昔は、多くの家の窓などに庇(ひさし)が付いていたものですが、近年は庇のない家も珍しくないようです。庇は単なる装飾ではなく、雨や日光が室内に直接入り込むことを防ぐ役割があります。庇を設けずに家を建てた後で、「やはり庇があったほうが便利だな」と思い直す方もいらっしゃるのではないでしょうか。庇は後付けできますが、注意すべきポイントがいくつかあります。ご自宅での暮らしをより快適にするためにも、本記事を参考にしてより良い庇を選んでください。
目次
庇は家を建ててからでも後付けできる
庇を後付けで設置することには、以下のようなメリットがあります。
- 窓に庇を付けると雨風が入るのを防ぐことができる
- 玄関に庇を設けると屋外で傘を開閉できる
- 庇があると西日や真夏の直射日光を防ぎ、屋内で快適に過ごせる
- 庇があるとドアや窓の劣化を防ぐことができる
それぞれのメリットは以下の記事で詳しく解説しています。
庇を後付けするなら施工店に依頼するのがおすすめです。ご自分で庇をDIYで後付けするのは、以下のような問題があるため、おすすめできません。
- 外壁と庇の間の雨仕舞いを適切に行わないと、雨漏りの原因となる
- 家屋との接続を適切に行わないと、台風などで庇や住宅が壊れるおそれがある
- 雪国では積雪で壊れないよう、適切な製品の選択や施工の実施が必要
施工店に依頼すれば、プロとしての高い技術を駆使して安全な庇を設置してくれるでしょう。
ここからは、ご自宅に合った庇を後付けするためのポイントを解説していきます。
庇は多種多様な素材や色から選べる
庇を後付けする場合、まずどんな素材の庇を付けるかということを決めましょう。主な庇の素材ごとの特徴をまとめてみました。
庇の素材 | 特徴 |
---|---|
木 | 自然の素材ならではの、温かく落ち着いた雰囲気を味わえる。防水性の高いヒバ材がよく使われる |
アルミ | 広く普及している素材。軽くて耐久性が高く、安価。さまざまな種類の外壁と組み合わせやすい |
ガルバリウム鋼板 | 軽くて耐久性・耐熱性があり、腐食しにくい。スタイリッシュな印象の商品が多い |
ポリカーボネート | 軽くて耐久性・耐候性があり、加工しやすい。透明な製品を選べば、庇の内部にも日光が入る |
ガラス | 日差しを遮らず、庇の内部を明るくできる。家屋の外観を損なわず、デザイン性が高いことも魅力的 |
素材とは別に、庇の色も、白や黒、ブラウンなど、さまざまな色から選べます。家屋や庭に調和する色の庇を選びましょう。
庇の後付け費用はどのくらい?
さて、庇を後付けするとどのくらいの費用がかかるでしょうか。ケースバイケースですが、1箇所につき10~30万円の費用が相場です。ただし次のような作業が必要になる場合は、別途料金が加算されます。
- 壁面に下地がない場合
- 既存の庇を撤去する場合
- 2階以上の窓に庇を設置する場合
おすすめは、依頼する施工店を決める前に、複数の施工店から見積りを取って比較することです。単に料金が安い施工店を見つけるためだけでなく、施工店ごとに提案内容が異なり、よりイメージに合う提案を受けやすくなるからです。各施工店から出された金額だけでなく工事内容の提案もチェックして、より良い施工店を選びましょう。
庇を後付けする際にチェックすべき4つのポイントと注意したいこと
庇を後付けする際にチェックすべき4つのポイントや注意したいことを解説します。
目的に合った場所に庇を設置する
庇の主な役割は、雨よけや日よけなどです。風がよく吹く場所で雨よけとして設置する場合は、出幅の広い製品を選ぶのがいいでしょう。また西日をよけたい場合は、日の傾きに応じて庇を横につなげる必要があります。目的に応じて最適な製品を選び、適切な場所に設置しましょう。
住宅と調和する庇を選ぶ
冒頭に庇は装飾ではないと書きましたが、建物に設置するものなので、アクセントとしての効果もあり、ご自宅の雰囲気が少し変わるでしょう。家のイメージにフィットする庇を選んでください。とはいえ、庇を設置したら家がどう見えるかというイメージはなかなかつけにくいかもしれません。施工店に依頼すれば、設置後のイメージ画などを見せてもらえることがあります。施工店への依頼ならではのメリットです。
庇にたまった雨水の排水方法も要チェック
庇の設置では、雨水の排水をどうするかをあらかじめ考えておく必要があります。雨が降ると、庇には雨水がたまります。たまった雨水が庇の内側に回り込み、頭上から垂れてくることがあり、頭などに落ちて不快な思いをしてしまいます。また玄関などに庇を設置した場合、正面・左右のすべてから水が垂れていて、どこから外に出たらいいか困ってしまうこともあるでしょう。住まいの快適性を重視するなら、庇からの排水に注意する必要があるのです。庇の中には雨どいなどがなく庇の角から排水するようになっているものもあります。そのような庇を選べば水が落下する場所を避けて外に出られます。
定められた「建ぺい率」の範囲内で設置する
法令により、土地には「建ぺい率」が設定されています。庇は建物の一部とみなされるため、「建ぺい率」を超えて設置することはできません。よく考えずに設置してしまっってから法令違反であることが判明すると、最悪の場合、撤去しなければならなくなることもあります。あらかじめ施工店に「建ぺい率」を計算してもらってから庇を設置しましょう。ただし、出幅1メートル以内の庇であれば、設置しても「建ぺい率」を超える問題はありません。
後付けするならYKK APの商品をおすすめ
庇を後付けするなら、YKK APの商品がおすすめです。YKK APは多種多様な商品を取り揃えています。
- ルシアス バイザー
- コンバイザー アームスタイル
- コンバイザー モダンスタイル/ベーシックスタイル
- コンバイザー シンプルスタイル
- シンプルモダン ひさし
- キューブシェード(箱型ひさし)
- ひさし5PR
どの商品も多種多様な色を取り揃えており、出幅も10cmから1.2メートルを超えのものまでバリエーションが豊富。「ルシアス バイザー」のように雨どい付きの商品や、「コンバイザー アームスタイル」のように雨水の排水経路を工夫した商品などもあります。庇をつける目的や外観イメージ、納まり、ご予算、「建ぺい率」の制約などを考慮して、適切な庇を選びましょう。
庇の後付けはエクステリア専門の施工店に依頼し、快適な暮らしを楽しもう
日よけや雨よけになる庇は後付けも可能であり、さまざまな素材や色のものを選べます。ご自宅に合った庇を設置すれば、暮らしがより快適なものになるでしょう。一方で、適切な工事で庇を設置しないと、雨漏りなどのトラブルの原因になることもあります。安心して庇の後付け工事を任せるなら、エクステリア専門の施工店に依頼するのがおすすめ。実績と提案力のある施工店と相談しながら、満足できる庇を設置してください。