外からの目隠しになるだけではなく、防風や防火、防音、さらには地域全体の景観や環境を保つのに役立つ生垣。町に緑が増え、災害時の被害を少なくできるとして、地方自治体から助成金が出るケースもあるようです。家の外観と一体となって住む人の個性を表すようなワンランク上の生垣の作り方のポイントをご紹介します。
生垣に向くのはどんな植物?
一般に生け垣に向いているのは、
- 常緑樹あるいは落葉してもあまり空けが目立たない
- 枝葉がある程度密生する
- 病虫害に強い
- 刈り込みに強い
というような条件をもった植物とされています。
よく用いられるのは、以下のようなものです。
イヌツゲ、キンメツゲ
イヌツゲやキンメツゲは昔からよく生垣に使われてきた植物で、ツゲという名前がついているものの、どちらもモチノキ科の植物です。丈夫で長持ちし、好きな形に剪定しやすいのが特徴です。
レッドロビン
燃えるように真っ赤な新芽が目をひくレッドロビンも、生垣の定番です。枯れにくく育てやすいのですが、成長が早くどんどん上に伸びてしまうため、高くなりすぎないようこまめな剪定が必要です。
イチイ
初秋に赤い実をつける常緑針葉樹で、比較的寒冷な地方でよく育つ植物です。イチイの変種であるキャラボクは暖地でも育てやすく、日陰や虫にも強いため広い地域で生垣として人気があります。
花を楽しめる生垣にするなら
季節の移り変わりを感じたいなら、花が美しい植物を生垣にしてみてはいかがでしょうか。見た目だけではなく香りもあるものなら、より楽しめますね。
クチナシ
6月~7月ごろ、濃厚な甘い香りを放つ白い花をつけます。剪定はあまり必要ありませんが、伸びすぎた枝や混みあっているところなどは花が散ったすぐ後に生え際から落としておくと、翌年の花付きへの影響が少なくなります。
サザンカ
いくつもの種類があり、花色や花が咲く時期もそれぞれ異なります。成長はあまり早くないものの、枝がよく伸びるため、定期的に剪定を行う必要があります。剪定はチャドクガの発生を防ぐ役割もあります。
キンモクセイ
9~11月にオレンジ色の小花をつけ、甘くやさしい香りを放ちます。濃い緑の葉と明るい花色の対比を好む人も多く、公共施設などの生垣にもよく用いられています。日当たりのよい場所を好み、根付いてしまえば特に水やりを気にする必要はありません。
花が咲く植物を生垣にする場合は、ご近所トラブルを避けるためにも、花がらの掃除をまめに行うことが必要になります。
洋風の住宅に違和感がない生垣にするには?
洋風の住宅に生垣を合わせるポイントは、葉の色があまり濃すぎない植物を選ぶことです。白い壁に映える明るいグリーンのものを選ぶと、モダンに見えます。
コニファー類
コニファーとは針葉樹全体の呼び名です。なかでもヒバ類のコノテガシワは生垣としてよく利用されていますが、こまめな剪定が必要になるため、あまり手間をかけたくない場合は、自然に円錐形に育つヒノキ科のエメラルドやグリーンコーンがおすすめです。
シルバープリペット
白い斑入りの小さな葉が密集して生える低木です。5月頃にたくさんの白い小花が咲きます。冬の寒さや夏の暑さにも強いため、生垣にはぴったり。細かい枝が密に生え、ふんわりとやさしいイメージに仕上がります。
ボックスウッド(西洋ツゲ)
名前の通り、四角く刈り込まれた姿を見ることが多い常緑性の低木です。芽が出やすいため、球形や動物の形などさまざまな形に刈り込むこともできます。3~4月に小さな白い花をつけ、秋になると明るいオレンジ色に紅葉します。
もっと自由な感覚で生垣を楽しんで!
最近では、自由な感覚で新しいデザインの生垣を楽しむ人も増えています。
たとえば、生垣といえば通常は一種類の植物を植えますが、樹高の高いものと低いものを交互に植えたり、樹高の高いものの前に低いものを植えたりと、数種類の植物を混ぜて植えることでリズムを出したり色彩を豊かにすることができます。
フェンスや木柵など人工物と植物を組み合わせるのもおしゃれです。フェンスに沿って道路側に低木を植えたり、逆に、フェンスより建物側に目隠しになるような樹高の高いものを並べて植えたりするといいでしょう。
つるバラやテイカカズラ、カレーバインなどのつる性植物をフェンスに這わせ、垣根として利用する方法もあります。植物は成長すると意外に重さがあるため、フェンスはしっかりしたものを選ぶ方が安全です。
植物とのコーディネートが楽しめる洗練されたフェンス
YKK APの「シンプレオ」シリーズのフェンスは、現代の住宅に合わせやすいシンプルなデザインのフェンスです。
横格子、縦格子、井桁格子、ラチス格子、メッシュタイプなどさまざまなタイプが揃い、格子の幅もバリエーション豊富です。
単体ではもちろん、植物と合わせて、すっきりと洗練された外観コーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。