アウトドアリビングに憧れてウッドデッキを設置したのに、ほとんど使っていない、居心地が悪い、お手入れが大変……そんな後悔の声を聞くことがあります。その原因は大きく3つ、「庭に出ても楽しくない」「庭に出るのが面倒」「ウッドデッキ選びの失敗」です。
今回は、アウトドアリビングでありがちな失敗と後悔を一級建築士が解説。YKK APエクステリア スタイル大賞の入賞作品から、本当に快適なアウトドアリビングにするために、ウッドデッキ選びから使い勝手を格段に向上させる動線計画のポイントまで施工事例と共にご紹介します。
アウトドアリビングでよくある失敗例とその原因とは?

細やかな工夫が凝らされた快適なアウトドアリビング(YKK AP エクステリア スタイル大賞2025年展示場・モデルハウス部門ブロンズスタイル賞 採用商品:リレーリア ルーフフレーム、プリュード パーティションフレームユニット、APW 430、APW 511/株式会社 土屋ホーム 函館支店)
せっかくウッドデッキを設置してアウトドアリビングを作ったのに、あまり使われていない、毎日の暮らしに役立っていないというケースは意外と少なくありません。
その原因は、暮らし始めてから気づく居心地の悪さや、維持の大変さにあります。
例えば、外からの視線が気になって落ち着かない、くつろげないというプライバシーの問題。夏に暑くて、日焼けが気になるなどの庭環境の厳しさ。また、庭への出入りが何となく面倒に感じるなどの動線の問題。
そして、ウッドデッキのお手入れが大変で費用がかさむだけでなく、だんだん見た目が悪くなって庭に出るのが楽しくなくなってしまうなど。
昨今、庭は第2のリビングとして注目されていますが、快適な空間にするためには、家の中のリビングとは異なる、屋外ならではの注意点を押さえておく必要があります。
空いた空間に何となくウッドデッキを設置するだけでは、大きな後悔に繋がってしまうことも。なかには、ウッドデッキ選びに失敗して、シロアリが発生。数年で撤去することになったケースもあります。
今回は、アウトドアリビングでよくある失敗例と対策方法、後悔しないために押さえておきたい注意点をYKK APエクステリア スタイル大賞の入賞作品の施工事例と共にご紹介しましょう。
庭に出ても楽しくない~居心地の良いアウトドアリビングにするポイント
外からの視線が気になって落ち着かない

外部からの視線対策で心からくつろげるアウトドアリビングに(YKK AP エクステリア スタイル大賞2021年リフォーム・リノベーション部門ゴールドスタイル賞 採用商品:リレーリア ルーフフレーム/株式会社 サンケンプラネット)
せっかくアウトドアリビングを作っても、居心地が悪いと足が遠のいてしまいます。よくある失敗で多いのが、ご近所や通行人からの視線が気になって落ち着かないというもの。
実際にあったケースでは、立派なウッドデッキを設置したのに、道路や隣家からの目が気になって結局ほとんど庭に出ていないという方や、庭に出るたびに、わざわざ着替えとお化粧をしているという方がいらっしゃいました。
こんな状態では、アウトドアリビングでくつろぐどころか、ゆったり庭で過ごす気持ちも薄らいでしまいます。
庭を快適なアウトドアリビングにするポイントは、家の中と同じように、プライバシーを確保することです。目隠しフェンスや植栽を組み合わせて、外からの視線をしっかりカット。普段着のまま気兼ねなく出られる庭にしておきましょう。
暑くて出られない、日焼けが気になる

テラス屋根やシェードを取り付ければ、夏も快適に(YKK AP エクステリア スタイル大賞2024年ガーデン部門ベストスタイル賞 採用商品:シンプレオ 門扉、ルシアス フェンスLite、シンプレオ フェンス、リウッドデッキ 200 EG、ルシアス デッキフェンス、ルシアス デッキ門扉、ソラリア テラス屋根、アウターシェード/株式会社 ワンストーン)
アウトドアリビングの悩みで多いのが、夏の暑さ対策です。
直射日光が当たる屋外、特に最近の夏は暑いため庭に出ることができず、紫外線による日焼けが気になるという声もあります。
庭の暑さの大きな要因となっているのは、太陽から降り注ぐ日射熱です。この日射熱は、ウッドデッキの表面温度を跳ね上げるため、体感温度も急上昇。
この暑さを防ぐポイントは、アウトドアリビングに日よけや屋根を設置して直射日光を遮ることにあります。もちろん紫外線対策にもなります。
例えば、テラス屋根に開閉可能なシェードを取り付けたり、ロールスクリーン型の日よけ「アウターシェード」を設置したり。庭の暑さを抑えると、家の中の涼しさをキープしやすくなるので、エアコンの電気代節約にもつながります。
家具の座り心地が悪くて、長居できない

そのまま眠ってしまいそうな座り心地のいい椅子を選べば、快適な時間が過ごせます(YKK AP エクステリア スタイル大賞2024年ガーデン部門(庭まわり)ブロンズスタイル賞 採用商品:リレーリア フロントフレーム、リレーリア ルーフフレーム、シャローネ 門扉、リウッドデッキ 200 EG、低電圧照明「VIEW UP」、カスタマイズパーツ、汎用形材・部品/株式会社 シノザキ)
屋外用の家具(ガーデンファニチャー)もアウトドアリビングの居心地を大きく左右します。
屋外用の家具は紫外線対策のために丈夫にできていますが、長時間座っているとお尻が痛くなったり、疲れてしまったりするものも。せっかく庭にアウトドアリビングを作っても、椅子の座り心地が悪ければ、リラックスしにくく、自然と長居をしなくなります。
アウトドアリビングでは家具をしっかり選ぶことも大切なポイント。
食事をするのか、お茶やお酒を飲みながらのんびり過ごすのか。どんな時間を過ごしたいのかを考えて、座り心地のほか、椅子やテーブルの広さや高さ、背もたれの有無、素材なども確認しながら選びましょう。
昨今はアウトドアリビングが一般化したことで、以前に比べて屋外用家具のバリエーションが増えています。選ぶ際には、耐久性に加えて、快適性を確かめてから購入するのがおすすめです。
夜になると真っ暗で使えない

ガーデンライトを取り入れれば夜の庭も楽しめる/YKK AP エクステリア スタイル大賞2025年ガーデン部門ゴールドスタイル賞 採用商品:リレーリア ルーフフレーム/南九施設 株式会社 https://nankyu-shisetsu.jp/
夜になると庭が真っ暗になり、アウトドアリビングも闇の中に消えてしまいます。暗い庭は防犯上も不安が残ります。せっかくのアウトドアリビングですから、ガーデンライトを設置して、夜の庭も楽しみましょう。
照明を後付けする際には、配線計画が必要になるのでエクステリア専門の施工店に依頼をしましょう。使う時だけ庭に持って出るなら、充電式やポータブル式のランプもあります。
夜間の雰囲気を決定づけるのが照明(ガーデンライト)です。
全体を煌々と明るく照らすのではなく、家具の足元を照らす間接照明、テーブル上のポータブルライト、植栽を下からライトアップするスポットライトを組み合わせたライトアップの演出で夜の庭でお酒を楽しんだり、静かなひと時を過ごしたり。アウトリビングでのナイトライフが一層盛り上がります。
また、室内からほのかに浮かび上がる庭はとてもロマンチックなもの。リビングから見える夜の景色も素敵に変わります。
庭に出るのが面倒~使い勝手を向上させるために知っておきたいこと
段差が大きくて、庭への出入りが面倒になる

室内のフローリングと、「リウッドデッキ」の高さとカラーを合わせてひとつながりの空間に(TOTO・DAIKEN・YKK APリフォーム情報サイト「十人十家」)https://re-model.jp/
庭に出るのが何となく面倒になる原因のひとつが、室内と庭の段差です。室内の床と庭の地盤面には一般的に50cm前後の段差があり、これは階段の2〜3段分の高さに相当します。
大きな段差は空間を分断します。普段はあまり意識していませんが、家の中でも、段差があるとそこで空間が途切れ、行き来がしにくくなるもの。庭への段差も同じで、何となく庭が別の場所に感じられ、暮らしが室内で完結してしまうようになります。
そんな時は、ウッドデッキを室内の床の高さに合わせて設置。室内外の床の段差を小さくするのがおすすめです。
家の中とアウトドアリビングの間にある床の段差が小さくなると、庭への出入りが格段にスムーズになり、家の内外に一体感が生まれるので、自然と外に出る機会が増えます。もちろんバリアフリーにもなるので、高齢者や小さな子どもたちも安心して暮らせるようになります。
水場やコンセント、収納がないと、意外と不便

水場などを備えた離れのようなアウトドアリビング(YKK AP エクステリア スタイル大賞2023年分譲街並み&ビル・商業施設部門ゴールドスタイル賞 採用商品:リレーリア フロントフレーム、ルシアス 宅配ポスト、リウッドデッキ 200/株式会社 ポラスタウン開発 株式会社)
アウトドアリビングで見落としがちなのが、水場とコンセント、そして収納です。
庭仕事の後に手を洗ったり、バーベキューの準備や後片付けをしたり。電源が必要な掃除機やサーキュレーター、電気毛布やホットプレートなども使えれば、庭で過ごす時間がより充実します。
水を使うたびに、物を出し入れするたびに、いちいち室内と庭を行ったり来たり。電気製品を使うたびに室内から長い延長コードを伸ばす必要があるようでは大変で、だんだん面倒になってしまいます。また、庭で使うアイテム類も、その場に収納ができれば更に便利です。
アウトドアリビングを使いこなす大事なポイントに、利便性を上げておくことがあります。ウッドデッキを設置する際には、水場、コンセント、収納も併せて計画をしておくと、ホームパーティやバーべーキューなどのイベントが一層楽しくなります。
ウッドデッキの手入れが大変~素材選びで失敗するとメンテナンスの手間がかかる
色褪せやささくれで、見た目が悪くなった

リウッドデッキならお手入れ簡単。美しい状態が長持ちします(YKK AP エクステリア スタイル大賞2024年ガーデン部門ベストスタイル賞 採用商品:リウッドデッキ 200、ルシアス デッキフェンス/ 有限会社 リーブス) https://www.leaves-since1998.co.jp/
ウッドデッキを設置してから数年で、色褪せが目立ってきた、ささくれが出て素足で歩けなくなった、という声を聞くことがあります。
庭は風雨にさらされ、紫外線が当たる場所ですから、デッキ材の選び方によっては劣化が早いことも。見た目も悪くなり、汚れて朽ちたデッキでは、庭に出る気持ちも薄れてしまいます。
こうした失敗を防ぐには、色褪せしにくく、ささくれが起きにくい素材を選ぶことが重要です。YKK APの「リウッドデッキ」なら、色褪せが少なく美しい状態が長持ちして、お掃除もラク。ひび割れやささくれが起きにくいので、素足でも歩きやすいウッドデッキです。
お手入れが大変で、結局取り外したケースも

ウッドデッキの材質は室内から見える風景も大きく左右します。美しさが長持ちするデッキを選びたいもの(YKK AP エクステリア スタイル大賞2024年ガーデン部門ベストスタイル賞 採用商品:ルシアス フェンス、リウッドデッキ 200 EG/ 積水ハウス 株式会社 三重支店)
https://www.sekisuihouse.co.jp/
ウッドデッキのお手入れが想像以上に大変だったという声は少なくありません。素材によっては3~4年ごとに塗り替えが必要になり、数年で腐食してしまうこともあります。
実際にあった事例に、玄関脇に立派なウッドデッキのテラスを作ったのですが、塗り替えの手間が大変で、少しさぼっていたらあっという間に腐食。見た目が悪くなり、10年も経たないうちに撤去することになったケースがあります。
アウトドアリビングのウッドデッキは、素材選びによって、この先のメンテナンスの手間が大きく変わります。色褪せが少なく、塗り替えなどの定期メンテナンスがほぼ不要な人工木の「リウッド」を使ったデッキなら、手間をかけずに美しい状態を長く保てます。
※)リウッドは再生木・人工木・樹脂木などとも呼ばれ、YKK APでは「リウッド」と表記、商品名は「リウッドデッキ」です。「リウッド」は天然木と比較して耐候性、耐腐朽性、耐水性に優れているため長期間にわたり快適に使用できます。
「リウッドデッキ」は、施工性に優れ、カラーバリエーションも豊富なので室内とのコーディネートがしやすいのが特長。高さも合わせやすいので、庭への出入りもぐっとスムーズになります。
アウトドアリビングの失敗や後悔の多くは、ちょっとした工夫で防ぐことができます。居心地を整える、出入りをスムーズにする、素材をよく考えて選ぶ。この3つを意識すれば、まるでリビングの続き間のような快適な空間を作ることができます。
施工事例を参考に、後悔しないアウトドアリビングづくりを楽しんでみてくださいね。
下記に、庭の目隠しのアイデアをご紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
著者プロフィール
Yuu(尾間紫)
一級建築士/インテリアプランナー/インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネジャー
長年リフォーム業界の第一線で、数多くの住宅リフォームの相談、プラン設計、工事に携わってきた経験から、本当に価値あるリフォームについて皆さまにお話します。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。実践的なリフォームのノウハウを、テレビや雑誌、新聞連載、講演などを通して発信中です。著書に『リフォームはこうしてやりなさい(ダイヤモンド社)』など。Webサイト「リフォームのホント・裏話」(http://www.ne.jp/asahi/net/rehome/)でリフォームの実践的なノウハウを公開中












