外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

ある時は物干し場所や収納スペースとして…またある時は子供の遊び場や大人のくつろぎ空間として…。テラス屋根のある空間は住む人の必要性に合わせて、機能性のアップはもちろんのこと家族が心和む場を提供してくれます。

暮らしをワンランクアップさせてくれるテラス屋根ですが、外壁に穴をあけて固定するタイプが一般的であるということから、「ハウスメーカーの外壁保証が気になって付けられない…。」という方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では外壁に傷をつけずに後付けで設置ができる『独立型のテラス屋根』の種類や特徴、設置ポイントなどをご紹介します。わが家にピッタリのテラス屋根はどれかな…?実際に設置したい場所や家族のライフスタイルを思い浮かべながら記事を読んでみてくださいね。

1.後付けできる独立型のテラス屋根ってどんなもの?

一般的なテラス屋根は、2本の柱を床面に固定しつつ屋根を外壁にビス止めすることで設置されています。下の写真の赤い点線で囲われた場所が外壁にビスで直接固定されている部分です。

外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

それでは、独立型テラス屋根はどうなっているのでしょうか。

外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

YKK AP「レセパ」Tタイプ

赤い点線の部分が外壁から8~9センチほど(商品によって異なります。)離して施工されているのがお分かりいただけると思います。建物の外壁に固定せずとも柱のみで支えることができるタイプを独立型テラス屋根と称しています。外壁に固定不要のため、ハウスメーカーの外壁保証や躯体構造を気にすることなく屋根を後付けで設置することができるんです。

外壁と隙間があいていると雨が入りそう…と気になりますよね。この隙間は屋根が躯体と接触することを避けるために必要なスペースなのですが、オプションの隙間ふさぎ材を使用することでスペースを埋めることが可能です。

外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

この隙間ふさぎ材はビス等で外壁に留め付けることはせず、押し当てるように隙間を埋めていますので完全に雨水を防ぐものではないのですが、雨が入りにくくすることは可能です。また、外壁の表面が写真のように平滑ではなくサイディング等でデコボコしていると、その隙間を伝って雨が流れ落ちてくる場合もあります。これはどうしようもない事なのですが、知識として知っておいていただければと思います。

2.独立型テラス屋根の種類と特徴

独立型テラス屋根がどのようなものであるかはお分かりいただけたかと思います。では実際にどんな種類があるのでしょうか。独立テラス屋根を大きく分類すると柱が2本のタイプと4本のタイプに分けることができます。ここからは実際の商品をご紹介しながらその特徴についてもお伝えしていきますね。

① 2本足で自立するタイプ

外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

YKK AP「レセパ」Lタイプ

外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

YKK AP「レセパ」Tタイプ

2本足で自立する独立型テラス屋根の中でも柱位置によって2タイプに分けることができます。写真左側のLタイプは外壁の反対側に柱が付いており、一般的なカーポートと似たもっともポピュラーなタイプ。狭小地や犬走りなど狭い場所でも柱が邪魔にならず、隣地との境界際や勝手口近辺への設置に最適です。

写真右側のTタイプは柱が屋根の出幅の中央に付くタイプ。屋根の中央に柱が来ることで見た目に安定感があるのが特徴です。また、部屋の中から外を眺める際に柱が視界に入りにくく空間の雰囲気を損なわないことも魅力のひとつと言えます。

② 4本足で自立するタイプ

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YKK AP「ソラリア」テラス屋根 独立納まり

4本足で自立する独立型テラス屋根はバリエーションが豊富です。上の写真「ソラリア」は、最もベーシックなテラス屋根の独立納まり。風景に馴染みやすいデザインで様々なロケーションにマッチさせることができます。

外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

YKK AP「サザンテラス」
パーゴラタイプ 独立納まり

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YKK AP「エフルージュFIRST」大型テラス
独立タイプ

もう少し個性を出したいという方には、写真左側のウッド調の独立型テラス屋根「サザンテラス」がおすすめ。特に天然木の木組み感を再現したパーゴラタイプはお庭まわりをエレガントに演出できます。写真のホワイト木調色以外に茶系木調色の展開もありますので、建物の雰囲気に合わせたナチュラルでカジュアルなコーディネートを楽しむことができますよ。

既存のタイルテラスやウッドデッキを避けてテラス屋根を取付けたいという場合に向いているのが、写真右側のように梁が延長できるタイプ。屋根自体の軽やかな印象はそのままに梁だけを延長することができますので、既存物や地中埋設物を避けつつ窓からの眺望や導線に配慮したプランが可能となります。

3.独立型テラス屋根の設置を検討する際のポイント

必ず外壁から離して施工する必要のある独立型テラス屋根。雨の吹き込みなど気になる方も多いかと思います。設置を検討する際のポイントを3つご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

① 軒下や2階ベランダの下に差し込む

外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント
外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

左側のイメージ図のように軒が出ている建物の場合は、その軒下に屋根を差し込むことで雨の吹き込みが軽減されますし、軒が延長されるイメージとなり使い勝手だけでなく外観の印象も向上させることができます。同じような設置方法としては、右側のイメージ図のように2階ベランダ下に差し込むというパターンもあります。こちらも同様に雨の吹き込みを軽減しつつ、イメージ図のように外壁の2方に窓が付いている場合でも柱の位置が調整しやすいのでおすすめの設置方法です。

② シャッターボックスの上に重ねる

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シャッター付きの窓の場合、シャッターボックスの出幅の厚みに少しかぶせて設置するだけでも雨の吹き込みが軽減されます。ただし、シャッターの点検等にスペースが必要な場合がありますので細かな寸法はハウスメーカーや工務店に確認が必要です。

③ 思い切って離して設置する

外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

独立テラス屋根の最大のメリットは壁に固定せずとも「柱のみで自立してくれること」ですよね。それならば、外壁との隙間は一旦置いておいて、敷地内で一番屋根の欲しい場所に設置してみませんか?イメージ図のようにくつろぎながら過ごせる場所を作ることもできますし、風通しのよい場所に洗濯干し場を中心とした家事スペースを作るなんてことも可能ですよ!

4.わが家にピッタリの屋根付き空間を手に入れる為には…

外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

建物の外壁に穴をあけるのが気になって、テラス屋根の取り付けに一歩が踏み出せなかったご家族も後付けできる『独立型のテラス屋根』ならば安心して設置を検討できるのではないでしょうか。

ここまでお伝えしてきた内容で、独立型テラス屋根そのものについては理解を深めていただけたかと思います。その上で、いま一度テラス屋根のついた空間でどんな風に過ごしたいのか、どんな風に使いたいのか…等、どんな小さなことでも良いので家族の希望を書き出してみましょう。「やりたいこと」「解決したいこと」を明確にし、それを設計・施工のプロにしっかりと伝えることが、わが家にピッタリの屋根付き空間を手に入れる一番の近道です。

 

 

著者プロフィール

外壁を傷つけずに後付け設置可能!わが家にぴったりの独立型テラス屋根の種類と特徴・設置のポイント

山岡由佳 クラスデザイン代表
二級造園施工管理技士、一級エクステリアプランナー

京都府立大学 人間環境学部 環境デザイン学科を卒業後、E&Gアカデミーにてエクステリアとガーデンを専門的に学ぶ。 エクステリアとお庭の専門店にて15年、ランドスケープデザイン設計事務所にて2年の実績と経験を積み、 2020年に独立し「cras design(クラスデザイン)」を設立。 個人宅向けの外構造園設計や施工店への作図サービスを中心にSNS運用サポートやブログ執筆サービスも行っており、 様々な視点から役立つ情報をお届けしています。

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