限られた敷地を有効活用して、毎日の暮らしをもっと楽しく快適にしたい!そんな時の効果的なリフォーム案のひとつがカーポートバルコニーを増築することです。
カーポートバルコニーは、その名のとおり「車庫の屋根であるカーポート」と「アウトドアリビングになるバルコニー」のふたつの役割を持つ、一石二鳥の便利アイテム。今回は庭を楽しむ暮らしにぴったりのカーポートバルコニーを増築する時に知っておきたい後悔しない選び方をご紹介します。
1. カーポートバルコニーのメリット
カーポートバルコニーを設置するメリットは、なんといっても有効活用できる空間が増えるということ。今まで存在しなかったアウトドアルームが生まれるということは、暮らしに大きなインパクトを与えます!
リビングになったり、リモートワークスペースになったり、子供のプールスペースになったり・・・さまざまな用途を満たしてくれます。
そしてバルコニーの下をガレージにすると、車を日差しや雨から守る屋根の役割も。自転車やバイク置き場にも最適です。
屋根のある庭として、お天気に左右されず楽しめる場所にもなるので、家での過ごし方に広がりが生まれます。
2. カーポートバルコニーのデメリット
良いところは沢山ありますが、条件によってはデメリットが生まれることもあります。それはバルコニーが庇になって、建物1Fの窓から入る陽射しが少なくなるということ。直射日光の強さに悩まされている窓にとっては環境改善になりますが、そうでなければカーポートバルコニーを設置した1階の部屋が少し暗くなると考えておきましょう。
3. カーポートバルコニーの種類
カーポートバルコニーは、形状や仕上げ材など、それぞれに複数の選択肢があります。
1. 手すりの高さ
一般的な腰高のH1,200mm程度、もしくは天井高さほどのH2,400mm程度の2種類。周囲の環境やバルコニーでの過ごし方などで、外からの視線をどれくらいコントロールしたいかを検討して選びます。
2. スクリーンデザイン
アルミ格子、木調格子、ポリカーボネートパネルがあり、デザインとカラーバリエーションが複数。
アルミ部分はブラック系とステン系の2色。木調は明るい色から暗い色まで3色あります。建物外観とのバランスを重視して選びます。
3. 床の仕上材
タイル、アルミ製採光デッキ材、樹脂デッキがあり、樹脂デッキにはカラーバリエーションがあります。
タイルは保水性のあるタイプで暑い季節は打ち水で涼しさを感じることができます。アルミ製採光デッキ材は暗くなりがちな1階に光を落としてくれます。樹脂製デッキは室内フローリングと色を合わせることで一体感が生まれやすくなります。どの特性を取り入れるのかを検討します。
カーポートバルコニーのサイズは建物や敷地に合わせて、また用途や予算によって決めていきます。最小サイズが幅2,730mm x 出幅1,720mmで3畳程度、最大サイズは幅7,280mm x 出幅5,360mmで24畳程度と、かなり大きなサイズまで設置が可能です。
4. 建物とのコーディネート方法
カーポートバルコニーのサイズが大きくなるほど、建物外観を隠すスクリーンの面積が大きくなり、外観デザインへの影響が強くなります。現状の外観デザインとのコーディネートは欠かせません。どんな家ならどんなカーポートバルコニーを選べばいいのか例を挙げてみます。
1. モダン・カッコいい系
明度の低い黒っぽい外壁や黒系のサッシ枠、白と黒とのコントラストの強い色使い。そんな人気のカッコいい系の建物外観には、カーポートバルコニーもアルミのシャープさを強調したデザインが似合います。
黒系を選ぶとカッコ良さが強調されます。重厚感も生まれやすい。レンガ貼りのクラシックスタイルの外観にも似合います。
ステンカラーを選べば都会的なスタイリッシュさを感じさせる外観に。軽やか印象で、大きな面積をルーバーで覆っても暗さを感じさせません。
2. カジュアル・ナチュラル系
白やベージュ系の外壁、木調テイストを取り入れたデザイン。明るい印象のナチュラル系の外観にはアルミカラーも明るいものが馴染みます。
カーポートバルコニーは躯体がアルミなので、どうしてもモダンな印象が出てしまいます。そこで自己主張しないシンプルなものを選び、建物外観が持つ雰囲気を邪魔しないというのがひとつのコーディネート方法。
もしくは、建物に使われている木部分の色に合わせて木調タイプを選ぶ。明るい色は軽やかで爽やかな印象になり、暗い色は落ち着いた重厚感が生まれます。白っぽい明るい外壁に組み合わせるなら、色にコントラストが生まれるほどモダンな印象になっていく。暗い木調色を選ぶとモダンに近づくということです。
現状のイメージを基本にして、さらに自分好みの外観に近づけていってください。
5. まとめ
毎日の暮らしを変えるほどの効果が期待できるカーポートバルコニーの増築。家で過ごす時間を充実させることが人気の今、注目度が高まっています。
家の外観をリニューアルすると同時に、インテリアとのつながりも考慮してほしいところ。アウトドアルームとしての利用価値だけでなく、インテリアの視覚的にも意味のある場所になります。室内空間がグンと広がる感覚を実感してください。バルコニーに出て外で過ごすことが厳しい真夏や真冬にも、増築してよかったと思えるはずです。
著者プロフィール
冨田ちなみ Gokansha(ゴカンシャ)
個人住宅の庭・外構や店舗のエントランスガーデンなど、あなたのライフスタイルに調和する外空間のデザインするGokansha(ゴカンシャ)代表。二級建築士、インテリアコーディネーター、二級造園施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、園芸療法リーダー二級、ハーブコーディネーターなど様々な資格を持ち、建築士でもあるため住宅目線・エクステリア目線・ガーデン目線、それぞれの記事を発信いたします。E&Gアカデミー講師。