ブロック塀やフェンスはご自宅の外との境界を示す外構です。どちらを選んだほうがいいのかと迷われる方もいらっしゃると思います。実際は、建物の敷地環境やブロック塀やフェンスの設置条件、プランによっても変動します。プランだけで複数社比較するのではなく、まず、安心して任される施工実績やプランに強い施工店を決めて、プランや費用、心配ごとなどをしっかり納得するまで相談することをおすすめします。その上で、この記事では、ブロック塀とフェンスの特徴と費用の相場、費用を抑える方法などについて解説します。
ブロック塀とフェンス、それぞれの特徴
自宅の外構・エクステリア、ブロック塀とフェンスはどちらを選べばいい?
ブロック塀の特徴
ブロック塀とはその名の通りブロックを積み上げた塀です。敷地外からの視線を遮ってくれますが、南側に設置すると日光も遮られて日当たりが悪くなることもあります。またブロック塀の高さは、最高で2.2mまでと建築基準法で定められており、高くなるにつれ、工事上の制約が厳しくなっています。例えば高さ1.2mを超えるブロック塀は、長さ3.4mごとに倒壊を防止するための「控え壁」を設置しなければなりません。また高さに応じて地下に設置する基礎も深くする必要があります。
最近では、ブロック塀の倒壊事故も増えていますので、施工方法は詳しく確認します。
フェンスの特徴
フェンスは、いわゆる「柵」をイメージしていただくとわかりやすいと思います。塀と同じように敷地外からの視線を遮ってくれます。ブロック塀とは異なる以下のような特徴があります。
- 製品の選び方によって敷地内を見せる・見せないの選択が可能
- スチール製、アルミ製など、素材を選べる
- 目隠ししながら風通しを良くするなど、機能性に優れた製品もある
開放的な空間を演出することも、目隠しに活用してプライバシーを守ることも、フェンスなら自由自在。
自宅の外観に合ったデザインを選べ、ガーデニングや四季を通じた庭での過ごし方も楽しめるのは、フェンスならではの特長と言えます。
ブロック塀とフェンスはどちらが安い?
建物の敷地環境やブロック塀やフェンスの設置条件、プランによっても変動しますので、費用だけでの比較は避けましょう。目隠ししたい度合いによって変わりますが、目隠しの機能を重視する場合はブロック塀のほうが安くなりやすいといえます。ただし材料などによっても費用は異なりますので、相場はどのくらいなのか確認していきましょう。
ブロック塀の相場
ブロック塀を設ける工事費用の相場は、1m2当たり14,000円~33,000円が相場です。例えば高さ1m、長さ10mの場合は14~33万円が目安となるでしょう。この工事費用には、以下が含まれています。
- ブロックそのものの費用
- 土地を掘削し、基礎をつくる工事
- ブロック塀を積み上げる工事
但し、工事費用は以下の内容によって増減します。
- 使用するブロックの種類(1個当たりの価格は、数百円から数千円と多種多様)
- ブロックの高さ
- 基礎工事(1平方メートル当たり4,000円~10,000円が目安)
- 残土の処分費用や交通警備員の有無
ブロック塀を設置するにはたくさんのブロックを使うので、1個当たりは大きな費用でなくても、トータルで見ると大きな金額になります。カラフルでデザイン性に優れた化粧ブロックには人気がありますが、工事費用は相場より数万~数十万円高くなります。また、塀が高くなるほどブロックの量が増えて工事費用も高くなります。特に1.2mを超える場合は控え壁などが必要になるので工事費用は大きくアップします。
フェンスの相場
フェンスの設置費用は10万円台で済む場合もありますが、場合によっては100万円以上を要することもあります。価格に大きく影響するのは以下の要素です。
- フェンスの種類
- フェンスを設置する長さ
- 工事内容
まず材料費ですが、1m分の設置で素材別にみると以下のようになります。
- メッシュフェンス:3,500円~10,000円
- アルミフェンス:7,500円~30,000円
- 木目調のフェンス:10,000円~45,000円
- 鋳物フェンス:20,000円~40,000円
素材の違いは目隠し機能の違いにつながります。つまり目隠しとしての機能が高いほど費用もかかります。もちろんデザイン性も費用に影響します。
また、フェンスの設置費用は次の通りです。
- フェンスの設置費用:1メートル当たり1,100円~1,500円
- フェンスのカット費用:1箇所当たり1,000円~3,500円
- 支柱工事の費用:1箇所当たり4,000円~20,000円
場合によっては、ブロック塀を積んだ上にフェンスを設置することもあります。この場合は1m当たり13,000円前後の追加費用がかかります。
上記から、例えばフェンスを10m設置して柱ごとに基礎を置くと、メッシュフェンスなら10万円前後で施工できますが、目隠し機能やデザイン性を重視したフェンスを選んだり、地盤の弱い場所に施工する場合は50万円以上の費用がかかることになります。この例はあくまでも目安で、実際には以下の要因によって変わります。
- 選んだ製品の種類
- 塀やフェンスの高さ
- 設置する長さ
- 施工業者
- 地盤の状況
費用が高くなるのは「高いブロック塀」「長いフェンス」
高い塀や長さのあるフェンスを設置する場合は費用も大きくなります。さらに上質なブロックや凝ったデザインのフェンスは高価なので、工事費用がアップする要因となります。また、工事費用は施工業者によって異なります。
ブロック塀やフェンスの費用を抑える方法
ブロック塀やフェンスの設置にかかる費用を安く抑えるおすすめ方法を3つ紹介します。
信頼のおける施工店選びが大事
一概に、ブロック塀とフェンスのどちらがいいかは言えませんし、どちらにしても安さだけでは決められません。例えば坂道なのか否かなどの建物の敷地環境やブロック塀やフェンスの設置条件によっても選択が決まってしまいます。また、実際、設置にかかる費用は、プランによっても変動します。プランだけで複数社比較するのも安かろう悪かろうになりかねませんので、今後のメンテナンスや相談することを考えてみても、設置にかかる費用を安く抑えるなら、まず、安心して任される施工実績やプランに強い施工店をホームページや口コミなどで探すことをおすすめします。きっと、自宅や家族の希望に相応しい外構は、ブロック塀とフェンスのどちらがいいのかをプロの視点で提案してくれるでしょう。
フェンスの場合はメッシュフェンスなど、安価な製品を選ぶ
フェンスの価格は、素材や種類、デザインによって大きく異なります。「敷地内が見えてもよいので、とにかく安く設置したい」という場合なら単価の安いメッシュフェンスがおすすめです。またアルミの格子フェンスも比較的安く設置できます。
ブロック塀の場合は化粧ブロックを選ばない
ブロック塀を安く設置したい場合は、一般的なグレーのブロックを選びましょう。化粧ブロックは、次のように1個当たりの価格で比較すればわかるように高価なのです。
- 一般的なブロック:150円~400円
- 化粧ブロック:600円~8,000円
デザインにこだわると費用がかかりますので、予算に限りがある場合は一般的なブロックを選ぶのをおすすめします。
安さだけではない。信頼できる施工店と相談することが、安心にも結び付く。
商品の価格や設置費用は提案されるプランで変わりますので、施工店や選んだ商品によっては目隠しを重視する場合でもフェンスのほうが安くなることがあります。外構を安く設置したいなら「ブロック塀かフェンスか」ということで迷うより、ご自宅の外構について相談しながら、納得し、安心できる施工店に依頼するのが大事です。