住宅の防犯対策において、門扉はいわば「最前線の防衛ライン」と言えるでしょう。近年、従来の機械式の鍵に代わり、より高度なセキュリティと利便性を兼ね備えた電気錠の導入を検討される方が増えています。本記事では、電気錠の実用性や導入による具体的なメリット、そして設置時に考慮すべき重要なポイントについて詳しくご説明します。
目次
門扉に電気錠は役立つか?
電気錠は、玄関の、日常的な出入りの利便性を大幅に向上させながら、同時にセキュリティレベルも効果的に高めることができる、現代的なソリューションです。従来の鍵では、夜間に鍵穴を探したり、鍵を紛失したりするなど、誰もが一度は経験したことがある不便さがありますが、電子錠を導入すればそういったこととは無縁になります。また、施錠状態の視覚的な確認や遠隔操作など、従来の鍵では実現できなかった機能も備えています。
門扉に電気錠を設置するメリット
門扉に電気錠を選ぶメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?代表的な3つのメリットを取り上げ、解説します。
鍵を開ける操作が革新的に簡単に
電子錠は、最新のテクノロジーを活用した様々な認証方式から、ライフスタイルに合わせて選択可能です。
- 離れた場所からの操作が可能なリモコン
- 暗証番号を入力するセキュアなキーパッド
- かざすだけで認証できる便利なカード・タグ
- スマートフォンと連携した最新システム
いずれも手元で操作できる、これらの方式により、従来の鍵の持ち歩きや紛失のリスクから解放されます。夜にありがちな「鍵を鍵穴にうまく差し込めず、なかなか開錠できない」といった不便さから解放されます。
施錠状態を明確に確認できる
電気錠なら施錠されているか、状態をひとめで確認できます。例えばYKK APの「〔ピタットKey システム〕 電気錠付門扉」は、施錠や開錠の際にLEDランプが点灯し、音が鳴ります。今行った操作が施錠なのか開錠なのか、また操作が完了したのかを確認できることはメリ
ットの一つです。施錠したことを確認するため、扉をガチャガチャと揺すってみるといった確認作業は必要ありません。
従来の鍵を凌駕する高度なセキュリティ性
従来の金属製鍵は、合鍵作成業者なら数千円程度で複製できてしまいます。これに対して電子錠は不正な複製が極めて困難なように設計されています。さらに自動施錠機能により、うっかりした施錠忘れも防止できます。必要に応じて、施錠・解錠の履歴を確認することも可能です。
門扉に電気錠を選ぶことにはデメリットもある
電気錠の導入にあたっては、以下の2点を慎重に考慮する必要があります。
ひとつは、専門的な配線工事の必要性や範囲を確認し、停電時にはどうするかを決める必要があるということです。また電池式を選択した場合は、定期的な交換を忘れないようにし、非常時のためのバックアップ電源も確保しておく必要があります。
二つ目は、電子錠は従来の機械式の鍵よりも費用がかかるということです。初期導入費用に加えて設置工事費用、その後の維持管理費用、さらには将来的なアップグレードの可能性まで考慮に入れる必要があるでしょう。これらの費用を考えると、従来よりも高額になる場合が多いと言えますが、電子錠を導入することで得られる利便性、安全性をも考え、よく比較して判断しましょう。
門扉に電気錠の設置をおすすめする住宅・家族
電気錠の導入が特に効果を発揮するのは、従来の鍵の取り扱いに不便や不安を感じているケースです。
また、夜間に頻繁にお家を出入りする家族がいたり、高度なセキュリティ強化を重視していたりする場合にも、電子錠は最適な選択です。また、子どもや高齢者が使用する可能性がある場合や住宅全体のスマートホーム化を進めている場合も、電気錠の導入を積極的に検討する価値があるといえます。
門扉に電気錠の設置をおすすめする住宅
以下のいずれかに該当する場合は、電気錠の設置をおすすめします。
- 金属製の鍵をよく探したり紛失する
- 夜になると、鍵穴が暗くて鍵を差し込みにくく感じる
- セキュリティのレベルを高めたい
門扉に電気錠の設置をおすすめしない住宅
一方で以下に該当する場合は、電気錠の設置はあまりおすすめできません。
- 停電時に閉じ込められないか、また家に帰れないか不安
- 門扉をなるべく安く設置したい
門扉に電気錠を設置する4つの注意点
門扉に電気錠を設置する場合は、押さえておきたい注意点が4つあります。それぞれのポイントを、順に確認していきましょう。
あらかじめ電源を確保したうえで、電気の配線を行う
設置にあたってはまず、綿密な電源計画の立案が必要です。最適な配線ルートを事前に確認し、必要に応じて屋外コンセントの設置も検討します。その際、将来的な拡張性への配慮も忘れず、また美観を損なわない配線方法を考える必要があります。配線が難しい場合は、電池で動作し施錠・開錠ができる門扉もご検討ください。
使いやすい開錠方法を選ぶ。鍵の代わりとなる物品や情報を忘れない
認証方式の選択では、家族全員の生活スタイルに適した方式を選定しましょう。複数の認証方法によるバックアップ体制を確保し、来客対応も考慮した運用方法を確立します。また、セキュリティレベルと利便性のバランスを十分に検討することも欠かせません。
本記事前半で紹介した「〔ピタットKey システム〕 電気錠付門扉」は、カードキーやシールキー、タグキーやおサイフケータイといった道具から、好みの物を選べます。ライフスタイルを踏まえて、使いやすい開錠方法を選びましょう。
停電時や電池切れが起きた場合の対応を確認する
停電対策については、非常時における確実な開閉方法を確認し、必要に応じてバックアップ電源システムを導入しましょう。手動での解錠方法も確保しておき、これらの対応手順については家族全員で共有しておくことが必要です。
エクステリアを熟知した専門施工店に依頼する
電子錠の設置を依頼する専門業者選びには、豊富なエクステリア施工経験を持ち、充実したアフターサービス体制を備えた業者を選ぶのがおすすめです。緊急時のサポート体制や製品保証内容についても詳細を確認し、長期的な安心感を得られる業者に依頼しましょう。
ご自宅に合った電気錠を設置し、セキュリティを高めよう
電気錠は、現代の住宅セキュリティにおける有効なソリューションですが、導入にあたっては住宅の構造や家族の生活スタイル、予算などを総合的に考慮する必要があります。信頼できるエクステリア専門の施工店に相談しながら、お客様の環境に最適なシステムを慎重に選択してください。適切な計画と準備によって、より安全で快適な住まいづくりを実現できます。
また、導入後も定期的にメンテナンスや使用方法を見直し、システムを最適な状態に保つことが重要です。家族全員で使用方法を理解し、緊急時にはどうするかといった手順も共有すれば、電気錠の持つ利点を最大限に活かすことができるでしょう。