家の正面にあることが多いカーポートは、デザイン次第で住まい全体の印象が大きく変わります。今回はYKK AP エクステリア スタイル大賞2023の受賞作品から、ホテルのようなエントランスや車が3台入るガレージなど、高級感があり使い勝手もいいカーポートやガレージの施工事例をご紹介しましょう。
目次
2台+1台を組み合わせた重厚感のあるカーポート
柱を移動して通路もひろびろ
車を複数台持つのが当たり前の地域や二世帯住宅では、3台分の駐車スペースが欲しいという要望が多いもの。でも気に入ったデザインがなかなか見つからない、もっと車幅にゆとりが欲しいなど、悩むことも少なくありませんでした。
こちらはそんな悩みを解決した施工事例です。「リレーリア ルーフフレーム」を使ってカーポートを製作。2台用と1台用を組み合わせ、3台をゆったりと停めることができるスペースを作り出しました。
「リレーリア ルーフフレーム」は、フレーム、ルーフ、スクリーン、ウォールなどのアイテムを組み合わせ、自由な空間レイアウトができる外構システム。高級感があり、力強さがあるフラットなデザインが、わが家のファサードに相応しい重厚感を演出してくれます。
フレームのカラーはモダンな「プラチナステン」や「カームブラック」、明るく柔らかい印象の「バニラウォールナット」、ナチュラルな木調の「キャラメルチーク」の4色展開。スクリーンのデザインも組み合わせ次第、ウォールには板張りやタイル仕上げデザインもあるなど、わが家ならではのオリジナルなカーポートを作り出すことが可能です。
またこちらの施工事例では、そのまま4隅に柱を立てると、通行の邪魔になりますが、柱を移動させることでスムーズな動線を確保。
自由度が高い外構システムを使えば、敷地形状や住まいのデザインに合わせた理想通りのカーポートを作ることが可能になります。
まるでホテルのエントランスのようなカーポート
邸宅感あふれる豪華なファサード
こちらの施工事例も「リレーリア ルーフフレーム」を使って、オリジナルなカーポートを製作したもの。「とにかくかっこよく」という漠然とした要望に応え、まるでホテルのエントランスのような邸宅感のあるカーポートが完成しました。
見どころは素材とカラーのバランスです。カーポートの屋根よりも高くそびえる袖壁や床には無機質なグレーをレイアウト。フレーム(額縁)効果を作り出し、ブラックと木調の軒天を持つ屋根や白い柱、屋根を突き抜けるシンボルツリーを絵画のように浮かび上がらせています。
カーポートは目立つ場所にあることが多いので、品質やデザインにこだわるのが住まいを美しく見せる大事なポイント。街並みに美しく映えるファサードなら、毎日家に帰るたびに誇らしい気持ちになれることでしょう。
後付けリフォームでもここまでできる
高品質なカーポートで一体感のある空間に
<リフォーム前>
<リフォーム後>
こちらは既製品のカーポートを使ってリフォームをした施工事例です。黒色の建物に良く似合うスタイリッシュなこのカーポートは「ジーポート Pro」。耐積雪、強風リスクに優れた高強度タイプです。
一般的に高強度カーポートはどうしても無骨な印象になりがちですが、こちらはエッジの効いたフォルムに、黒色と木調のパーツを組み合わせることで風格を感じさせる洗練されたデザインに。オプションも豊富に揃ったハイランク仕様なので、住宅とのトータルデザインがしやすくなっています。
また屋根を伸ばし、玄関を出てすぐにカーポートに入れるように計画。雨や雪の日も濡れることなく車の乗り降りができるようになるなど利便性も格段に向上しています。
既製品のカーポートも高品質でデザイン性の高いタイプを選び、袖壁などを組み合わせてカスタマイズすれば、まるでオーダーメイドのような空間を生み出すことが可能になります。
「ジーポート Pro」は、梁や屋根を延長したり、袖壁と組み合わせたりすることで、敷地形状や暮らし方、家のデザインに合わせたトータルコーディネートが可能な製品です。家の正面に据えるものだからこそ、品質にこだわって選ぶことが、住まいを美しく見せるポイントです。
カーポート空間を美しくライトアップ
光源を見せない照明計画で豊かさを感じる空間に
こちらも「ジーポート Pro」シリーズのカーポートを設置、ライトアップをすることで空間を美しく浮かび上がらせています。
こちらのライトアップは視覚的な効果はもちろん、防犯効果も期待でき、デザインと機能の両面を叶えるもの。光源を見せない照明計画で美しく浮かび上がったカーポートやフェンスが、住まいの表情をより豊かに見せています。
カーポートの計画の際には、高品質なカーポート選びをすることに加えて、効果的な照明計画を立てることが、デザイン性と機能性を高める大事なポイントになります。
石目調のガレージ×木調フェンス
直線的で端正なデザインにナチュラル感を添えて
こちらは石目調のハードなデザインのガレージの施工事例です。濃いグレーでまとめられた車庫まわりはモダンで端正な印象があります。
整然とした印象があるガレージまわりとは対照的に、玄関まわりは木調の玄関ドアやルシアスフェンスで、優しくナチュラルな雰囲気に。
トータルコーディネートというと、全てを同じ素材、同じ色でまとめがちですが、このようこんな風に無機質でハードな印象と、生命力や自然を感じさせるナチュラルな印象を組み合わせるなど、対比と調和のバランスを取ると、洗練された雰囲気の中にも温もりを感じる空間を作ることができます。
3台分のシャッター付きガレージ
圧倒的な存在感と風格を感じさせるデザイン
こちらの施工事例は、YKK AP エクステリア スタイル大賞2023年YKK AP大賞受賞作品です。
グレーの外壁と木調の軒天が、ガレージ部分にも呼応。有機物と無機物を対比させることで、重厚の中に軽やかさを演出。せせらぎが奏でる静寂を思わせる佇まいがあり、美しいバランスで見る者を圧倒する存在感があります。
使われているエクステリア製品はとても多彩で、エクスティアラシリーズ、シャローネシリーズ、ルシアスシリーズ、エフルージュシリーズ、リレーリアシリーズと、異なるシリーズをひとつにまとめ上げたデザイン力はまさに圧巻。
優れたエクステリアデザインは住まいそのものを格上げしてくれるのはもちろん、美しい街並みを作り出す大切な要素であることがよく分かる施工事例です。
今回はYKK AP エクステリア スタイル大賞2023の受賞作品の中から、高級感のあるカーポートを中心に、ホテルライクなエントランスや3台分のガレージを作った施工事例などをご紹介しました。新築やリフォームのご参考にして頂ければ幸いです。
下記に、同じく受賞作品の中から、最新の外構デザインの施工事例をご紹介しています。こちらもぜひご参考にしてみてくださいね。
著者プロフィール
Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー
長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中