスペースがあったら、わが家に居ながらにしてリゾートにいるような、特別な時間を過ごすことができそうです。
この作品のように、床材の変化や屋根、段差などを利用して空間を区切ることを「ゾーニング」といいます。庭づくりを考える際には、ゾーニングをしてそれぞれをより快適化するための工夫をすると、庭の使い道や快適性が大きく広がることでしょう。
例えば、一部をタイル張りにしてガーデンテーブルと椅子を置いて食事やお茶を楽しむ、芝生を植えてそこでは子供たちが安全に走り回れるようにする、リビングから続くテラスにウッドデッキを設置してハンモックを掛けて昼寝を楽しめるようにするなど。
使用目的に合わせてゾーニングをすることで庭にメリハリが生まれ、それぞれの空間がより豊かに充実します。
目隠しフェンスを背景にモダンガーデンの事例:庭に向かって開放的に暮らせる家
住宅が密集している都市部では、外部からの視線が気になって、いつもカーテンを閉めている、庭にも出にくいという声を聞くことがあります。
そんな悩みを解決してくれるのが、目隠しフェンス。フェンスを庭の背景としてレイアウトすることで、まるで絵画のような美しい庭空間を作り出すことができ、視線を気にすることなく開放的に暮らせるようになります。
こちらは、YKK AP エクステリア スタイル大賞2023年ガーデン部門ブロンズスタイル賞受賞作品です。
木調の目隠しフェンス「ルシアススクリーンフェンス」を背景に、軽やかな葉を持つナチュラルな植栽をレイアウト。黒の飛び石や水鉢を取り入れることで、モダンな雰囲気が漂う美しいガーデン空間になっています。
これならいつでもカーテンを開け放って庭の風景を楽しむことができ、また庭に出る際にも外からの視線を気にする必要がありません。
ポイントは目隠しフェンスのデザインと植栽のバランスにあります。フェンスを背景にした時の植物の見え方を意識して選ぶといいでしょう。例えば、茶系の木調フェンスなら軽やかな明るい色の葉が、白系のフェンスなら少し濃い緑色の葉がよく映えます。
限られた敷地でも、目隠しフェンスの高さや素材、デザインの工夫することで、安心して過ごせる美しいプライベートガーデンを作ることができます。上手に組み合わせて、自分だけの理想の庭を目指しましょう。
リビングから庭へ続くウッドデッキの事例:窓の向こう側にもうひとつのリビング
ここ数年、庭を生活空間として取り入れる暮らし方が注目されています。庭をただ眺めているだけではもったいないもの。生活の中に活かすことで、家に居ながらにして非日常を味わったり、くつろぎの時間を過ごせたり、といったことができるようになります。
なかでも人気のアイテムが、庭で過ごす時間をより快適にしてくれるウッドデッキです。家の中からウッドデッキにすぐに出られるようにすれば、庭が生活の一部となり、まるで部屋が広がったような暮らしに。家の中では感じられない自然との触れ合いが、毎日をより豊かにしてくれます。
こちらは、YKK AP エクステリア スタイル大賞2023年ガーデン部門シルバースタイル賞受賞作品です。
設置したのは「リウッドデッキ 200 EG」、リウッド(再生木)を使用しているので耐久性が高く、メンテナンスはとてもラク。天然木を思わせる繊細な木目を再現した美しいデッキです。
そのリウッドデッキを、室内の床と高さを合わせて段差なく、カラーもフローリングとコーディネートすることで、窓の外に続き間のような空間が生まれています。
ウッドデッキはどこの部屋と繋げるかによって使い方が変わります。リビングやダイニングと繋げてセカンドリビングにするのはもちろん、キッチンから直接繋げたら外で食事をする機会が増えた、寝室から繋げたら毎朝体操をするようになって健康的に暮らせるようになったという声もあります。
ウッドデッキは、家の中と外をスムーズに繋いで、毎日の暮らしに彩りを加える特別なスペースを生み出してくれます。毎日がもっと楽しくなるウッドデッキの設置方法を考えてみてください。
今回はYKK AP エクステリア スタイル大賞2023のガーデン部門の受賞作品の中から、最新庭づくりのアイデアを3つセレクトしてご紹介しました。
下記に、同じく受賞作品の中から、最新庭づくりのアイデアをご紹介しています。庭づくりの参考にしてみてくださいね。
著者プロフィール
Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー
長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中