窓の外の空間が狭かったり小さかったりして、庭として利用することを諦めてしまっていませんか？窓から敷地境界まで１メートルほどの空間があったなら、そこは庭になります。狭い空間でも使い方によっては、毎日の暮らしが心地よくなったり楽しくなる庭にすることが出来るのです。今回は、植物を生かしながら、掃き出し窓から繋がる狭い庭を演出する2つのアイデアと目隠しフェンスとウッドデッキのイメージ別コーディネート例をご紹介します。
目次
１．インテリアとフェンスの色をコーディネートして室内外の一体感を出す
狭い庭では、大きく成長する樹木を植えると境界線を越えて、道路やお隣にはみ出してしまうことが多くなります。道路にはみ出るボリュームが大きくなると、道ゆく人や自転車や車などの視界が悪くなり危険な状態になることも。将来的に成長することを考えると、植栽は軽やかに涼やかな視界を遮らないボリュームを目指すのが良いと思います。
YKK AP ガーデンエクステリアカタログより
そうなると敷地境界から近い窓には、外からの視線が届いてしまう。視線を防ぐ壁があるとプライバシーが守られ安心して過ごすことができます。壁は人の視線を防ぐためなので、低くても背丈くらいは必要です。狭い庭では出来るだけスペースを広く確保するためにスリムな壁が理想なので、目隠しのフェンスがオススメです。
狭い庭では室内と庭の目隠しフェンスが近い位置にあって、よく見えます。インテリアの壁の色と合わせてフェンスをコーディネートにすると室内の壁が、そのまま窓の外にも繋がっているように見えて、室内と屋外の一体感が生まれます。一体感が生まれると室内が広くなったように感じられ室内で過ごしている時の心地よさが増幅されます。室内が白い壁なら目隠しフェンスも白系を選び、室内壁が木板張り仕上げならフェンスも同じ色の木板調を選びます。
２．ウッドデッキで室内空間を開放的に、植物を鉢植えで楽しむ
室内空間をより広く開放的に感じることを最優先させたいなら、庭の地面は植物を植えるのではなく室内と同じ高さでひとつながりの床にします。一番オススメなのはウッドデッキにすること。
室内のフローリング床と色も合わせやすいです。敷地境界に目隠しフェンスを設けて狭い庭空間を窓から目隠しフェンスまで全てウッドデッキにします。屋外空間ならではの心地よさを生み出すために植物を鉢植えでレイアウト。背丈以上あるような背の高い樹木や膝高さの小さなものまでバリエーション豊かに、ふわっとした植物の集まりにするとナチュラルな雰囲気になります。
植物の種類を少なくして、堅い印象の植物を選べばカッコイイ、モダンな雰囲気を作ることができます。
インテリアの雰囲気に合わせて鉢や植物を選んで、より繋がりを感じさせる一体感のある空間を目指しましょう。
３．目隠しフェンスとウッドデッキを組みあわせた4つのイメージ別カラーコーディネート
部屋のイメージに合わせて目隠しフェンスとウッドデッキのカラーコーディネート例をご紹介していきましょう。目隠しフェンスには、色やデザインに様々なバリエーションがあります。今回はYKK APのルシアスフェンスを使ってコーディネートしていきます。カラーバリエーションは4色、デザインバリエーションは１２種類あります。例えば、こんな感じです。
床面のウッドデッキは、耐久性の高い再生木で作られたYKK APリウッドデッキなら天然木には無い色もありバリエーションが豊富です。
これらを使ってカラーコーディネートしていきましょう。
＜ナチュラル＞ ナチュラルなインテリアは、真っ白ではなく少しくすんだベージュ系の壁や天井。オレンジ系の色味が中心です。マットな質感の素材が似合います。
YKK APラフォレスタカタログより
目隠しフェンス 色：キャラメルチーク
YKK APルシアススクリーンフェンスS07型
ウッドデッキ 色：ホワイトブラウン
YKK APリウッドデッキ
＜ワイルドモダン＞色にコントラストがあるとモダンな雰囲気になります。そこにアイアン系の素材や経年変化を感じる素材を合わせると男前なワイルドさを演出できます。
YKK APラフォレスタカタログより
目隠しフェンス 色：ショコラウォールナット／ブラック
YKK AP ルシアススクリーンフェンスD02型
ウッドデッキ 色：ナチュラルブラウン
YKK APリウッドデッキ
＜カジュアルシャビー＞白の壁と天井の明るいカジュアルな雰囲気の中に柔らかい色味を加えた優しい雰囲気。外にもその雰囲気を繋げます。
YKK APラフォレスタカタログより
目隠しフェンス 色：バニラウォールナット
YKK AP ルシアススクリーンフェンスS06型
ウッドデッキ 色：ホワイトブラウン
YKK APリウッドデッキ
＜シックモダン＞色味が弱い低彩度でシックにまとめられた中に窓枠などの黒が効いてモダンなカッコ良さも感じさせるインテリア。太陽の降り注ぐ明るい庭では、コントラストを出して引き締まった雰囲気にしてみました。
YKK APラフォレスタカタログより
目隠しフェンス 色：桑炭色
YKK AP ルシアススクリーンフェンスS0１型
ウッドデッキ 色：セピアグレイ
YKK APリウッドデッキ
ナチュラル・ワイルドモダン・カジュアルシャビー・シックモダンと４種類のコーディネートをご紹介しました。これが正解という訳ではなく、あくまで一案です。まずは自宅インテリアの現状がどんなイメージなのかを見つけてください。それを確認せずにこの色が好きだからという感覚で選ぶと失敗します。インテリアも庭も全体のコーディネートが整っていれば、ポイントでイメージの違うものが混じっていても乱れにくいです。庭でも壁や床はベースになる部分。インテリアの雰囲気を外まで繋げて広がりのある空間を手に入れてください。
著者プロフィール
冨田ちなみ Gokansha（ゴカンシャ）
個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha（ゴカンシャ）代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。
